(事例1).pdf(892473バイト)

小学部A類型
自己評価活動を生かした指導
到達度検査(CRT)の結果
国語の結果
算数の結果
観 点
平均
関心・意欲・態度
59
表現の能力
73
理解の能力
73
知識・理解・言語
79
低い
定
着
観 点
平均
関心・意欲・態度
60
数学的な考え方
67
表現・処理
79
知識・理解
76
土台づくり
の実態から
Ⅰ:児童が自身の学習の取り組みを振り返り,自分自身を認識する段階
Ⅱ:認識した自分自身が,ある目標や基準と照らし合わせてどうなのか判断をする段階
Ⅲ:その判断をもとに自分自身が今後どうすればいいのかを考える段階
へ
「自ら学ぶ意欲」アンケートの結果
「自己決定感」「挑戦行動」「独立達成感」が低い傾向
「学ぶ理由」アンケートの結果
未分化なグループ
外発的動機づけと自発的動機づけの
得点が同じ程度
全員1年生
外発的グループ
「認められたい」「よい成績をとるため」 外発的動機づけの得点が高い
補充的な学習が必要な児童
自発的グループ
「自己実現」「おもしろいから」 自発的動機づけの得点が高
い 発展的な学習ができる児童
「学ぶ意欲」
「教科学習能力」
Ⅰ段階
Ⅱ段階
Ⅲ段階
「自己評価能力」
関連づけた学習活動を重要視 実践事例(小学部3年)
「友だちと同じように
漢字や絵が上手になりたい」
視覚認知力の向上を図りながら,教科の
基礎・基本の定着を図った指導
A君のねがい
基礎的な力
有 能 感
学びの主体者
意欲的な生活
Aくんの支援の着眼点
①医療的側面から
④学力検査から
②学習意欲面から
⑤諸検査から
③ 行動観察から
Aくんの支援の着眼点
②学習意欲面から
「学ぶ理由」アンケート結果
「自ら学ぶ意欲」
アンケート結果
認められた
いため
社会的な望ましさ
18
学ぶ楽しさ
よい成績を
とるため
他者受容感
15
11
独立達成傾向
12
11
自己実現
5
情報収集傾向 13
11
挑戦傾向
有能感(自己価値)
7
7
有能感(学習領域)
おもしろい
から
自己決定感(一般的)
自己決定感(学習領域)
低さが関連
有能感(学習領域)
自己決定感(一般的)
自己決定感(学習領域)
0%
20%
40%
60%
80%
100%
Aくんの支援の着眼点
④学力検査から
漢字を覚える
にが手
⑤諸検査から
字形を整えて書く
数式の意味を考える
図形や方向を構成する
Aくんの支援の方針
①達成感を積み重ねる。
基礎学力の向上 ②自己評価活動を
取り入れる。
主体的な学習のできる子
③視空間認知や視知覚
の協応運動を高める。
視覚認知力の向上
(実践1)
(実践2)
(実践3)
実践 1
基礎学力の向上をめざした指導
(1)「漢字の指導」
A君の課題
(2)「計算の指導」
漢字の記憶
書 写 実践 1
基礎学力の向上をめざした指導
学習の方法と支援の工夫(漢字の指導)
①「チャレンジワ−ルド」の活用
②テストや学習用紙をファイル化
③粗大的な運動知覚として
④漢字に意味づけ,漢字クイズ
⑤ノートの使い方の工夫
⑥マス目に印
⑦始点と運筆の方向を言語指示
⑧運筆練習
漢字の変容
課題
実践 2
自己評価活動を取り入れた算数科の指導
指 自己評価活動
導 自己目標 自己活動 自己評価 自己強化
過
補充学習(定着)
程
発展学習(自己選択)
の
つくる
構 みつける みつける,つかう
みつける
成
図 算数的活動(操作的活動)
「博士ボックス」コーナー
実践 2
自己評価活動を取り入れた算数科の指導
数学的思考力の向上
指
導
過
程
の
構
成
自己評価活動
算数的活動
できる。わかる。
(有能感の高まり)
実践 3
「教科の基礎・基本」
を支える指導
−図形認知や
視覚協応運動の指導−
(自立活動)
実践 3
図形認知や視覚協応運動の指導
漢字書字の
つまずき
図形の視覚的認知力
記憶した漢字の想起
学習の内容
①図形の視写
図形の記憶と再生
マッチング
②運筆練習
③描画活動
視写した図形の変化
見
本
図
形
5
月
11
月
実践 3
図形認知や視覚協応運動の指導
④絵を描こう
「春の草花を見つけよう」(4月理科)
(9月)
「ひまわりの観察」
(9月)
「とんぼとり」
「千葉先生」
実践 3
図形認知や視覚協応運動の指導
図形認知力
成 果
視知覚の協応
運動能力
各教科の指導 国語:漢字など
算数:図形や表,グラフ,線分図など
社会:地図など 理科:物差しでの計測など
実践のまとめ
有能感・自己決定感の高揚
自己評価活動
(実践2)
「わかった。できた。」
視覚認知力の向上
(実践3)
基礎学力の向上
(実践1)
実践事例(小学部6年:下学年代替)
「早くみんなに追いつきたい、
同じところを勉強したいよう」
∼学習の遅れを取り戻し、
