パラグアイ海外邦人安全対策情報 (平成25年4月~6月) 1 社会・治安

パラグアイ海外邦人安全対策情報 (平成25年4月~6月)
1 社会・治安情勢
(1)4月21日に総選挙が行われ,大統領選挙においては,カルテス・コロラド党候補が次期大統
領に選出され,8月15日の大統領就任式において正式に就任する。
(2)他方,上記総選挙と同日の午後3時55分ころ,コンセプシオン県クルス・デ・イエロ市第21警
察署において,警戒中の警察官2名が,オートバイで接近して来たEPP(パラグアイ人民軍)メン
バー2人から拳銃による発砲を受け負傷した。また,これとほぼ同時刻に,別方向から他のEPP
メンバーが同署に向けライフル銃による襲撃を開始し,同署への侵入を試みようとしたが,応援部
隊が駆け付けたため,侵入には至らなかった。その後,同日午後6時45分ころ,同県アソテウ市
の国道上において,同県警察本部長を狙ったと見られる爆発物による襲撃事件が発生し,パトカ
ーで移動中の警察官1名が死亡,数名が負傷した。同日は総選挙が行われ,諸外国から多くの
記者や国際機関等の選挙監視団等が来訪していたことから,EPPがインパクトのある大きな事件
を計画していた可能性は排除出来ない。
(3)5月31日,サン・ペドロ県タクアティ市に所在する牧場で,過去にEPPによる誘拐被害に遭っ
ていた元タクアティ市長で牧場経営者のルイス・リンドストロン氏(当時63歳)が車両で出発した直
後,EPPと見られる武装組織から自動小銃,散弾銃等による複数の銃撃を受け殺害される事件
が発生した。同氏は,2008年7月~9月同市近郊においてEPPにより誘拐されたが,家族が身
代金を支払うことで解放されていた。しかし,誘拐事件後も度々,EPPから脅迫及び金銭の要求
を受けており,また,同氏が牧場内の敷地を広げるため,EPPが隠れ家として利用していたと見ら
れる森林の伐採を続けていたこともあり,これに反対するEPPから殺害された可能性がある。
2 一般犯罪・凶悪犯罪等の傾向
(1)国家警察庁が発表した第1四半期(4月~6月)の犯罪認知件数によると,総犯罪認知件数
は4,637件と,前年同期と比較して1%の増加となっている。主な犯罪種別の内訳は以下のとお
り。
殺人
379件(前期比3%増)
傷害
463件(同5%減)
暴行
961件(±0%)
強姦・強制猥褻 140件(同13%増)
強盗
684件(同34%減)
窃盗
2,010件(同13%増)
(2)主な事件の概要
ア 4月上旬,セントラル県ウパネ市の高速道路を男女がオートバイで移動中,同じくオートバ
イで接近してきた2人組の男から拳銃で脅迫され所持品を強奪された。犯人らが逃走した際,被
害者の男性が所持していた拳銃で犯人らに発砲し,犯人の内22歳の男が被弾し死亡した。もう1
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人の容疑者(男,16歳)は,その後の警察の捜査により逮捕された。
イ 4月上旬,アスンシオン市ウタウ地区の路上で,29歳の男性が徒歩で帰宅中,オートバイ
で接近してきた2人組の男から拳銃で脅迫され,所持していたカバンが強奪された。しかし,犯行
時,被害者が抵抗したため犯人らは発砲し,被害者は胸部に被弾し死亡した。その後,犯人らは
逃走したが,警察の捜査により17歳と19歳の容疑者が逮捕され,容疑者の所持品内から本件
被害品も発見された。
ウ 4月上旬,セントラル県イタグア市のガソリンスタンド店において,オートバイで乗り付けた2
人組の男が拳銃で店員を脅迫し,売上金250万グアラニー(約6万2千円)が強奪された。その後,
現場近くにいた警察官が犯人からの発砲を足に受け負傷した。
エ 4月上旬,アルト・パラナ県プレシデンテ・フランコ市内に所在する電化製品販売店に,2人
組の男が店のガラスドアを破って侵入し,店内にあったプラズマテレビ等が強奪された。その後の
警察の捜査により,容疑者2人が逮捕された。容疑者の内1人は,過去に9件の犯罪経歴がある
事が確認された。
オ 4月上旬,アスンシオン市チャカリータ地区において,同地区内の路上で麻薬使用を行って
