検証結果の分析方法について(PDF)

●「聞きやすさを測るテスト」の分析方法
「聞きやすさを測るテスト」では 2 つの計算法を用いた。
(ⅰ)4 種の読み方スピードそれぞれの支持率を求める計算法
ここでは加点法※を使用した。下記 A~E の選択肢のうち、C の「文章の 速さが ちょ
うど いい」が、その読み方スピードを最も支持する選択肢となるため、配点を一番高くし、
その次の B と D、A と E にそれぞれ 1 点ずつ差を設けた。回答の選択肢と、それぞれの
配点は以下のとおりである。
A:
「文章の 速さが とても 速い」・・・0 点
B:
「文章の 速さが 少し 速い」・・・・1 点
C:
「文章の 速さが ちょうど いい」
・・2 点
D:
「文章の 速さが 少し 遅い」・・・・1 点
E:
「文章の 速さが とても 遅い」・・・0 点
この場合の支持率を求めるにあたって、1 つの読み方スピードにつき 3 問あることから、
「1 つの問題の最高得点 2 点×外国人学生全体の人数×3 問」を母数とする。
実際の計算法を以下に挙げる。
①1 つの読み方スピードに関して、
外国人学生全体の人数 40 名×1 問あたりの最高得点 2 点=80 点
②1 つの読み方スピードに対し 3 つの問題を設定したため、80 点×3 問=240 点
③240 点を母数とし、選択肢 A~E の合計点数を割る
数式例として本調査で扱った 320 拍/分の数値を取り上げる。
320 拍/分の選択肢 A~E の合計得点数は 96 点となった。
この値を以下の計算式に代入する。
100×
96 点(320 拍/分における選択肢の合計得点数)
240 点(320 拍/分の母数)
=
40%
320 拍/分の支持率は 40%となった。
※
加点法・・・ある設問に対し用意された質的な選択肢の、たとえば「とても」や「ときどき」、「やや」、「まった
く」といった、その程度に対して傾斜した点数を加えて数量化する方法。
1
(ⅱ)4 種の読み方スピードそれぞれにおける各選択肢の支持率を求める計算法
ここでは、4 種の読み方スピード(320 拍/分、360 拍/分、400 拍/分、440 拍/分)
それぞれにおける、選択肢 A~E への支持率を求めた。ついで求めた選択肢の支持率を、
読み方スピード間で比較し「どの読み方スピードが一番聞きやすい」とされたのか、
「ど
の読み方スピードが一番聞きにくい」とされたのかを調査した。この場合の支持率を
求めるにあたって、1 つの読み方スピードにつき 3 問あることから、
「外国人学生全体の人
数×3 問」を母数とする。
実際の計算法を以下に挙げる。
①1 つの問題に関して、
外国人学生全体の人数 40 名×外国人学生それぞれの回答数 1=40 点
②1 つの読み方スピードに対し 3 つの問題を設定したので、40 点×3 問=120 点
③120 点を母数とし、選択肢 A~E の支持数を割る
例として本調査で扱った 320 拍/分の数値を表にまとめた(表 1)
。なお、表中では実際
の回答の選択肢を簡略化した表現を記載している。
表 1
本調査における 320 拍/分の数値
A
B
C
D
E
とても速い
少し速い
ちょうどいい
少し遅い
とても遅い
0
0
19
58
43
全回答数
120
(単位:回答)
320 拍/分の選択肢 A~E それぞれの支持数を求めたところ、表 1 のような結果とな
った。つぎにこの表から、選択肢 C「文章の 速さが ちょうどいい」の支持率を見るため
に、以下の計算式に値を代入する。
100×
19 点(320 拍/分における選択肢 C の支持数)
120 点(320 拍/分の母数)
320 拍/分における選択肢 C の支持率は 16%となった。
2
=
16%
●「理解率を測るテスト」の分析方法
「理解率を測るテスト」でも加点法を用いた。正答には 1 点、不正答には 0 点を与え
た。
実際の計算法を以下に挙げる。
①1 つの問題に関して、外国人学生全体の人数 38 名×1 問あたりの最高得点 1 点=38 点
②1 つの読み方スピードに対し 3 つの問題を設定したので、38 点×3 問=114 点
数式例として本調査で扱った 320 拍/分の数値を取り上げる。
320 拍/分の合計得点数は 104 点となった。この値を以下の計算式に代入する。
100×
104 点(320 拍/分における合計得点数) =
114 点(320 拍/分の母数)
320 拍/分の正答率は 91%となった。
3
91%