複合性慢性疼痛治療のための仮想現実感技術を適用した鏡療法システム

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テーマ 複合性慢性疼痛治療のための仮想現実感技術を適用した鏡療法システム
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番 号
問 合 せ 先 岡山大学 大学院自然科学研究科(工) 知能機械システム学講座 五福 明夫
Tel 086-251-8022
Fax 086-251-8024
E-mail [email protected]
【概 要】
慢性疼痛の一種である複合性局所疼痛症候群
(Complex Regional Pain Syndrome : CRPS)
の治療に有効なバーチャルリアリティ(VR)を用
いた鏡療法(Virtual Reality based Mirror Visual
Feedback : VR/MVF)による治療システムを開
発し、CRPS の治療メカニズムの解明にも取り組
んでいる。治療機会を増加させるため、病院だけで
なく家庭での治療を可能にする在宅用治療システ
ムを試作した。
在宅用治療システムは上肢の動作の認識のため
のモーションセンサに Kinect を採用することで、
身体に特殊な装置を身に付けることなく治療タス
クが実施できる。また、治療システムはコンピュータと Kinect で構成されていることから比較的安
価であり、家庭での治療への導入も容易である。治療中の上肢の運動や治療前後に実施する電子質問
票の回答は記録され、インターネットを介してデータベースサーバに収集される。収集されたデータ
を解析することにより、治療メカニズムの解明にも繋げられると期待される。
【新規性・独自性】
幻肢痛や CRPS に効果があるとされる鏡療法を、楽しみながら継続的に実施するために、VR を
適用した我が国で最初の VR-MVF システムを開発し、岡山大学病院での試験運用により治療効果が
あることを確認した。そこで、治療を在宅でも実施できる在宅用治療システムを試作した。このシス
テムでは、治療タスク実施の前後で行う質問を自動で行う GUI(Graphical User Interface)や治
療における患者の上肢の運動を記録してネットワークを介して転送する機能を実装している。そし
て、現在実際に患者宅で試験的な運用を実施しており,運用におけるノウハウを蓄積しつつある。
【事業化・用途】
治療効果に影響する VR の生成や、患者が長時間楽しめるゲーム性のあるような治療タスクを用意
するには、コンピュータグラフィックスやネットワークに関するソフトウェア開発において高い技術
やノウハウが必要となる。本システムを発展させて精巧でリアリティの高い VR の生成や精度の高い
動作計測が可能となれば、より高い治療効果が望めると期待される。また、本システムの導入を望む
病院や患者が存在するが、システムを提供するための基盤の整備が進んでいない。普及のための基盤
整備において、企業の持つ技術と展開力を望んでいる。また、多様な治療用プログラムの開発や、片
麻痺等のリハビリテーションへの展開などの実用化には企業の力が必要である。
本システム以下の治療やリハビリテーションに応用できる。
● CRPS 患者、幻肢痛患者の治療
● 脳卒中による片麻痺等に対するリハビリテーション
研究進度
共同研究等
の 意 向
□アイディア段階 □基礎研究段階 □応用実用化研究段階 ■試作・実証試験段階
実用化に向けての共同研究をいただける企業を募っています。
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