第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 第1章 熊取町水道事業ビジョンの概要 ↓ 第 2 章 PI 算 定 結 果 ↓ 第3章 前期目標施策の進捗・評価 ↓ 第4章 更新需要予測・財政収支見通し ↓ 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 ↓ 第6章 後期目標期間における施策 67 第5章 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 第5章 新水道ビジョン(平成25年3月厚生労働省策定)に示される新しい施策 5.1 新水道ビジョンの要点 1)水道ビジョン及び新水道ビジョンの違いについて 水道ビジョンでは安心、安定、持続、環境、国際という5つのキーワードに大きく分類されて いましたが、新水道ビジョンでは安全、強靭、持続の3つに分類されるようになりました。それ ぞれ、安心 → 安全、安定 → 強靭、持続・環境・国際 → 持続という形で新水道ビジョンに引き 継がれています。 図5.1 水道ビジョン(平成16年厚生労働省策定)のキーワード 図5.2 新水道ビジョン(平成25年厚生労働省策定)のキーワード 68 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 2)重点的な実現方策 新水道ビジョンに示される3つの方策について、重点的に取り組むべき内容が以下に示されて いる15の施策となります。 1 関係者の内部方策 3 新たな発想で取り組むべき方策 (1)水道施設のレベルアップ(強/(持))※ (1)料金制度の最適化(持) (2)資産管理の活用(持) (2)小規模水道(簡易水道事業・飲料水供 (3)人材育成・組織力強化(強/(持)) 給施設)対策(安/(持)) (4)危機管理対策(強/安) (3)小規模自家用水道等対策(安/(持)) (5)環境対策(Ⅰ)(持) (4)多様な手法による水供給(持/(強)) 強靭 安全 持続 2 関係者間の連携方策 (1)住民との連携(コミュニケーション)の促進(持/安/強) (2)発展的広域化(持/強) (3)官民連携の推進(持) (4)技術開発、調査・研究の拡充(安/持) (5)国際展開(持) (6)環境対策(Ⅱ)(持) ※目指すべき方向性のうち、どれに最も合致するかを示す。()書きは、やや合致するものを示す。 「安」は安全、「強」は強靭、「持」は持続をそれぞれ示す。 図5.3 新水道ビジョンにおける重点的な実現方策 69 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 5.2 新水道ビジョンに示される施策との整合 新水道ビジョンに示される施策の右側に、それぞれに対応する現水道ビジョンの施策番号を示 しています。取り消し線を引いている施策は、熊取町の水道事業の現状を考慮し、施策として取 り上げる必要性が低いものです。また、橙で色付けしている施策は、新水道ビジョンを適用する ことで新しく発生してくる施策となります。 表5.1 新水道ビジョンに示される施策との対比(1) 新水道ビジョン(H25.3厚生労働省策定)に示される施策 熊取町水道ビジョン(H22.3策定)施策番号 1) 関係者の内部方策 (1)水道施設のレベルアップ ① 施設更新時の再構築 2-2-①・②・④ ② 施設の適正な維持管理、情報の電子化 3-1-①、4-2-② (2)資産管理の活用 (3)人材育成・組織力強化 ① 職員教育の充実化 3-1-④ ② 水道事業管理者・水道技術管理者の適正配置 3-1-② (4)危機管理対策 ① 水源事故対策 1-1-④、1-2-①・②・③、2-1-① ② 施設耐震化対策 2-2-①・② ③ BCP(Business Continuity Planning)などの事前の応急対策 ④ 資機材等確保対策 2-3-④ ⑤ 応急給水の準備対応 2-3-③ ⑥ 水道事業における危機管理マニュアル等の整備 2-3-① ⑦ 停電を想定したエネルギー確保対策 2-1-② (5)環境対策 ① 再生可能エネルギー・省エネルギー対策等の導入促進 4-1-①・② ② 浄水発生土と建設発生土の有効利用 4-1-③ 2) 関係者間の連携方策 (1)住民との連携(コミュニケーション)の促進 ① 住民への積極的な情報提供の拡大 