ひまわりだより 巾上ひまわり薬局 塩尻ひまわり薬局 2015年3月 TEL 0263-35-4441 FAX 0263-37-5561 塩尻市長畝230-3 TEL 0263-51-5311 FAX 0263-51-5322 松本市巾上10-5 定 休 日 日曜・祝日 今年もつらい花粉症の季節がやってきました。 2 月から花粉は飛散し始めると言われていますがどのような対 策をしているでしょうか。 今回は漢方薬の小青竜湯を中心お話ししたいと思います。 まずは今年の花粉情報から。 日本気象協会によると『ス ギ・ヒノキ花粉のピークは例 年並みの 3 月。去年の夏は、 北陸、関東甲信、東北地方で 気温が高く、九州や四国地方 では「低温」「少照」 「多雨」 で花芽が形成されにくかった ため、今年の飛散数は、西日 本では例年より少ない所が多 く、東日本と北日本では例年 並みかやや多いと予測されている』とのことです。 花粉症の現状 1970 年代から急激に増えたのが花粉症です。その原因の一つ に戦後復興のための木材としてスギ、ヒノキの植林がされ花粉 の絶対数が増加しことがあります。スギは植林後 40 年ほどで 成木になります。現在、林業にたずさわる人材が減り、枝打ち などの管理が困難になりました。やがて枝が伸び、より多くの 花粉を飛散する結果となりました。また高度成長期以降、生活 が劇的に変化したことも原因にあるようです。 1998 年と比較して 2008 年には花粉症患者は約 1.6 倍も増加し 今では 4 人に 1 人は花粉症と言われています。 小青竜湯 アレルギー性鼻炎の代表的な漢方の一つが小青竜湯です。 喘息、結膜炎、感冒、気管支炎にも使用さ れます。こうした疾患の水様の鼻水、痰、 鼻づまり、くしゃみ、咳に効果があります。 実際どれくらいの効果があるでしょうか。アレルギー性鼻炎の 症状である改善率はくしゃみ 59.5%、鼻汁 50%、鼻閉 62.3% と大変バランスがよく効果があることがわかっています。 くしゃみ改善 59.5% 鼻汁改善 50% 鼻閉改善 62.3% 馬場駿吉, 他:耳鼻臨床, 88:389-405, 1995 また小青竜湯服用による著明改善が 12%、軽度改善以上が 83.7%であったのに対して、プラセボの著明改善は 5.3%、軽 度改善以上は 43.6%でした。 全般的な改善 83.7% 小青竜湯に入っている生薬は8種類です 君薬:その漢方の主な作用をするもの。 ①麻黄(マオウ) ②桂皮(ケイヒ) 麻黄と桂枝が発汗させて寒さを散らし、アレルギーを抑えます 臣薬:上の君薬を助けて治療効果を高めるもの。 ③乾姜(カンキョウ) ④細辛(サイシン) 体を温め水分代謝を改善、呼吸器機能をバランスよく改善させ ます。 佐薬:君臣薬の効能を調節するもの。 ⑤半夏(ハンゲ) ⑥五味子(ゴミシ) ⑦芍薬(シャクヤク) 体を温め水分代謝を改善、体液や気のエネルギーの消耗を抑え ます。 使薬:君臣佐薬を調節して飲みやすくするもの。 ⑧甘草(カンゾウ) 抗炎症作用を持ち麻黄、桂枝の働きをサポートし、調和する役 目になっています。 副作用 最後に「漢方薬は安全で副作用がない」と思われている方が多いよ うですが、漢方薬も薬なので動悸・血圧上昇・ 浮腫み等の副作用の可能性はあります。 体質や症状にあった適切な漢方を使うことが 大切です。
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