健康に働くために大切なことを学ぼう 13-2 ①心の健康 今回取り上げるテーマは「心の健康」です。 身体が健康であることももちろん 大切ですが、心の健康が損なわれると 様々な症状につながり、やがて身体の 健康も保てなくなってしまいます。 心の健康のために大切なことを 学んでいきましょう。 ②メンタルヘルスとは メンタルヘルスという言葉を聞いたことが ありますか? メンタルヘルスとは、心の健康のことです。 心が健康であることは、日常生活は もちろん、仕事をすすめる上でも とても大切なことです。 ②メンタルヘルスとは 身体も心も元気だと・・ 仕事において • 周囲とのコミュニケーションが良好になる。 • 目標を達成するために前向きに仕事に取り組める。 • 達成した喜びを周囲と分かち合える。 日常生活において • • • • 食べ物がおいしいと感じる。 きれいなものを見て美しいと感じる。 よく眠れる。 笑顔でいることが多い。 ②メンタルヘルスとは 身体も心も元気ではないと・・ 仕事や日常生活において • • • • わけもなく元気が出ない。 なんだかやる気が出ない。 何をするにもおっくう。 ちょっとしたことでイライラする。 ③心の健康を維持することが難しい時代 景気の低迷、 回復の時代背景 企業の経営戦略、 雇用情勢の変化 勤務形態の変化などによる 働く人の心理状態の変化 極度のストレスによる心の健康の圧迫 ③心の健康を維持することが難しい時代 精神障害などの労災補償状況 1600 1409 1400 1200 1272 1181 1061 1136 1257 1074 1193 1217 1000 852 請求件数 800 決定件数 600 475 400 234 308 436 支給決定件数 325 200 0 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 ※出典:厚生労働省「平成25年度脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」(平成26年6月) ④ストレスとは 心の病気の原因として、多くの場合に 「過度のストレス」が挙げられます。 「ストレス」という言葉は聞いたことが あると思います。 それでは「ストレス」とは どういったものなのでしょうか。 ④ストレスとは 心 ストレスと人の心の関係はよく風船を 使って例えられます。 仮にこの風船をみなさんの心だとして 説明します。 ④ストレスとは 心 ストレッサー 外部(環境) の変化 内部に起こる反応 =ストレス反応 風船は、外部の要因から圧力(ストレッサー)を 受けると、中の空気が反発し、抵抗しようと します。 この反発して抵抗する反応は、「ストレス反応」 と呼ばれます。 ④ストレスとは 心 ストレッサー 外部(環境) の変化 内部に起こる反応 =ストレス反応 外部からの圧力が強ければ風船は 戻らなくなってしまいます。 つまり人の心も、ストレッサーが強ければ 強いほど壊れてしまう、ということです。 ④ストレスとは 心 ストレッサー 外部(環境) の変化 内部に起こる反応 =ストレス反応 また、風船はその材質や、中の物質によって どの程度のストレッサーで元に戻らないのか が異なります。人も同様に、その人の個性や 体調によって、耐えられるストレッサーの レベルが異なります。 ④ストレスとは 心 ストレッサー 外部(環境) の変化 内部に起こる反応 =ストレス反応 このストレッサーとストレス反応を総称して 「ストレス」と呼びます。 つまり、心の重荷になる物事や、 気になること、不安になることなどを 示すのが「ストレス」です。 ⑤過度なストレスに直面すると 脈拍の増加 血圧の上昇 呼吸数の増加 消化、成長、免疫システムの不全 食欲の低下、病気への感染 手に汗をかく、心臓がドキドキする、 動悸がする、などはすでにストレス反応が 出ている証拠です。 ⑥ストレスの要因 日常生活における 代表的なストレス要因 仕事における 代表的なストレス要因 対人関係 結婚 プレッシャー ペットの死 ストレス 家族 ストレス 失恋 期日 転居 日常生活や仕事において、 様々なことがストレスの 要因になります。 人間関係 ⑦ストレスとは上手に付き合っていくもの ストレスがまったくない状況では適応力を養うことができません。 適切なストレスの強さはむしろ必要だとも言えます。 いかにストレスをなくすかではなく、いかに上手にストレスと 付き合うかが現代社会に必要な知恵です。 ⑧メンタルヘルス不調 過剰なストレスがその人の限界を 超えてしまうと、身体や心に摩擦が 生じます。 その結果、心身の健康のバランスが崩れ、 うつ病などのメンタルヘルス不調に なってしまいます。 ⑧メンタルヘルス不調 うつ病は症状が回復するまでの期間が長く、再発率も決して 低くはない病気です。 症状が改善したという診断が出たあとでも、次のような症状が 残る可能性があります。 • 意欲の低下 • やる気の減退 • 集中力困難 • 易疲労性(疲れやすい) • 持久力低下 ⑨ストレスへの対処法 ここまでメンタルヘルスやストレスについて 学んできました。 ここからは、主に仕事をすることになってから の職場のメンタルヘルスについて学んでいき ます。 ⑨ストレスへの対処法 <職場でメンタルヘルスを推進するための4つのケア> 働く本人がストレスに気づき対処する「セルフケア」 管理職などが職場環境等の改善や個別の指導・ 相談を行う「ラインケア」 組織内の衛生管理者などによる 「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」 組織外の専門家や相談機関を活用する 「事業場外資源によるケア」 ※出典:厚生労働省「労働者の心の健康の保持増進のための指針」 ⑩セルフケアとは どこまでが耐えられるストレスか。どこからが耐えられない ストレスか。耐えられない時に、どのように対処するか。 自分自身のストレスへの傾向を知り、相談などの対処法を 実践すること。 • 定期的な健康診断の受診。 • 日頃から自分自身の心と身体の健康に 注意をはらう。 ⑪3つのストレス対処法 ストレスを跳ね返す(欲求不満耐性) 自らの努力・精神力により、そのつらい状況を我慢して 乗り切り、なんとか根本的な解決をしようとすること。 ストレスを逃がす(自己防衛機制) 考え方に柔軟性を持ち、見方を変えることでストレスを 逃がすこと。 ストレスを抜く(カタルシス) 息抜きをしてストレスを発散すること。 ※出典:吉野聡著「精神科産業医が明かす職場のメンタルヘルスの正しい知識」(日本法令) ⑫ストレスに早く気づくこと 悩みがある場合は1人で抱え込まず、上司に 相談しましょう。時には相談機関等の 第三者的な意見を聞くことも大切です。 「心と身体の元気を維持しながら仕事をする」 ということはとても尊いことです。 今回学んだことをいかして、将来健康に 働いていきましょう。 ※ 参考:webサイト「職場のメンタルヘルス」(東京都産業労働局) http://www.kenkou-hataraku.metro.tokyo.jp/mental/
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