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【経済史】 柴田 英樹 ゼミ
演習テーマ : 経済史における現代
<活動内容>
おもにヨーロッパ近現代史を題材にしながら経済史の基礎理論を学習し、現代的なテーマについて経済史研究の立場
から考える力を養っていきます。
大学入試の受験科目としては世界史も日本史もそれほど楽しい科目ではなかったかもしれませんが,この演習では現
代社会を経済史の側面から理解するために、北西ヨーロッパを中心とした資本主義社会の誕生に関するテキストを輪
読し、近代化が何であったのかを多面的に考察してみるつもりです。
もう少し具体的にいえば、資本主義社会では貨幣が富の中心になっていますが,古代・中世の社会では奴隷・土地・家
畜など貨幣以外のものが富の中心になっていました.そして,この富概念の相違がそれぞれの社会を全く異なるシス
テムへと形成していきました.産業革命・市民革命によって我々の社会は,それ以前とは根本的に異なるものへと発展
していくことになりますが,近代資本主義とは何であるのか、市場や金融の影響力が近代以降に強まってきたのはな
ぜなのか、政治的平等と私的所有制度(経済的不平等)とはどのように両立しているのか、国民国家や国民概念が近
代の産物であるというのはどういうことであるのか、このような問題に歴史的観点から取り組みながら現代を見据えた
歴史観を形成していってもらいます。
演習は主として輪読形式でテキストを読むことを中心に始め、3 年生の後期からは各自の研究テーマに従った報告を
中心とした演習になります。自分のテーマを決めるのがなかなかたいへんなところですが、3 年前期までの演習や経済
学部の様々な講義、各自の読書や研究などによって徐々に考えがまとまっていくものです。もちろん担当教員が必要
に応じてお手伝いします。先輩のゼミ生もみなさんこの経路をたどって各自の独自の研究を進め、卒論を書いています
から、そうしたものを参考にしていただくこともできます。
ゼミ合宿を行うかどうかは演習参加者との相談で決めます。必ず行うと決めているものではありませんし、どのような
形態で行うかも参加者との相談しだいです。