3章 - 神奈川県立総合教育センター

ここがポイント
3章
授業の実践にあたって
授業の幅を広げる
ツールを活用する
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ICTを活用しよう
ICTを授業に取り入れる
☆ICTとは
Information
and
ICTの活用と聞いて、まず思い浮かぶのは「コンピュータとプロ
Communication
ジェクタを接続して資料の投影をすること」でしょう。最近は、教室
Technology の略です。
やグラウンド等でタブレット端末が使われるようになってきていま
情報や通信に関連する
技術一般の総称のことで、
す。教師だけでなく、生徒が活用することで、授業の目的がより達成
できる場合があります。
一般的には「情報通信技
術」と訳されますが、文部
科学省や教育の分野では
「情報コミュニケーショ
教師が活用する
映像の提示、資料の投影、課題の提示などの活用が考えられます。
(右ページの「授業での活用例」等を参考にしてください。
)
ン技術」と訳されていま
す。
生徒が活用する
☆情報活用能力とは
情報活用能力について
の解説は、参考資料-5に
記載があります。
資料収集、調査結果の整理(分析、グラフ化等)、協働学習、発表
活動(プレゼンテーション)等での活用が考えられます。
ICTの活用によって、単に情報を収集・整理させるだけでなく、
情報を主体的に扱い、受け手の状況を想像した情報発信ができる能力
ここでは、ICTを活
を身に付けさせます。これらのICTを活用する能力を含む「情報活
用する能力は、情報活用
用能力」を育成する学習活動は、全ての教科で行うことが重要です。
能力の一部にすぎないと
いうことを知っておいて
ください。
目的に合った活用を
ICTを使うことが目的ではありません。生徒にどのような力を身
に付けさせるのかを確認し、効果的な活用方法を考えましょう。
グループで一台など、台数についても吟味しましょう。
個別支援
が必要な
生徒への
対応を考
えよう
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特性に応じたICTの活用
読字や書字に困難を示す生徒には、視覚的に分かりやすく理解しやすいコン
ピュータによる教材提示やディジタルカメラを活用した板書記録が有効です。
また、口頭でのコミュニケーションが苦手でも、メールやチャットを使えば自
分の考えを伝えられる生徒がいます。文書作成ソフトやプレゼンテーションソ
フトを活用して、自分の考えを表現する活動を取り入れましょう。
授業での活用例
ICTの活用によって、次のように授業の幅が広がります。
実物投影機を活用して
生徒のノートを投影することで、黒板に書かせていた時間を説
明する時間等に充てられます。事前に拡大印刷できないものを、
その場で拡大できる実物投影機の効果を考慮し、授業の構成を検
討しましょう。
映像資料を活用して
インターネット上には多数のディジタルコンテンツが公開され
ています。例えば、「理科ねっとわーく」には、実施困難な実験
の様子や、学習教材などが多数公開されています。また、録画し
ておいた教育映像資料を生徒に見せることも含め、紙媒体では提
示することが困難な動画像を見せることができる授業の実現は、
ICTの得意とするところです。
ビデオカメラを活用して
☆映像資料について
総合教育センターのホ
ームページに、「教材作成
に役立つリンク集」のペー
ジを用意しています。
普段から情報収集を行
っておきましょう。
☆情報モラルに関する
指導
情報モラルに関する意
識を育てることも、各教
科・科目の指導の中で行う
こととして求められてい
ます。
具体的には、情報の収
家庭科の授業で扱う運針の様子や理科で扱う実験器具の操作方
集、判断、処理、発信など
法など、手元の細かい操作や手順を教師が模範演示している様子
情報を活用する各場面に
を撮影しておくと、クラス全員が同じ視線(アングル)で模範演
応じた情報モラルについ
示を見ることができるだけでなく、教師は動画像の模範演示を見
て学習させることが考え
せながらその説明をしたり、作業中に手本となる動画像を流し続
られます。
けたりすることができます。
教員は、法令の知識、現
ディジタルカメラを活用して
状の把握や問題が起きた
よく通る道にある石碑や記念碑、珍しい色の花を撮影しておい
て授業で使うことができます。ふと目にとまったものを撮影して
おくと後の授業で使える素材になったりします。
際の対処についての知識
を持つことが必要です。
その上で、どのような教
材があるのか、どのような
タブレット端末を活用して
上記の活用は、タブレット端末でも実現可能です。例えば、複
数の生徒のノートをタブレット端末で撮影し比較できるよう投影
するなど、効果的な活用方法が多数報告されています。
タイミングで、どのような
方法で指導することが効
果的であるかを考える必
要があります。
各学校への配備が進んできているので、活用法を研究していき
ましょう。
活用はアイデア次第
教科書や資料、ワークシート等、生徒全員が持っているものを提示することにも意味があります。教科書等の一部
を隠して提示することで、学習内容に注意を向けさせることができます。また、
「どこを見ればいいのか分からない」
と授業に対する関心が低下してしまう生徒に対して、授業に集中させる手立てとして使うこともできます。
国語や英語などで長文を提示したり、数学などで解法を解説したりする際など、スクリーンを使わず黒板に投影す
る使い方も考えられます。生徒がコンピュータ等を使って作業する活動を取り入れ、学びを深めることもできます。
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