3-3-② ② 水道水に対する信頼性向上の取り組み 3-3-② ③ 環境学習、社会学習の場の提供 3-3-② ④ 飲料水へのニーズの多様化に対する活動 3-3-② ⑤ 地震等災害時の住民との連携 2-3-② ⑥ 広報の組織体制 3-3-② (2)発展的広域化 ① 近隣水道事業者との広域化の検討を開始 2-1-③ ② 次の展開として広域化の取り組み推進 2-1-③ ③ 発展的な広域化による連携推進 2-1-③ 70 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 表5.2 新水道ビジョンに示される施策との対比(2) 新水道ビジョン(H25.3厚生労働省策定)に示される施策 熊取町水道ビジョン(H22.3策定)施策番号 2) 関係者間の連携方策 (3)官民連携の推進 ① 多様なPPP(Public Private Partnership)の活用 3-1-③ ② 官民の人事交流の活用 (4)技術開発、調査・研究の拡充 ① 技術力確保・向上 3-1-④ ② 技術開発の推進 ③ 調査・研究の推進及びその成果の活用 (5)国際展開 ① 海外への展開と水ビジネスの連携推進 ② 職員の研修による人材育成 ③ 日本の技術・ノウハウの国際的活用 (6)水環境の保全 ① 水源等の環境保全対策 1-2-① 3) 新たな発想で取り組むべき方策 (1)料金制度の最適化 ① 逓増型料金制度の検証 3-2-③ ② 料金格差の是正 3-2-③ (2)小規模水道(簡易水道事業・飲料水供給施設)対策 ① 簡易水道事業対策 ② 飲料水供給施設対策 (3)小規模自家用水道等対策 ① 簡易専用水道、貯水槽水道等の管理強化 1-3-⑤ ② 飲用井戸等小規模自家用水道の管理強化 ③ 給水形態の見直し 1-3-④ (4)多様な手法による水供給 ・宅配給水 ・移動式浄水処理装置の巡回 71 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 5.3 新旧施策の対比 永楽浄水場の休止による関連施策の除外等、前期期間での実績による施策目標の修正及び、新 水道ビジョンを踏まえた新しい施策の抽出を行いました。 これらの結果を反映した施策について当初と見直しの対比を次に示します。 表5.3 新旧施策対比(1) 今回見直し 当初計画 基本方針1 安全でおいしい水の供給 施策目標1−1 水質管理の強化 施策分類 基本方針1 安全でおいしい水の供給 施策目標1−1 水質管理の強化 ①検査体制の強化・充実 ①検査体制の強化・充実 安全 ②水質連続監視装置の整備 ②水質連続監視装置の整備 安全 移動(1-1-①の本 文にのみ記載) ③残留塩素濃度の適正化 ④水安全計画の策定 施策目標1−2 自己水の浄水水質の向上 ④水安全計画の策定 安全 施策目標1−2 自己水の浄水水質の向上 ①水源(永楽ダム)地域の保全 除外(永楽浄水場の 休止により) ※但し①について は、熊取町の取組み に対し積極的に協力 を行う。 ②高効率浄水施設の整備 ③高度浄水処理の導入検討 施策目標1−3 給水水質の向上 施策目標1−3 給水水質の向上 移動(3-3-①の本 文にのみ記載) ①給水不良の改善 ②老朽管の布設替え等による水質向上 老朽管更新事業 変更理由 ②老朽化管路の布設替え等による水質向上 安全 老朽化管路更新事業 安全 ③鉛製給水管の解消 ③鉛製給水管の解消 ④直結給水の範囲拡大 ④給水形態の見直し(直結給水の推進) 安全/ 名称変更 (持続) ⑤小規模貯水槽水道の水質維持 ⑤小規模貯水槽水道の水質維持 安全/ (持続) 72 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 表5.4 新旧施策対比(2) 当初計画 基本方針2 いつでもどこでも安定した水の供給 施策目標2−1 安定水源の確保 今回見直し 施策分類 基本方針2 いつでもどこでも安定した水の供給 施策目標2−1 安定水源の確保 除外(永楽浄水場の 休止により) ①自己水源の安定確保 ②浄水受水の的確な水運用 ②浄水受水の的確な水運用 持続/ 強靭 ③水道事業の広域化への対応 ③水道事業の広域化への対応 持続/ 強靭 施策目標2−2 水道施設の機能強化 ①老朽化施設の更新改良 変更理由 施策目標2−2 水道施設の機能強化 ①老朽化施設の更新改良 強靭/ (持続) 