(3)ハチに刺されたりヘビにかまれたりしたら ●ハチに刺されたとき I. 発見時対応 患者 安静にする。 発見者 指導者に連絡する。 指導者 発見者の連絡を受けて,自然の家に連絡する。 II. 手当 何に刺されたか判断しにくい場合 ⅰ)スズメバチが周りに飛んでいる。 ⅱ)刺された患部をとても痛がる。 ※ⅰ)もしくはⅱ)に当てはまるときはスズメバチに刺されたとして対応しましょう。(安静第一) 応急処置 ① 刺された場所から,できるだけ離れる。 ② 冷たい水で傷口を洗い流し,専用の毒吸引器で吸い出す。※保健室にあります。 ③ 傷口に滅菌ガーゼを当て,冷却パックで冷やす。 ④ 医療機関へ搬送する。 ※アナフィラキシーショックを起こす可能性があるので,過去に刺された経験がある方は,特に注意する ★スズメバチに刺されないために ① 巣に近づかない ハチは巣を守るために外敵を刺すという習性をもっているので, 巣やハチに危害を加えないようにしましょう。 ② エサをとっているところには近づかない。 スズメバチが好む植物に集まっている時は近寄らないようにしましょう。 (例:クヌギ,コナラ,ニレなどの木の樹液) ③ 服装に気をつける 白系統のものがよく,黒いものはなるべく避けましょう。 頭を狙われやすいので,帽子などをかぶりましょう。 III. スズメバチの種類 オオスズメバチ (体長 30~50mm 前後) キイロスズメバチ コガタスズメバチ (体長 25~30mm 前後) (体長 25~30mm 前後) ※アンモニアは全く効果がありません。 毒針を除去し虫さされ用抗ヒスタミン軟膏を塗る必要があります。 患部には,激しい痛みがありますが,通常は数時間で消失します。 ●ヘビにかまれたとき I. 発見時対応 患者 安静にする。 発見者 指導者に連絡する。 指導者 発見者の連絡を受けて,自然の家に連絡する。 II. 手当 応急処置 ① 安静にして,かまれた部位を心臓より低くする。 ② 水で傷口を洗い流す。 ③ 傷口よりも心臓に近い部分を軽く縛る。 ④ 専用の毒吸引器で吸い出す。(無いときは指で押し出す) ※保健室にあります。 ⑤ 患者を毛布にくるみ,ショックの病状に気を配りながら保温と勇気づけをする。 ⑥ 安静を保ちつつ,急いで医療機関へ搬送する。 III. ヘビの種類 マムシ 特徴 全長45~70cmと小型で毒ヘビ。頭部は 長三角形で尾は短い。背面は灰褐色ないし 暗褐色で,黒褐色の銭形斑紋がある。毒牙 は上顎の前端に左右1つずつある。平地にも 山地にも生息し,水辺・湿度の高い竹やぶや 山間の水田付近,比較的乾燥した耕地や河 原にも見られる。胎生で夏から秋にかけて 7 ~12 匹ぐらいの幼蛇を産む。 症状 マムシの毒は出血毒で,血管壁を破壊する ので出血がおこる。かまれた瞬間,針でチクッ と刺されたような感じがする。 まず,芽痕数 の確認をする。毒ヘビであれば,10分後,か まれた部位を中心に黒くなり,腫れや痛みが ある。その他,患部の出血,むくみ,壊死など がみられる。 ヤマカガシ 特徴 全長60~120cm。黒・黄・赤が交互に重なった 鮮やかな体色をしている。山地に多く水田や水辺 を好み,主としてカエルを補食する。ヤマカガシに は毒腺のあることはあまり知られていないが,そ の毒液が目に入ると失明することもあるので注意 を要する。 症状 ① 奥歯の毒腺によるもの 激しい痛みや腫れは少ないが,20~30 分後ぐ らいから全身に及ぶ皮下出血,内臓出血等が起 こり,最悪の場合には脳内出血を起こす。 ②首の後ろの部分からの毒腺によるもの 首の後ろの部分の皮内に腺があり,そこを圧 迫すると,黄色の液が出てくる。この液が目に入 ると激しい痛みを生じ,最悪の場合には失明す る。この毒液はステロイド系である。この有害物 質が目に入った場合,すばやく何度も水で洗い 出すことが必要である。
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