Bond Report - Goldman Sachs

Goldm an Sachs Asset M anagem ent
今週の債券投資戦略
情報提供資料 2015年4月13日
※ 本資料に記載されている見通しは、弊社グローバル債券・通貨運用グループ(以下、債券チーム)の見解です。
今週の戦略要旨
• 弊社では、米金利に対して中立の見通しに変更しました。過去数週間に渡って米経済指標が
軟調であること、グローバル要因の与える影響が増していることなどが背景として挙げられま
す。なお、長期的には、米経済の回復と、FRBによる政策金利の引き上げにより、金利は上昇
するという見通しを有しています。
• 米経済活動が弱含んでいる一方、ユーロ圏はQE(量的緩和)導入や原油安とユーロ安の恩恵
を受け、経済指標が改善傾向にあります。
• 1-3月期において、政府系MBSの期限前償還率(前月比)が、市場予想の2倍のペースで上昇
しています(弊社予想と一致)。弊社では、政府系MBSを引き続き弱気に見ています。
今週のチャート 「支援的な政策と経済状況を背景にユーロ圏のGDP成長率見通しが上昇」
【ユーロ圏GDP成長率見通しとPMI新規輸出受注】
56
1.6%
•
左 図 は 、 ユ ー ロ 圏 の 2015 年
GDP成 長見 通しと PMI 新 規輸
出受注の推移です。
•
ユーロ圏経済指標が2014年中
旬に落ち込み、2015年ユーロ圏
GDP成長見通しが大幅に下方
修正されました。
•
しかしながら、足元ユーロ圏の
成長見通しが上方修正されてい
ます。背景には、ユーロ安によ
る輸出の下支え(左図)が挙げら
れるほか、原油安とECB(欧州
中央銀行)によるQEや銀行セク
ター修復といった点でも、ユーロ
圏は恩恵を受けています。
ユーロ圏GDP成長率見通し(2015年)
55
1.5%
54
1.4%
53
1.3%
52
1.2%
ユーロ圏PMI新規輸出受注
51
50
14/1
1.1%
1.0%
14/4
14/7
14/10
15/1
(年/月)
出所:ブルームバーグ 期間:2014年1月末~2015年3月末
※本資料は2015年4月10日時点の弊社見通しに基づき作成しています。
上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。
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今週の債券投資戦略
情報提供資料 2015年4月13日
デュレーション戦略 (金利戦略: 各国の金利動向を予想)
「米国、日本、欧州に対して中立の見通し」
•
米国: 3月の米ISM(供給管理協会)製造業景気指数は前月の52.9から51.5に、非製造業総合指数は前月の
56.9から56.5に下落しています。要因は、ドル高や寒波、そして西海岸の港湾ストが挙げられます。3月のADP
雇用統計は18.9万人(市場予想を3.5万人以上下回る結果)であり、非農業部門雇用者数も期待外れの弱い結
果(市場予想の半分程度の増加)となりました。一方、失業率は5.5%と安定的に推移しており、賃金は予想を上
回る上昇を見せましたが、労働参加率は小幅の下落となりました。
•
欧州: ユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数)の3月改訂値は54となり、3月速報値と市場予想を若干下回り
ました。なお、ドイツの総合PMIは前月比+1.6、イタリアは+1.4となっています。
•
日本: 2月の現金給与総額が前年比0.5%の上昇となっており、市場予想の0.7%上昇を下回りました。
国別配分戦略 (金利戦略: 他国に対する相対的な金利の動きを予想)
「日本、米国に対し、英国とユーロ圏の金利が相対的に上昇するとの見通しを維持。ユーロ圏内
では、フランスと比較してイタリア・スペインの金利が相対的に低下するとの見方を維持」
•
ECBがQEを導入して以来、ユーロ圏の長期債価格は上昇しています。弊社では、日本・米国と比較して英国・
ユーロ圏の金利が相対的に上昇すると見ています。
•
ギリシャは、ユーログループの要求を満たす財政再建プログラムの作成に取り組んでいるところですが、弊社で
はギリシャは来る債務返済の義務を果たせると見ています。
【欧州周辺国10年債金利】
【先進国10年債金利】
15%
米国
英国
ドイツ
日本
4%
3%
ギリシャ
ポルトガル
イタリア
12%
スペイン
9%
2%
6%
1%
0%
13/1
3%
13/5
13/9
14/1
14/5
14/9
15/1
(年/月)
0%
13/1
13/5
13/9
14/1
14/5
14/9
15/1
(年/月)
出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年4月10日
※本資料は2015年4月10日時点の弊社見通しに基づき作成しています。
上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。