いる者らに抗議するため住民200名が集結したところ,同抗議に反対する50名との衝突に発展
し,怪我を負った住民が病院に搬送された。
カ 4月中旬,セントラル県サン・ロレンソ市の住宅に3人組の男が侵入し,自宅内にいた家族
を拳銃で脅迫の上,現金250万グアラニー(約6万2千円),携帯電話6台及び電化製品が強奪さ
れた。
キ 4月中旬,アスンシオン市チャカリータ地区において,国家麻薬対策庁及び警察庁麻薬捜
査課が合同で家宅捜索を実施し,麻薬密売及び麻薬不法所持等の容疑で約20人の容疑者を逮
捕した。
ク 4月中旬,アスンシオン市チャカリータ地区において,警備会社の警備員が男に襲撃され,
所持していた38口径拳銃が強奪された。負傷した警備員は,緊急病院へ搬送された。
ケ 4月中旬,アスンシオン市ベルナルディノ・カバジェロ地区において,サッカー「コパ・リベル
タドーレス杯」観戦のために訪れていたアルゼンチンのチームのサポーター4名が,パラグアイの
チームのサポーター十数名から暴行を受ける事件が発生した。
コ 4月下旬,セントラル県ランバレ市に所在する住宅で空き巣事件が発生し,現金3,600万
グアラニー(約90万円)及び5,500米ドルが被害に遭った。
サ 4月下旬,カアグアス県アウロヒオ・エスティガリビア市の国道で,大豆35tを輸送中の大型
トラックが,高速道路で活動する強盗団から襲撃を受け,同トラックが強奪される事件が発生し
た。
シ 4月下旬,アマンバイ県ペドロ・ファン・カバジェロ市内の道路を,車で進行していた同県庁
広報担当職員(男性,45歳)が,オートバイで接近してきた2人組の男から発砲を受け死亡した。
ス 4月下旬,セントラル県カピアタ市の住宅地で,29歳の男性がオートバイで接近して来た男
2人組から発砲を受け重傷を負った。警察のその後の捜査により,2人組の容疑者が逮捕され
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た。
セ 4月下旬,コルディジェラ県ピレブイ市内のガソリンスタンド店に設置されているATM機が,
チェーン等の装備を利用して取外され強奪される事件が発生した。また,現場近くにいた男性警
備員が犯人からの発砲を受け死亡した。盗まれたATM機内には,現金200万グアラニー(約5万
円)が在中していた模様。
ソ 4月下旬,セントラル県フェルナンド・デ・ラ・モラ市に所在する金融組合事務所に,4人組の
男が侵入し,警備員と職員を拳銃で脅迫の上,現金1,000万グアラニー(約25万円)を強奪し
た。
タ 5月上旬,アスンシオン市エスパニャ通り所在する銀行の駐車場で,売上金を振り込むため
に訪れたガソリンスタンド経営者(男性,61歳)が,オートバイで接近して来た2人組の男に拳銃
で脅迫され,現金1億9,000万グアラニー(約475万円)が強奪された。
チ 5月上旬,アスンシオン市チャカリータ地区近くにおいて,男性が散弾銃で射殺される事件
が発生した。警察は,3人の容疑者を逮捕した。目撃者によると,被害者の男性は3人の男と口論
となり,その後,射殺された模様。
ツ 5月上旬,アルト・パラナ県ファン・レオン・マジョルキン市で,民間会社の運搬トラックがオー
トバイで接近してきた2人組の男から発砲を受け,男性運転手が重傷を負い,車内に置いていた
現金300万グアラニー(約7万5千円)が強奪された。
テ 5月上旬,アマンバイ県ペドロ・ファン・カバジェロ市において,道路脇にいた男性が,オート
バイで接近して来た2人組の男に衝突され転倒した。その後2人組の内の1人が,続け様に同男
性に向けて数発発砲し殺害した。
ト 5月中旬,カニンデジュ県クルグアトゥ市で,24歳と25歳の男性が車両で移動中,武装グ
ループによる襲撃を受け射殺された。警察は,2人の被害者と麻薬密輸組織との間にトラブルが
あったものと見て捜査している。
ナ 5月中旬,セントラル県ニェンブ市の路上で,徒歩で帰宅途中の女性が,オートバイに乗車
した2人組の男から拳銃で脅迫され携帯電話が強奪された。警察のその後の捜査により,17歳と
22歳の男が逮捕された。男らの所持品から携帯電話複数台及び拳銃が発見された。
