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筑波大【国語】解答例
一 問 一 食事をしている時に、人間の身体の
重心の位置が絶えず揺れ動くこと。
問 二 食事という行為の際の手の動きも、
単純な同一の動きではなく、毎回毎回
変動する環境に柔軟に適応すること
で、その都度新たなものになるから。
問 三 発話のための動きに一部制限が加え
られても、即座に同じ音の系列を異な
る運動の系列によって補うことによっ
て、目的とする発話が柔軟に実現され
るということ。
「課題」そのものの意味を問
問四 機械は、
うことなく、あらかじめ指定されたプ
ログラムの「手続き」に外れることの
ないよう制御されて動くだけだが、人
間は、
「課題」の意味を考えて行動する
ため、
「手続き」を状況に応じて柔軟に
調整することによって「課題」を実現
するということ。
二 問 一 1=まいが寒さの中、家の外で待ち続
けることがないように、まいをいち 早く自宅の茶の間に招き入れたこと。
2=外出の約束を反故にされたまいの
ために、昼食の用意をし、ショウコと
一緒に食事をさせたこと。
3=ショウコとの外出ができなくなっ
たまいに、絵の展覧会のチケットを渡
し、ショウコと一緒に出掛けられるよ
うに計らったこと。
問 二( 2) = ま い の 家 庭 の 理 知 的 で 合 理 性
な雰囲気とは対照的な、穏やかで安定
した配慮に包まれ、守られた日常の下
にあるショウコの家庭の雰囲気に、思
わずうらやましさがこみ上げて来たた
め。
(3)=まいが、ショウコの家に感じた
うらやましさをショウコに語っても、
日常の些事には無頓着で、今ある満ち
たりた環境を当然のように思っている
ショウコには到底分かってもらえまい
と思い、自分の思いを伝えることに虚
しさを感じたから。
問三 ショウコには全く興味のない絵の
展覧会に出掛けることになってし
ま っ た こ と に 加 え て、 ま い 自 身 も 興
味 が な い に も か か わ ら ず、 薦 め て く
れた母親を気遣って提案に賛成した
よ う に 思 え て、 ま い の 言 動 を 不 愉 快
に感じたから。
問四 細やかで繊細な配慮をする女性的
な 性 格 の ま い と、 些 事 を 気 に せ ず 大
胆 で 男 性 的 な 性 格 の シ ョ ウ コ は、 対
照 的 な 存 在 だ が、 シ ョ ウ コ は 他 を 排
斥しないおおらかさでまいの繊細な
性 格 の 息 苦 し さ を 癒 し、 ま い は そ の
細 や か で 繊 細 な 性 格 に よ っ て、 シ ョ
ウコの大雑把で至らない性格を補う
と い う よ う に、 ま い と シ ョ ウ コ は、
互いが互いを補完し合う関係にある
と考えられる。
三 問一 (イ)=a (ロ)=b (ハ)=a
(ニ)=c (ホ)=b
問 二 先の帝は、お供として今の帝が遣わした
少将や中将達にはわざと会わないようにし
て、在俗の頃から近しい関係にあった橘良
利とともに山歩きの勤 行 を 続 け る と い う 態
度をとった。
問三 ①=旅先で寝る意の「たびね」に、先の
帝 か ら 求 め ら れ た「 日 根 」 と い う 地 名
を隠して詠み込む物名歌となっている。
② = 故郷の都の様子が旅寝の夢に見えた
と い う こ と は、 そ の 故 郷 に 残 し て き た
人 々 が 私 を 恨 ん で い る の だ ろ う か。 旅
立って以来一度も訪れていないので。
四 問一 孔子より少きこと四十六歳なり 問 二 孔 子 の 弟 子 達 は、 弟 子 達 の 質 問 に
答えられない有子を叱って師の座か
ら退かせた。
問三
(A)=孔子の言行録を、最終的に『論
語 』 と い う 書 物 と し て 完 成 さ せ た、 と
いうこと。
(B)=一般に『論語』は孔子の弟子
が 作 成 し た と 考 え ら れ て い る が、 孔 子
の死から遠く離れた有子の死まで記載
さ れ て お り、 孔 子 の 直 弟 子 の 作 成 と は
考 え に く く、 ま た『 論 語 』 の 中 で、 孔
子の死直後に師の扱いを受けた有子以
外で尊称を用いられているのは曽子だ
けであるから。