理学療法士 水越 裕美 みなさんはテーピングを使用した事がありますか。部活動 や趣味でスポーツをやっている方は少なからず関わりをもっ たことがあるかもしれません。今回はそんなテーピングにつ いて書いていきたいと思います。 テーピングは、そもそもどの様な時に巻くと良いのでしょ うか。テーピングには様々な効果があるといわれています。 テーピングを行うと、関節や靭帯などを補強し関節の可動域 を制限して安定させることが出来ます。適度に関節が安定し ていると運動のパフォーマンスを向上させることが可能です。 また、ケガをした部位の圧迫や固定を行うことが出来、痛み の軽減を図れます。このような効果が得られる為、テーピン グは①ケガの予防、②応急処置、③ケガの再発防止、④リハ ビリ促進効果、⑤違和感や痛みの緩和を目的として行われま す。 テーピングを巻く際には、強く巻き過ぎて血流障害を起こ さないようにすること、しわやたるみのないように巻く事が 大切です。また、目的や部位に合わせてテープを選ぶことも 重要とされています。市販されているテーピングで良く見か けるのは、大きく分けて2種類あります。1 つはホワイトテ ーピングと言い、その名の通り白色が多く伸縮性が少ない為、 強い固定力が得られます。もう1つはキネシオロジーテーピ ングと言い、ホワイトテーピングと比べ伸縮性があり、ある 程度の可動性を保ちながら関節を固定することが出来ます。 さらに、キネシオロジーテーピングは筋肉の走行に沿って貼 ることで、筋肉の働きをサポートすることが出来ます。この ようなテーピングの種類による特徴を考慮し、目的によって 使い分けることが大切なのです。 例えば「②応急処置」の場合、関節をしっかりと固定し、圧 迫をかけていく必要があります。その場合には、固定力の高 いホワイトテーピングで患部を巻いていきます。ただし、固 定する際に熱感や腫脹が強い場合には自己判断せずに、医師 に相談することが大切です。また、「①ケガの予防」、「③ ケガの再発防止」、「④リハビリ促進効果」などを目的とす る場合では、テーピングをした上で運動を行っていくことに なります。急性期や痛みの強い時を除いて、しっかりと関節 を固定しすぎるとかえって運動が行いにくくなってしまいま す。この場合、テーピングはキネシオロジーテーピングを選 択されることが多いです。 テーピングには伸縮性の違いだけではなく、色々な太さや巻 き方があり、多様な関節や靭帯、筋に対して行うことが出来 ます。考え方や組み合わせによってテーピングの可能性は広 がっていきます。ケガや痛みは常に隣り合わせにあるといっ ても過言ではありません。テーピングは万能という訳ではあ りませんが、テーピングを行うことで精神的な支えにもなり、 運動に集中することが出来るとも言われています。ケガや痛 みと上手く付き合っていく為の1つの手段として、テーピン グという選択肢も考えてみても良いのではないでしょうか。 医療法⼈社団めぐみ会 南大沢メディカルプラザ リハビリテーション科
© Copyright 2024 ExpyDoc