平 成 2 7 年 3 月 2 5 日 国土交通省中部地方整備局 環 境 省 お 知 ら せ ~名古屋南部大気汚染公害原告団と国が意見交換~ 1.件 名 「名古屋南部地域道路沿道環境改善に関する連絡会」(第15回)の開催について 2.概 要 平成27年3月27日(金)名古屋港湾会館において(第15回)「名古屋南部 地域道路沿道環境改善に関する連絡会」(以下「連絡会」といいます。)を開催し ます。この連絡会は平成13年8月8日、名古屋高裁及び同地裁において、名古 屋南部大気汚染公害訴訟(第1次~第3次)の和解が成立し、その和解条項に基づ き設置されたもので、原告と国(国土交通省及び環境省)とが、和解条項に記載さ れた施策の検討・実施状況について意見交換を行うものです(和解の内容につい ては、参考資料「提訴から和解に至る経緯」をご参照下さい)。 連絡会は、平成14年5月17日を第1回として、これまで14回が開催され、 今回が第15回の開催となります。 3.開催日時及び場所 日時:平成27年3月27日(金) 14時~16時 場所:名古屋港湾会館 2階 第一会議室(名古屋市港区港町1番11号) 4.配布先 中部地方整備局記者クラブ 5.取材及び資料配布 (1)連絡会は、公開とします。 ただし、カメラ撮影は開催前における委員の着席風景のみとしてください。 (2)連絡会の会議資料は、当日会場受付にて配布します。 6.問合せ先 (国土交通省関係) 国土交通省 中部地方整備局 道路部 やまぐち ふさみつ 路政課長 山口 房光 (TEL 052-953-8166) (FAX 052-953-7723) お で きよし 計画調整課長 尾出 清 (TEL 052-953-8171) (FAX 052-953-9180) (環境省関係) 環境省 水・大気環境局 自動車環境対策課 み し ま ひ ろ き 課長補佐 三島 博樹 (TEL 03-5521-8302) (FAX 03-3593-1049) [参考資料] 提訴から和解に至る経緯 【訴訟の概要】 名古屋市南部または東海市に居住または通勤し、公害健康被害補償法あるいは名古 屋市条例に定める指定疾病(気管支喘息等)の認定を受けた患者及びその遺族が、国及 び企業11社(その後、倒産により10社)に対し、大気汚染物質の排出差止めと損害賠償 を請求したものです。 提訴年月日 第1次 第2次 第3次 平成元年3月31日 平成2年10月8日 平成9年12月19日 当事者 (原告)名古屋市南部または東海市に居住または通勤する患者及びその遺族 (第1次:145名 第2次:101名 第3次:47名) (被告)①道路(国道1号・23号・154号・247号)の設置管理者である国(国土交通省) ②大気汚染の進行に対し、有効適切な排出規制を行わなかった国(環境省) ③名古屋南部地域に工場、事業所を立地・操業する企業11社(後、倒産で10社) 請求の趣旨 ①環境基準を超える二酸化窒素、浮遊粒子状物質、二酸化硫黄の排出の差止め ②損害賠償請求(第1次:41億円余 第2次:27億円余 第3次:13億円余) 【第1次訴訟第1審判決の概要】 判決言渡し日 平成12年11月27日 判決の内容 ①損害賠償請求:一部認容 昭和47年10月以降、気管支喘息の発症時に国道23号沿道20m以内に居住し ていた原告3名について、浮遊粒子状物質の排出と気管支喘息による健康被害と の因果関係を認め、これが道路の設置・管理の瑕疵により生じたとして、道路管理 者である国に対し1,809万円の支払いを認容。(企業10社に対しても、二酸化硫黄 の排出と健康被害との因果関係を認め、原告96名について2億8,962万円の支払 いを認容。) ②差止請求:一部認容 国道23号沿道20m以内に現在居住している原告1名について、道路管理者で ある国が国道23号を自動車の用に供することにより、1時間値の1日平均値0.15 9mg/m3を超える浮遊粒子状物質の排出をしてはならない旨の不作為請求を認容。 【和解に至る経緯】 国は、①医学的知見が十分でない中で浮遊粒子状物質と健康被害との因果関係が一 部認容されたこと、②浮遊粒子状物質についての差止めが一部認容されたこと、を不服 として、平成12年12月5日に控訴しました。また、原告・企業も同月11日に控訴しまし た。 その後、国は関係省庁連絡会議(警察庁・経済産業省・国土交通省・環境省)を設置し、 平成13年3月29日に「名古屋南部地域の道路交通環境対策の推進について-当面の 取組-」の公表を行い、国の取組姿勢について原告の理解を戴いた結果、平成13年8 月8日、1次訴訟については名古屋高裁の、2次・3次訴訟については名古屋地裁の、そ れぞれの勧告を訴訟当事者が受け入れる形で和解が成立したものです。 【和解の概要】 和解条項の主な内容は下記のとおりです。なお、差止請求については、他の請 求と切り離し、これを和解の対象とはせず、原告は別途請求を放棄するという方 式を採りました。 1 国の道路管理者である国土交通省、環境省としてとり得る施策の 検討ないし実施に努める。 (1) 国の道路管理者である国土交通省の施策 ① 国道23号の車線削減 ② 車線削減検討のための交通量調査 ③ 環境施設帯の設置 ④ 特殊車両通行許可違反の車両取締りスペースの設置 ⑤ 大気環境の調査 ⑥ 道路管理に係る車両の改善 ⑦ 交通需要マネジメント(TDM)施策も含めた名古屋都市圏交 通円滑化総合計画策定の支援 (2) 環境省の施策 ① 改正自動車NO X法に基づく対策 ② 大気汚染防止法に基づく対策 ③ 大気環境の調査 ④ 健康影響調査 (3) 関係機関との連携 2 原告と国の道路管理者である国土交通省、環境省は、意見交換を 行う場として「連絡会」を設置する。 3 原告は、損害賠償請求を放棄する。 なお、原告と企業との和解条項は、企業が一次~三次訴訟を通じ、解決金と して約15億2,000万円を支払うこと、環境情報について地方自治体を通じ 公開すること等が記載されました。
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