PISA 型読解力を高める指導の授業提案 さいたま市立東宮下小学校 教諭 菊池健一 ■おわりに 1 年間この「PISA 型読解力を高めるための授業提案」を連載させていただきました。こ れらの実践は、私がライフワークとしている NIE(新聞活用)と現在重要視されている「PISA 型読解力」を向上させる取り組みを融合させたものです。 「PISA 型読解力」はここ数年の間、 日本の教育界では大きな話題となっています。その「PISA 型読解力」をテーマに実践を整 理することで私自身確信したことが以下の二つです。 ●PISA 型読解力は国語科だけでなく様々な教科領域で育成すべき PISA 型読解力では資料から情報を取り出したり、複数の資料から情報を統合して考えた りすることが求められます。しかし、何よりも重要なのは情報を自分の生活や経験と結び つけて考えることです。国語科の教科書にも PISA 型読解力向上を目指した単元があります が、その単元で学習したことを他の教科、領域の学習で活用すること必要だと思います。 今回提案した授業では国語科だけでなく、様々な教科領域で読解力を伸ばす実践を行うこ とができました。その意味でも、有意義な問題提起ができたのではないかと感じています。 ●新聞活用は PISA 型読解力向上の最適な教材となりうる 新聞には常に「今」の情報があります。教科書で学習した内容を現在の状況、または自 分と身近なものと関連付けるために、新聞は最適な教材です。また、新聞には写真・図・ 表など様々な資料が数多く含まれています。その点でも新聞は活用しがいのある教材です。 そして何よりも、新聞でその日の日本・世界の様子が一覧できるのは大きな利点です。 新聞を開くことは児童と社会をつなげるためのツールとなのです。 PISA 型読解力では「取り組む能力」も要素として含まれています。自分から進んで情報 にアクセスすることが必要となります。新聞は児童にとって興味関心のある情報に進んで アクセスするためにも重要な教材です。 新聞活用を行っていることを話すといつも質問されるのが、 「どうして新聞でなければい けないのですか?」ということです。 「現在、テレビやインターネットもあるので新聞でな ければならない理由が分からない」と言われることもあります。今回報告させていただい た実践で、この問いに答えられるのではないかと思います。 最後に私自身の整理た実践の発表の場をホームページ上にご提供いただき、いつも実践 を支えてくださる朝日 Teachers’メールの事務局に、この場をお借りして御礼を申し上げ たいと思います。今後もさらに NIE の発展のために力を尽くすことをお約束して、実践の 報告を終わりたいと思います。
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