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今週の債券投資戦略
情報提供資料 2015年4月13日
通貨配分戦略
「対日本円、豪ドルで米ドルをやや強気見通し、エマージング通貨を強気見通し」
•
米経済指標が軟調であることから、弊社は利上げ開始時期の予想を後退させていますが、長期的には更なる
米ドルの上昇を期待しています。
•
弊社では、他の原油輸出国通貨と比べて割安感の欠けるカナダドルについて、弱気見通しを後退させています。
•
弊社ではエマージング通貨、特にハンガリー・フォリントやメキシコ・ペソを強気に見ています。フォリントは、QE
がなくともユーロ圏の成長に下支えされると考え、ペソはこれ以上の原油安を踏まえても割安と見ています。
【先進国通貨(対円パフォーマンス)】
【エマージング通貨(対円パフォーマンス)】
150
米ドル
ユーロ
豪ドル
150
140
円
安
140
130
130
120
120
110
110
100
100
90
円
高
80
13/1
13/5
13/9
14/1
14/5
14/9
15/1
(年/月)
ブラジル・レアル
メキシコ・ペソ
トルコ・リラ
90
80
13/1
13/5
13/9
14/1
14/5
14/9
15/1
(年/月)
出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年4月10日(2013年1月1日を100として指数化)
MBS(モーゲージ証券)戦略
「政府系MBSに対する弱気見通し、集合住宅MBS(政府系)に対するやや強気な見通しを維持」
•
弊社では、(借り換えリスクが相対的に低い)低クーポンの政府系MBSを選好しています。
•
期限前償還率が市場予想を上回っており、この傾向は特に期間が経過したミディアムクーポンの政府系MBSに
影響が見られます。
「非政府系MBSをやや強気見通し」
•
現在の市場環境において、非政府系MBSに対して引き続き建設的な見方をしています。
•
CLO(ローン担保証券)の月間発行額が、セルサイド予想を大幅に上回って、3月は過去最高水準に達していま
す。一方で、バンクローンの発行は細っていることから、将来の新規発行には限度があると見られます。
※本資料は2015年4月10日時点の弊社見通しに基づき作成しています。
上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。
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情報提供資料 2015年4月13日
コーポレート・クレジット戦略
「投資適格社債とハイ・イールド社債に対する強気の見通しを維持」
•
投資適格企業のM&Aによる資金調達が年初来125億ドルと記録を更新しています。
•
1-3月期における欧州企業の業績予想は、米国を上回っています。ドル高およびユーロ安が一部影響していま
すが、欧州では本業が成長傾向にある点が反映されていると見ています。
•
先週は、ハイ・イールド社債のリターンは+0.56%となり、バンクローンは+0.24%となりました。
【投資適格社債スプレッド】
【ハイ・イールド社債スプレッド】
1.8%
5.5%
米国
欧州
米国
欧州
5.0%
1.6%
4.5%
1.4%
4.0%
1.2%
3.5%
1.0%
3.0%
0.8%
13/1
13/5
13/9
14/1
14/5
14/9
15/1
(年/月)
2.5%
13/1
13/5
13/9
14/1
14/5
14/9
15/1
(年/月)
出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年4月10日
エマージング債券戦略
「エマージング債券をやや強気見通し」
•
原油価格がほぼ一定で推移する中、エマージング
債券市場の原油関連銘柄のスプレッドが、足元数
週間で縮小しています 。この上昇は、ショートカ
バーや現地投資家による購入、そしてナイジェリア
の選挙結果が市場に好感されたことなどが要因と
見られます。
【エマージング国債 スプレッド】
4.5%
4.0%
3.5%
3.0%
2.5%
2.0%
13/1
13/5
13/9
14/1
14/5
14/9
15/1
(年/月)
出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年4月10日
※本資料は2015年4月10日時点の弊社見通しに基づき作成しています。
上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。
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情報提供資料 2015年4月13日
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