短期予報解説資料1

短期予報解説資料1 2015年 3月20日03時40分発表
気象庁 予報部
1.実況上の着目点
①低気圧や前線は日本から離れ
つつあり、風も弱まってきた。東
海道沖では 19 日夜遅くに 3 メー
トル以上の高波を観測したが、
徐々に波高は低くなってきてい
る。
②21 時の高層観測では、500hPa
の 5460m から 5520m 付近と 5760m
付近に強風軸があり、5460m から
5520m 付近の流れに沿って中国
東北区には-30℃以下の寒気を伴
ったトラフがあり、
水蒸気画像の
暗域と対応している。
2.
主要じょう乱の予想根拠と解
説上の留意点
①500hPa の 5460m から 5520m 付近の流れに沿った 1 項②のトラフは 20 日日中に北日本を通過する。ト
ラフ通過後はリッジの前面となり、日本海で高気圧が発生し、21 日朝には東北の日本海側、21 日夜に
は三陸沖に進む。一方、千島近海には動きの遅い高気圧があり、21 日にかけて北海道ではこれらの高
気圧の間の気圧の谷場となる。
②21 日夜には、5460m から 5520m 付近の流れに沿って次のトラフが北日本に接近する。トラフは浅ま
りながら接近するため、顕著現象の発生する予想とはなっていないが、地上付近が気圧の谷場になっ
ている所に-30℃以下の寒気を伴ったトラフが近づくため、大気の状態はやや不安定となる。
③500hPa の 5280m 付近の-39 度以下の寒気を伴ったトラフが深まりながら南東進し、21 日はこのトラ
フに対応する低気圧がアムール川中流域から中国東北区に南下する。22 日には、低気圧は日本海に進
み、日本海側を中心に落雷や突風、強風、高波のおそれ。
3.数値予報資料解釈上の留意点
①主要じょう乱は、最新初期値の GSM を基本とする。②21 日から西日本を中心に黄砂が広がる予想と
なっているが、実況が伴っていないことから過大と考えられる。実況には留意。
4.防災関連事項[量的予報と根拠]
①大雨・大雪ポテンシャル(06 時からの 24 時間):特に多いところはない。②波(明日まで):東海 3m。
③高潮:20 日が新月で大潮の時期となっている。九州を中心に高潮に留意。
5.全般気象情報発表の有無 発表の予定はない。
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量的な予報については、今後の状況により変化する場合がありますので、注意報・警報や全般気象情報等に記述する数値を利用願います。