三菱ふそうトラック・バス株式会社

三菱ふそうトラック・バス
住所
〒212-0058 神奈川県川崎市幸区鹿島田 1 丁目 1 番 2 号
ホームページ URL
http://www.mitsubishi-fuso.com/jp/corporate/index.html
1. 会社概要
設立年
2003 年
資本金
350 億円
業績
売上高:約 6600 億、経常利益:約 332 億
従業員数 約 11,000 人 (2014 年 12 月末現在)
事業内容 トラック・バス、産業エンジンなどの開発、設計、製造、売買、輸出入、その他取引業生
2. 会社の特色
三菱ふそうトラック・バス株式会社は、80 年以上の歴史を持ち、トラックとバスの開発・生産から販売
までを行っている企業です。小型、中型、大型のトラックやバスをフル・ラインナップで提供し、日本
やアジア地域はもちろんのこと、2014 年には全世界 150 ヶ国以上で合計約 14 万 5 千台を販売し、高い
評価をいただいております。現在、ダイムラーAG が MFTBC の株式の 89.29%を所有し、ダイムラーAG の
ダイムラー・トラック部門に統合しました。そのため、80 年以上にわたり培った FUSO 独自の「モノづ
くり」の歴史と伝統に、世界で初めて自動車を世に送り出したダイムラーAG のグローバル戦略やノウハ
ウを融合させ、世界中に優れた品質の製品を送り出すことを可能にしています。
1932(昭和 7)年のふそう第 1 号車誕生以来、戦後の日本復興の原動力となったトラック、長距離観光
時代を切り開いたバスなど、先進性にあふれた創造と開発が、ふそう車の信頼を支えてきました。伝統
と歴史を継承しながら、当社は、
「環境」
「安全」
「効率」を基本理念として、未来を見据えたトラック・
バスづくりに取り組んでいます。
「環境」に対しては、次世代に眼を向けたクリーンディーゼルエンジンの研究開発への取り組みととも
に、トラック・バスのそれぞれの用途、システム適正に合わせた「棲み分け」を念頭に、クリーンで静
粛性に富む各種代替エンジンの研究開発も推進し、周辺環境への適合性を追求しています。「安全面」
では、高剛性セーフティ-キャブ構造 FUSO-RISE をはじめとする衝突安全技術を追求するとともに、ド
ライバーへの安全情報提供と運転負荷軽減を目的とし、事故を未然に防ぐ「予防安全技術」に主眼を置
いた開発を進めています。「効率面」では、ショートキャブ車や車両の軽量化による積載効率のアップ
を図るとともに、低燃費への取り組みを強化しています。また、自動変速制御やファジィ制御により、
無駄のない経済走行とイージードライブ性を追求。さらに、エアサスペンション車によって輸送品質を
高め、走行安定性とドライバーの快適性を確保するなど、「働くクルマ」の機能向上に努めています。
3. 先端研究・技術開発・製品開発例の紹介
してハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)技術
の発展に対する期待が大きくなっているなか、輸送分
野において CO2 排出寄与の大きい長距離輸送を担う大
Vehicle Speed
[km/h]
CO2 排出量削減への貢献において、次世代自動車と
100
High Way
G.V.W. = 25,000kg
Vehicle Speed
200
Elevation
50
100
0
0
型トラックにおける CO2 削減技術の現実解を導くこと
Braking Power
も必要です。そこで本研究では、長距離輸送用大型ト
2km
Elevation [m]
大型 HEV トラックの開発
Distance [km]
ラックの主たる使用環境である高速道路走行という条
Fig.1 Typical Vehicle Behavior of HDT
件において、HEV 化による大型トラックの燃費低減の可
能性を検討しました。高速道路走行は、駆動負荷が高
Low
Estimated FE Improvement
く積極的な車速変化や減速の機会が少ないため、一般
10%
Usable
Energy
[kWh]
Usable Energy
[kWh]
的には HEV システムによる燃費改善効果に疑問が持た
れる条件と言えます。しかし大型トラックの場合、車
両重量が大きいことから、高速道路を一定車速にて走
行している場合でも、降坂時には車速調整のため大き
High
Line of Best
Compromise
な制動エネルギーが必要です(図1)
。そこで、この制
HEVSystem
System Power
[kW]
HEV
Power
[kW]
動エネルギーの有効利用に着目し、その発生頻度や制
Fig.2 Effect of HEV Component Specification
on FE Improvement
限速度超過防止に必要な制動力を分析して、長距離輸
送用大型トラックに適した HEV システムの構成、
仕様、
制御について検討し(図2)、試験車(図3)を試作、
実証試験を実施しました。その結果、シミュレーショ
ンと実車試験は十分な整合性を示すとともに、東名高
速道路における現実の道路交通状況下においても目標
とした燃費改善率 10%を達成しました。そして、この
大型 HEV トラックにおいて、HEV システムを持たない通
Fig.3 HEV Component Layout
常の大型トラックの燃費低減手法である降坂時の惰行
車速制御を付加することにより、HEV システムによる回
Vehicle speed
Route: Tomei Express Way
Route: Tomei Express
回生発電制御+惰行車速制御
Way
できました(図4)
。
大型トラックの年間走行距離は 15 万 km に達するこ
回生発電制御のみ
Altitude
100m
容量が低減できることもシミュレーションにより確認
Altitude
生発電制御のみを適用する場合と比べてバッテリ必要
回生発電制御のみ
バッテリ必要容量
低減の可能性
効果は一台当たり約 11t に相当します。したがって、
回生発電制御+
惰行車速制御
SOC
とから、本 HEV トラックによる年間の CO2 排出量削減
三菱ふそうでは、大型トラックの HEV 化が商用車に対
する CO2 削減技術としての現実解の一つであると考え
開発を推進しています。
問合せ先: E-mail:[email protected]
10km
Distance
Fig.4 Comparison of SOC Behavior on Simulation
Tel. 044-330-7350
Fax. 044-331-5887