資料 8-4 人クローン胚の作成・利用の目的に係る論点について (検討のためのたたき台) 1.目的について 1)「難病等」の対象とする範囲についてどのように考えるか。 例えば、その時点において、 「有効な根治療法が無い、あるいは(ドナーの不足等の制約により)その実施 が困難であり、一般的な治療では生命予後の改善が見込まれない傷病」 または 「慢性の経過をたどり、不可逆的な機能障害を伴うため、日常生活に著しい制 限あるいは他者の介護を必要とする傷病」 と考えることはできるか。他に含まれる要件はないか。 再生医療研究の対象となっている疾患のうち、対象とならないものはどのよ うなものか。 2)他の治療法及び研究の状況との関係についてどのように考えるか。 臓器移植法に基づき臓器移植が実施されているものについて、ドナー不足、 拒絶反応等の問題が残るものについては、「他に治療法がない」と考えてよい か。 人工臓器、組織移植が実用化あるいは高度先進医療として実施されている ものについて、「他に治療法がない」と考えてよいか。 人工臓器、組織移植において臨床研究が実施されているものについて、「他 に治療法がない」と考えてよいか。 以外の治療法(外科治療、薬物等)の存在するものについて、それらが根 治療法でなければ「他に治療法がない」と考えてよいか。 他の再生医療研究において臨床研究が実施されているものについて、「他 に治療法がない」と考えてよいか。 他に実用化されている治療法、あるいは高度先進医療として実施されている 治療法があるものについて、「他に治療法がない」と考えてよいか。 3)「難病等」の対象とする範囲についてどのように定めることが適切か。 ・ 疾患名を列挙することはどうか。 (韓国においては生命倫理法の大統領令で研究対象として許される具体的な 難病・稀少病を列挙) →疾患名を列挙することの利点、問題点は何か。 ・ 定性的に考え方を示した上で、対象となるもの、もしくは対象とならないものを 具体的に示すことはどうか。 2.研究の範囲について 1)「治療目的」の範囲についてどのように考えるか。 ・ 細胞移植治療のためのソースとしてではなく、疾患モデルを作成してその原 因の解明、病態の理解のために利用すること、また、創薬研究のために利用す ることを目的として、SCNT-ES 細胞を作成することについては、「治療のため の研究」であり、研究の対象範囲として認めるという考え方はどうか。 2)ヒト ES 細胞の樹立を目的としない研究の取扱いについてどのように考えるか。 ヒト ES 細胞の樹立を目的としない人クローン胚作成そのものに係る研究に ついては、その成果によりその後の ES 細胞の樹立及び再生医療の研究が効 果的に進められると考えられることから、研究の対象範囲として認めるという 考え方はどうか。 未受精卵の凍結・融解技術や未成熟卵子の体外成熟技術の研究など、未 受精卵そのものの研究については、生殖補助医療研究として扱うものであり、 研究の対象範囲として認めないこととすることでよいか。 ヒト ES 細胞から未受精卵の代替となる細胞(生殖細胞)を作成することは ES 指針で禁止されているが、仮に作成が認められることとなった場合において も、そのための研究は通常のヒト ES 細胞樹立研究の中で行うべきものであ り、研究の対象範囲として認めないこととすることでよいか。 3.研究実施の科学的妥当性について ・ その疾患の治療のためのヒト ES 細胞の研究において、目的とする細胞への 分化に一定の実績があることを要件としてはどうか。
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