校長室から~うろうろ

PTS だより(Parent-Teacher-Student)
校長室から
第 11 号
[3月 20 日]
「うろうろ」のススメ~主体的学習者への期待
季節は,新しい 4 月に向けて静かに一巡りしようとしています。これまで私は,皆さんに
様々なことを期待してきましたが,その最たるものは,皆さんの「自律」した姿です。それ
は,この呉宮原高校の校訓として,「自主自律」が掲げられているからです。
辞書には,
「自主」とは,
「当然なすべきことを自分から進んでやろうとすること」,そして
「自律」とは,
「自分で決めた規則に従い,わがままを抑えること」とあります。宮高生には,
この「自主自律」の精神と,それに裏打ちされた具体的な行動が期待されています。
勉強においての「自律」した姿は,
「主体的学習者」という言葉に重なります。自ら進んで
学習に取組むためには,分からないことがあっても逃げ
出さず,それをしばらく自分の中に持っておく力が必要
です。この「しばらく自分の中に持っておく力」は,皆
さんはなぜ必要だと思いますか?
私は,様々な経験を積むと,それなりに分からないこ
とが減ってくるものと思っていました。実際はそうでは
なく,分からないことが次々に出てきています。しかし,
その場では解決できなくても,捨てずに持っておくと後
で分かってくることがよくあるからです。
勉強においても分からないことをすぐには捨てずに,
参考書を見るなり先生に聞くなりして,後からでも一つ
一つ解決していこうとする姿勢が大切です。
何事にも当てはまることですが,「壁」にぶつかった時,急
いで乗り越えようと無理をする必要はありません。引き返さず
にその前で「うろうろ」してみると,その壁にも小さな穴があ
いていて,それが足をかける階段になることもあります。大切
なことは,常に前を向いて,壁の前で「うろうろ」してみるこ
とではないかと思います。
分からないことから逃げずに,まずは分からないことでも捨
てない,ということを意識することから始めましょう。
季節がさらに巡り,「主体的学習者」として一回り成長した皆さんの姿を期待しています。