レイケア テスト 自己採点でスキルチェック(相互作用、副作用に関して) Q. 以下の処方せんを見て、1~6の問いに答えてください。 処 方 せ ん (この処方せんは、どの保険薬局でも有効です。) 公 費負 担者 番号 保 公費負担医療 被保険者証・被保険 者 の記 号・ 番号 受 給 者 番 号 氏 名 患 者 ヤッキョク タロウ 薬局 太郎 殿 43 歳 明大 昭 平 生年月日 46 年 3 月 7 日 男 ・ 女 被扶養者 区 分 被保険者 交付年月日 平成 27 年 2 月 10 日 険 者 番 号 保険医療機関の 所 在 地 及 び 名 称 電 話 番 保険医氏名 都道府県番 号 処方せんの 使 用 期 間 号 0 6 1 2 789 ・1001 3 4 5 6 東京都文京区湯島9-9-9 医療法人 トリム会 文京第一病院 03-5812-XXXX 本 郷印 本郷 一郎 #点数表番号 1 医療機関コード 0514XXX 平 成 年 日 月 特に記載のある場合を除き、交付の日を含めて 4日以内に保険薬局に提出すること。 変更不可 処 方 1 ポリフル錠500mg 1回1錠 (1日3錠) チアトンカプセル5mg 1回1カプセル (1日3カプセル) 1日3回 毎食後 14日分 2 イリボー錠5μg 1回1錠 (1日1錠) 1日1回 朝食後 14日分 【以下余白】 【患者情報】 「下痢が続いていて、朝、通勤中 に困っている。」 今回、イリボーが追加になった。 保険医署名 「変更不可」欄に「レ」又は「×」を記載した 場合は、署名又は記名・押印すること 備 考 調 剤 済 年 月 日 平 1 2 3 4 5 6 成 年 月 日 公費負担者番号 保険薬局の所在地 及 処方から推定される疾患名は何ですか。 称 公 費 負 担 医 療 保 険 薬 剤 師 氏 名 び 名 の 受 給 者 番 号 それぞれの薬の作用機序を答えてください。 処方された薬のうち、併用注意とされているものはどれとどれか。また、その 理由も述べてください。 車の運転等に注意しなくてはいけない薬はどれか。 ポリフルは十分な水で服用することになっていますが、その理由を答えてく ださい。 イリボーの適応は男性のみとなっていますが、その理由を述べてください。 レイケア テスト 自己採点でスキルチェック(相互作用、副作用に関して) A. 1 下痢型過敏性腸症候群 過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)は、消化器症状として主に腹痛と便 通異常(下痢・便秘)が持続して認められるが、その原因としての消化管の器質的な異 常が認められない機能性消化管疾患である1)。 病型は主に出る症状により分類され、下痢型、便秘型、混合型(下痢と便秘が交互) に大別される。 一般に有病率は、20~30 歳代で高く、年齢が増すにつれて減少するが、近年、小児 や高齢者においても増加傾向にある2)。男性では下痢型、女性では便秘型が多い2)。 治療は、まず食事や生活習慣の見直しを行うが、十分な効果が得られない場合は 薬物療法が行われる。 2 ポリフル;胃内(酸性条件下)でカルシウムを脱離して、非溶解性のポリカルボフィルと なり、これが高い吸水性を示し、膨潤・ゲル化する。 下痢時は、増加した水分を吸収しゲル化し、腸の内容物の通過時間を遅 延させ、下痢や頻回の排便を改善する。 便秘時は、水分を吸収して膨潤し、腸の内容物を軟化あるいは増加させ、 便を出しやすくする。 チアトン;選択的抗ムスカリン作用をもつ。副交感神経の刺激を弱め、その結果、胃 腸等の攣縮を緩和し、痛みを和らげる。 イリボー;セロトニン(5‐HT3)受容体を選択的に阻害する。 消化管運動を亢進するセロトニンの伝達を遮断することで、大腸輸送能 亢進や大腸水分輸送異常にもとづく下痢症状を改善する。 また、知覚神経のセロトニン受容体を遮断し、大腸痛覚伝達を抑制して、 知覚過敏や腹痛を緩和する。 3 4 チアトンとイリボー。 チアトンの抗コリン作用によって、イリボーの薬理効果が増強される可能性があり、 イリボーの便秘、硬便等の副作用が増強されるおそれがある。 作用の延長上の副作用でもあるため、患者には、むしろ便秘になるようなら医師に 伝えるよう指導する。 チアトン。 羞明(まぶしさ)等を起こすことがある。 レイケア テスト 自己採点でスキルチェック(相互作用、副作用に関して) 5 6 服用後に途中でつかえた場合に、膨張して喉や食道を閉塞する可能性があるため。 現時点で得られている臨床成績では、女性におけるイリボーの有効性は認められず、 副作用発現率が高いことから、女性に対して投与しないこと3)となっている。 <IBSの治療薬のまとめ> 1) 抗コリン薬(チアトン、トランコロン、ブスコパン):腹痛・下痢の症状を和らげる 2) 消化管機能調整薬 セレキノン:下痢および便秘の改善 ロペミン、イリボー:下痢の改善 ガスモチン、ガナトン:便秘の改善 3) 高分子重合体(コロネル、ポリフィル):下痢および便秘の改善 4) 下剤(カマ、ラキソベロン):便秘の改善 ※大腸刺激性の下剤の長期漫然投与は好ましくない 5) 整腸剤(ビオフェルミン、ラックビー):腸内環境を整える(主に下痢の改善) 6) 抗うつ薬、抗不安薬など:精神的ストレス等の緩和 【参考文献】 1) 小川聡、武藤正樹 監修:「今日の common disease 診療ガイドライン(医学書院)」 過敏性腸症候群(IBS) 2) アルフレッサ:SAFE-DI ガイドラインシリーズ 過敏性腸症候群(IBS) 3) イリボー錠添付文書 「資料提供:ファーマライズホールディングス株式会社」
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