教科の基礎・基本の定着を図った指導∼
Bくんの歩みと思い
高校に進学したい
学習 6
内容
5
4
通常の場合
Bくん
3
2
1
0
0
1
2
A類型
勉強がしたい
3
B
4
5
6 在籍学年
Aー2類型
勉強むずかしいなぁ
医療的側面
学習意欲
心理検査
K−ABCの結果
・学年相応の学習が
可能
指導の着眼点
学力検査
【学力面】NRTの結果
学習の未経験が関係
・学びやすさや障害
特性に応じた配慮
が必要。
行動観察
学習意欲の実態
認められた
いため
社会的な望ましさ
15
学ぶ楽しさ
他者受容感
他者受容感
12
8
独立達成傾向
独立達成傾向
情報収集傾向
10
8
12
11
5
有能感(自己価値)
12
自己実現
有能感(学習領域)
自己決定感(一般
的)
自己決定感(学習
領域)
挑戦傾向
挑戦傾向
よい成績を
とるため
13
おもしろい
から
0%
20%
40%
60%
80%
100%
自ら学ぶ意欲に関する アンケート
学ぶ理由に関する アンケート
自信がもてず、指導者に頼りがち。
指導者への信頼が低い。
内発的・外発的な動機づけが混
在した学びの状況
Bくんの学びに取り組む姿勢
•
•
•
•
自信がもてず、指導者に頼りがち。
指導者への信頼が低い。
学習の未経験。
まひや障害特性による苦手意識。
支援の進め方
Bくんの学びに取り組む姿勢
(3)学習の取り組みを振り返りながら活動を選択し
基礎学力を高められるようにする。
(4)「出来た、発見した、取り組んだ」を視点に一
日を振り返り、より意欲的に学校生活が送れるように
する。
実践②∼④
(2)障害特性や理解のしやすさを踏まえて、教科の
基礎・基本を定着できるようにする。
実践①
自己評価活動
(1)学習の遅れを取り戻すための年間指導計画の作
成、保護者との共通理解・Bくんへの意識づけ
実践を通してのねらい
自己評価活動
年間指導計画の作成
共通理解・
意識づけ
教科の基礎・
基本
基礎学力
意欲
[実践①] 年間指導計画の作成と
共通理解・意識づけ
(手順1)
Bくんの学習状況の
把握
①学力検査②諸検査
③意欲、の視点から
(手順2)
中学部卒業
までの指導
内容の配列
の検討
(手順5)
Bくんへの
意識づけ
(手順3)
今年度の年間指導計
画作成
①授業時数の検討
②指導内容の精選
(手順4)
保護者との
共通理解
現在
在籍学年
小1
小2
小3
小4
小5
小6
中1
中2
中3
各教科の
指導内容
1年
1年
知的
代替
2年
3年
4年
5年
6年
中1
小6
中1
中2
中3
4年
5年
小6年∼
中1.1学期
中1.2学期∼
中2.2学期
中2.3学期∼
中3.3学期
(検討前)
変更
学年進行と各教科
の指導内容の配列
社会科の年間指導計画
実践②∼④ 『自己評価活動』
自己目標
学習シート
実践②
自己活動
チャレンジワールド
実践③
自己評価
実践④
振り返りシート
自己強化
学習シート
学習課題
自己目標
自己活動
自己活動
自己評価
自己強化
振り返りシート
自己活動
自己目標
自己評価
自己強化
自己評価活動を取り入れてみて
教科場面
・自力で課題解決しようとする。シートを振り返る。
・不安感だけでなく満足感も。「一人で出来た」「素早くできた」
・単元テストで8割以上(算数)。
・学習して得た知識を自分なりに解釈して「わかったこと」を記
述。
△探求心・好奇心を高めていくための授業改善。
△書き込みの内容が広がらない。→具体例を複数提示。
自己評価活動を取り入れてみて
チャレンジワールド
・低学年・問題数の少ない課題→自分の能力にあった課題へ
・自己決定感の高揚
・処理速度の向上。
・着実なスキルの向上。
△まひの影響。
自己評価活動を取り入れてみて
振り返りシート
・有能感,挑戦傾向,他者との関わり,自己実現などに関
連する書き込みの増加。
・書き込み数の増加(3.2こ→5.5こ)。
・結果をもとに次の活動へ。(朝早く登校→ゆとり→「やれば出
来るんだ」「おらってすごい」→習慣化)
・指導者側:成果や長所の視点で対象児を見つめる姿勢に。
△時間的・精神的なゆとりを持たせるように→一日の流れを見
直す。
実践を振り返って
実践①
成 果
• 1年を見通した行動。
• 保護者との協力体制の
確立。
• 高校受験への道筋。
課 題
・中学部卒業までを見通し
た指導内容の精選。
・Bくんに即した評価規準の
見直しの検討。
実践を振り返って
実践②
成 果
• 自己評価能力の高まり
• 内発的な動機づけによ
る学習への取り組みの
増加
• 教科の基礎基本の定着
• 基礎学力の向上
課 題
• 歩みはゆっくり、かつ
不安定
• 挑戦傾向・独立達成傾
向をさらに高めていっ
てほしい。
• 進学,就労に関した意
識づけ。