南海受水・配水場更新 平成26年度完成 永楽浄水場更新・改良の検討 平成25年度検討完 了による永楽休止 永楽浄水場更新 除外(永楽浄水場の 休止により) 老朽管更新事業 ②水道施設の耐震化対策 老朽化管路更新事業 ②水道施設の耐震化対策 名称変更 強靭/ 安全 非耐震管路更新事業 非耐震管路更新事業 石綿管更新事業 石綿管更新事業 南海配水池・事務所棟耐震化 南海配水池・事務所棟耐震化検討及び実施 名称変更 重要給水施設への供給ラインの耐震化 今回見直しによる新 規施策 ③非常時の水融通機能の充実 ③非常時の水融通機能の充実 安全 ④最適な配水区域に見直し ④最適な配水区域に見直し 強靭 ⑤配水管網の充実 強靭 施策目標2−3 災害対策の充実・強化 今回見直しによる新 規施策 施策目標2−3 災害対策の充実・強化 ①危機管理対策マニュアルの整備 ①危機管理対策マニュアルの整備 強靭/ 安全 ②災害対策の実施体制と実施訓練 ②災害対策の実施体制と実施訓練 強靭/ 安全 ③応急給水・復旧体制の確立 ③応急給水・復旧体制の確立 強靭/ 安全 ④応急給水設備の整備 ④重要給水施設および応急給水拠点の設定 強靭/ 安全 ⑤応急給水設備の整備 強靭/ 安全 ⑥停電を想定したエネルギー確保対策 強靭/ 安全 73 今回見直しによる新 規施策 継続内容であるが、 具体的な施策の記載 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 表5.5 新旧施策対比(3) 今回見直し 当初計画 基本方針3 効率的で安定した事業運営 施策分類 変更理由 基本方針3 効率的で安定した事業運営 施策目標3−1 効率的な事業運営 施策目標3−1 効率的な事業運営 ①維持管理業務の効率化 ①維持管理業務の効率化 強靭/ (持続) 現有施設長寿命化の具体的な方針検討 及び実施 今回見直しによる新 規施策 実使用年数に基づく更新基準の設定 今回見直しによる新 規施策 水需要減少も考慮した施設の更新検討 今回見直しによる新 規施策 強靭/ (持続) ②効率的な組織体制と職員定数の適正化 ②効率的な組織体制と職員定数の適正化 ③業務委託の在り方の検討 ③業務委託の在り方の検討 ④水道技術の継承 ④水道技術の継承及び向上 強靭/ 名称変更 (持続) ⑤マッピングシステムの有効利用 強靭/ 4-2-②から移動 (持続) 持続 施策目標3−2 経営基盤の安定化 施策目標3−2 経営基盤の安定化 ①経営の合理化・効率化 ①経営の合理化・効率化 持続 ②収益確保への取組み ②収益確保への取組み 持続 継続内容であるが、 具体的な施策の記載 国庫補助等の活用による継続的な 資金確保の検討 ③水道料金の見直し検討 施策目標3−3 質の高いサービスの提供 ③将来にわたり持続可能な水道料金設定の検討 持続 名称変更 ④資産管理(アセットマネジメント)の活用 持続 今回見直しによる新 規施策 施策目標3−3 質の高いサービスの提供 ①お客様サービスの向上対策 ①お客様サービスの向上対策 持続/安全 /強靭 ②広報活動の充実 ②広報活動の充実 持続/安全 /強靭 安全でおいしい水道水のPR 継続内容であるが、 具体的な施策の記載 現状や課題等に関する情報提供 継続内容であるが、 具体的な施策の記載 74 第5章 新水道ビジョンに示される新しい施策 表5.6 新旧施策対比(4) 当初計画 基本方針4 環境に配慮した水道事業 今回見直し 施策分類 変更理由 基本方針4 環境に配慮した水道事業 施策目標4−1 省エネルギーの推進 施策目標4−1 省エネルギーの推進 ①環境負荷への低減化対策 ①環境負荷への低減化対策 持続 ②再生可能エネルギーの利用 ②再生可能エネルギーの利用 持続 ③資源の有効利用の推進 ③資源の有効利用の推進 持続 建設副産物の再利用 本文にのみ記載 上水汚泥の有効利用 除外(永楽浄水場の 休止により) 施策目標4−2 有効率の向上対策 ①漏水防止対策の推進 施策目標4−2 有効率の向上対策 ①漏水対策の推進 持続 移動(3-1-⑤に記 載) ②マッピングシステムの有効利用 基本方針5 国際貢献 施策目標5−1 国際的な人材交流の推進 ①海外からの視察受け入れ 基本方針5 国際貢献 施策目標5−1 国際的な人材交流の推進 ①海外からの視察受け入れ 75 持続
© Copyright 2024 ExpyDoc