Goldm an Sachs Asset M anagem ent 今週の債券投資戦略 情報提供資料 2015年2月9日 今週の戦略要旨 • 弊社では、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ開始時期の予想を2015年6月から9月 に変更しています。力強い雇用統計は利上げ材料になると考えていますが、コモディティ価格 の下落がコアインフレの上昇を抑制すると考えています。 • 原油価格が先週にかけて反発しており、ブレントやWTI原油先物価格は15%程度上昇してい ます。弊社では、足元の上昇は一時的なものと見ており、大幅な供給過多を背景として、(原 油価格が安定化に入る前に)再度下落する可能性があると考えています。 • 先週、ギリシャの新財務相が民間投資家の保護を約束すると表明したことから、ギリシャ資産 は上昇しました。しかしながら、今後実施予定のECB(欧州中央銀行)とドイツ首脳との会合次 第では、ギリシャ国債価格が再び下落する可能性があります。弊社では、ドイツ国債と比較し た、欧州周辺国国債の強気の見方を弱気に転じています。 今週のチャート 「足元ギリシャ国債が上昇するも、今後は欧州周辺国国債に対して弱気見通し」 【ギリシャ10年国債 利回り】 • 左図は、ギリシャ10年国債の利 回りを示しています。2015年1 月30日時点で11.17%だった利 回りは、2月3日には9.51%に低 下しており、100bpsを超える縮 小幅となっています。 • ギリシャ国債価格の上昇は、ギ リシャ新財務相の発言に起因し ており、その内容は既存の民間 投資家の保護を約束するもので した。また、同相はECBとユーロ 圏の公的機関が保有する債務 をGDP成長率に連動した新発 債に交換するといった提案もし ています。 • ECBとドイツ首脳との会合はま だ実施されておらず、上記の交 渉は困難を極め、合意に至るま で更にネガティブな値動きにな る可能性があります。弊社では、 ドイツ国債と比較して、欧州周 辺国国債を弱気に見ています。 12% 11% 10% 9% 8% 7% 6% 5% 14/1 14/3 14/5 14/7 14/9 出所:ブルームバーグ 期間:2014年1月~2015年2月6日 14/11 15/1 (年/月) ※本資料は2015年2月6日時点の弊社見通しに基づき作成しています。 上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。 1/5 Goldm an Sachs Asset M anagem ent 今週の債券投資戦略 情報提供資料 2015年2月9日 デュレーション戦略 (金利戦略: 各国の金利動向を予想) 「米国の金利上昇見通しを維持。日本と欧州に対しては中立の見通し」 • 米国: 米国の経済指標は好調である一方、外需は軟調な世界経済を反映しています。1月の非農業部門雇用 者数は、25.7万人となっており、前月分と労働参加率も上方修正されています。しかし、輸出が大幅に落ち込ん だことから、2014年10月-12月期のGDP成長率は2.6%と市場予想を下回っています。 • 欧州: 1月のPMI(購買担当者景気指数)改定値が51と小幅上昇しています。国別では、ドイツとフランスは小幅 低下していますが、スペインとイタリアは改善しています。 • 日本: 消費者心理が改善に向かっており、原油安の恩恵が円安によるマイナスの影響を相殺していることを示 唆しています。弊社では、欧州の金融政策が、日銀の超過準備預金金利(IOER)の引き下げを促す可能性があ ると見ています。 国別配分戦略 (金利戦略: 他国に対する相対的な金利の動きを予想) 「カナダ、日本、米国の金利と比較して、英国の金利が相対的に上昇するとの見通しを維持。 ユーロ圏内では、ドイツ・フランスと比較して欧州周辺国の金利が相対的に小幅上昇するとの見 方に変更」 • 1月下旬に開催された選挙での反緊縮財政であるSYRIZA(急進左派連合)の勝利を受けて、ギリシャ資産は大 幅に低下しています。先週はギリシャ国債市場も回復したものの、新政府とECBとドイツ政府との、新たな金融 支援の枠組みに関する交渉が控えており、市場は混乱に直面すると見ています。 • ユーロ圏では、ECBの購入(来月初より開始)に向けて国債発行が増加しており、このテクニカルな要因が欧州 周辺国国債の重しとなっています。弊社では、周辺国国債に対する強気の見方を変更しており、足元ドイツに対 して、イタリアの金利が小幅に上昇すると見ています。 • 弊社では、市場の英国に対する悲観的な見方は、足元のPMIや住宅関連指標の堅調な推移からみて、行き過 ぎであると見ています。また、市場は利上げを充分に織り込んでいないと考えられます。 【欧州周辺国10年債金利】 【先進国10年債金利】 4% 3% 米国 英国 ドイツ 日本 ギリシャ ポルトガル イタリア スペイン 15% 12% 9% 2% 6% 1% 3% 0% 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 (年/月) 0% 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 (年/月) 出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年2月6日 ※本資料は2015年2月6日時点の弊社見通しに基づき作成しています。 上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。 2/5 Goldm an Sachs Asset M anagem ent 今週の債券投資戦略 情報提供資料 2015年2月9日 通貨配分戦略 「NZドルとユーロに対して米ドルをやや強気、エマージング通貨をやや強気見通し」 • 長期的には継続して米ドルを強気に見ています。しかし短期的には、原油価格の反発やグローバルなダウンサ イドサプライズの減少、また米国経済の軟調なデータの発表等によって、米ドルは割高になる可能性があると見 ています。 • 原油価格が反発していることから、原油輸出国に対する弱気見通しを弱めています。また、マレーシア・リンギの 弱気見通しを中立化しています。 • 世界経済の低迷や円安がアジア通貨の重しとなっており、フィリピン・ペソ、中国元を弱気に見ています。 • シンガポールの移民の入国制限は、競争率の大幅低下に繋がると考えており、シンガポール・ドルを弱気に見 ています。 【先進国通貨(対円パフォーマンス)】 【エマージング通貨(対円パフォーマンス)】 150 米ドル ユーロ 豪ドル 150 140 ブラジル・レアル メキシコ・ペソ トルコ・リラ 140 円 安 130 130 120 120 110 110 円 高 100 100 90 90 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 (年/月) 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 (年/月) 出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年2月6日(2013年1月1日を100として指数化) MBS(モーゲージ証券)戦略 「政府系MBSに対する弱気見通し、政府系集合住宅に対するやや強気な見通しを維持」 • 弊社では、借り換えの増加が新規発行を増加させると見ており、政府系MBSの弱気見通しを強めています。 • ジニー・メイ債を特に弱気に見ており、カレントクーポンよりも高クーポンの政府系MBSも弱気に見ています。 「非政府系MBSをやや強気見通し」 • 現在の市場環境において、非政府系MBSに対して引き続き建設的な見方をしています。 • クレジット・カード債権を担保としたABSについて、比較的健全なファンダメンタルズにもかかわらず、魅力的なス プレッド水準となっていることから注目しています。 ※本資料は2015年2月6日時点の弊社見通しに基づき作成しています。 上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。 3/5 Goldm an Sachs Asset M anagem ent 今週の債券投資戦略 情報提供資料 2015年2月9日 コーポレート・クレジット戦略 「投資適格社債とハイ・イールド社債に対する強気の見通しを維持」 • 先週、欧州の投資適格社債のパフォーマンスは、米国の投資適格社債を上回って推移しました。2015年年初来 ではエネルギーセクター(弊社では弱気見通し)が最もアンダーパフォームしています。 • ハイ・イールド社債ファンドは先週27億ドルの流入、バンク・ローンファンドは先週4.3億ドルの流出となりました。 【投資適格社債スプレッド】 【ハイ・イールド社債スプレッド】 1.8% 5.5% 米国 欧州 米国 欧州 5.0% 1.6% 4.5% 1.4% 4.0% 1.2% 3.5% 1.0% 3.0% 0.8% 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 (年/月) 2.5% 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 (年/月) 出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年2月6日 エマージング債券戦略 「エマージング債券をやや強気見通し」 • • 【エマージング国債 スプレッド】 S&Pは1月26日に、ロシア経済の悪化から、ロシア 国債の信用格付けを「BBB-」から「BB+」に引き下 げ、見通しを「ネガティブ」としています。市場価格 において格下げはほぼ織り込まれており、市場の 反応は限定的となりました。弊社では、外貨建てロ シア国債は弱気に見ており、現地通貨建て国債に 関しては中立に見ています。 ブラジルの巨大エネルギー企業であるペトロブラス の動向を注視しており、更なる格下げの可能性が あると見ています。先週は、CEOと幹部が数名辞 任しています。 4.5% 4.0% 3.5% 3.0% 2.5% 2.0% 13/1 13/5 13/9 14/1 14/5 14/9 15/1 (年/月) 出所:ブルームバーグ 期間:2013年1月~2015年2月6日 ※本資料は2015年2月6日時点の弊社見通しに基づき作成しています。 上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。 4/5 Goldm an Sachs Asset M anagem ent 今週の債券投資戦略 情報提供資料 2015年2月9日 本資料は、情報提供を目的としてゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいま す。)が作成した資料であり、特定の金融商品の推奨(有価証券の取得の勧誘)を目的とするものではありません。 本資料は、弊社が信頼できると判断した情報等に基づいて作成されていますが、弊社がその正確性・完全性を保 証するものではありません。 本資料に記載された過去のデータは、将来の結果を示唆あるいは保証するものではありません。 本資料に記載された見解は情報提供を目的とするものであり、いかなる投資助言を提供するものではなく、また 個別銘柄の購入・売却・保有等を推奨するものでもありません。記載された見解は資料作成時点のものであり、 将来予告なしに変更する場合があります。 個別企業あるいは個別銘柄についての言及は、当該個別銘柄の売却、購入または継続保有の推奨を目的とす るものではありません。本資料において言及された証券について、将来の投資判断が必ずしも利益をもたらすと は限らず、また言及された証券のパフォーマンスと同様の投資成果を示唆あるいは保証するものでもありません。 守秘義務 本資料の一部または全部を、弊社の書面による事前承諾なく(I)複写、写真複写、あるいはその他いかなる手段 において複製すること、あるいは(Ⅱ)再配布することを禁じます。 © 2015 Goldman Sachs. All rights reserved. <152842.OTHER.MED.OTU> ※本資料は2015年2月6日時点の弊社見通しに基づき作成しています。 上記は経済や市場等の過去のデータであり、将来の動向を示唆あるいは保証するものではありません。 5/5
© Copyright 2024 ExpyDoc