ニ 5月中旬,アスンシオン市ハラ地区に所在する住宅に2人組の男が侵入し,家族を拳銃で
脅迫の上,現金1,400米ドル,小切手6,000万グアラニー相当(約150万円),自宅内に置い
ていた拳銃,ノート型パソコン及び宝石等が強奪された。
ヌ 5月下旬,セントラル県カピアタ市で,64歳の男性が自宅前で犯人(男)から凶器で刺され
死亡する事件が発生した。警察によると,被害者が強盗事件に巻き込まれた可能性ある模様。
ネ 5月下旬,コンセプシオン県クルス・デ・イエロ市に所在する牧場で,同牧場の鉄線の柵の
設置作業を行っていた男性(40歳)が,同所に置いていたカバンを持ち上げようとしたところ,同カ
バンに設置された爆発物が爆発し腕に重傷を負った。捜査関係者は,現場の状況等からEPPに
よる犯行の可能性がある旨述べた。
ノ 5月下旬,セントラル県ニェンブ市の路上で,同市役所の職員及び警備員が車両で現金を
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搬送中,オートバイで接近してきた2人組の男に拳銃で脅迫され,現金1億7,200万グアラニー
(約430万円)が強奪された。
ハ セントラル県ビジャ・エリサ市において,サッカークラブ「オリンピア」のサポーターが,ライバ
ルチームと見られるサポーターから凶器により刺され,死亡する事件が発生した。
ヒ 6月中旬,アスンシオン市サホニア地区の路上で,18歳の少年が凶器で刺された上,所持
品を強奪される事件が発生した。被害者の少年は重傷で病院に搬送された。
フ 6月中旬,アマンバイ県ペドロ・ファン・カバジェロ市内の道路をガソリンスタンド店職員が車
両で走行中,覆面した武装グループに車両を停車させられ,拳銃で脅迫の上,売上金3億2,00
0万グアラニー(約800万円)が強奪された。
3 テロ・爆弾事件等発生状況
(1)4月21日の総選挙当日,コンセプシオン県アソテウ市の国道上において,同県警察本部長を
狙ったと見られるEPPによる爆発物利用の襲撃事件が発生した。この襲撃事件により,パトカー
で移動中の警察官1名が死亡,数名が負傷した。
(2)5月22日,コンセプシオン県クルス・デ・イエロ市に所在する牧場で,同牧場の鉄線の柵の設
置作業を行っていた男性(40歳)が,同所に置いていたカバンを持ち上げようとしたところ,同カバ
ンに設置された爆発物が爆発し腕に重傷を負った。捜査関係者は,現場の状況等からEPPによ
る犯行の可能性がある旨述べた。
(3)5月31日,サン・ペドロ県タクアティ市の牧場において,過去にEPPによる誘拐被害に遭って
いた牧場経営者のルイス・リンドストロン氏が,EPPと見られる武装組織から自動小銃,散弾銃等
による銃撃を受け,殺害された。
4 日本企業の安全に関わる諸問題等
今期は,特になし。
5 安全に関する情報
(1)サン・ペドロ県及びコンセプシオン県において,EPPによると見られる襲撃,爆破事件が継続
して発生している。同地域に渡航する場合には,これらの事件に巻き込まれないよう注意をする
必要がある。
(2)都市部においては,多額の現金を銀行に搬送する際等に犯人から尾行され,車両から降車し
た際等に拳銃で脅迫され強盗被害に遭う事件が確認されている事から,現金を金融機関へ搬送
する場合等には,特に車両から降りる際,周辺に不審な人物が居ないかを注意する必要がある。
(3)首都アスンシオン市では,強盗及び窃盗等の一般犯罪が多くしている。また,通称「チャカリ
ータ地区」と呼ばれる「川岸の貧民街」は,特に凶悪犯罪が多発しているため近付かないよう注意
をする必要がある。
近年,プロサッカーチームの熱狂的なサポーター同士による衝突等により死者が発生する事案
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等も見られることから,特に人気クラブチーム同士の試合等では,スタジアムの周辺を通行する際
にも,衝突等に巻き込まれないよう十分に注意をする必要がある。
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