エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) 特集 特集 レイヤーシームレスなオペレーシ レイヤーシームレスなオペレーシ ョン業務を担う ョン業務を担う NTTコ NTTコ ミュニケーシ ミュニケーシ ョンズ カスタマサー ョンズ カスタマサー ビス部 ビス部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 インタビュー リソースの最大価値化を進め “真の CS No.1”を獲りに行く NTT コミュニケーションズ カスタマサービス部(以下、CS 部)は、同社が 提供する全サービスのオペレーション機能を担っている。 “真の CS No. 1”実 現をテーマに、構築、サービスオーダーからデリバリー、メンテナンス、アフ ターフォローまでを一貫して手がける同部の取組みについて、昨年 6 月に CS 部長に就任された松本裕敦理事にお話を伺った。 「お客様目線」を重視しながら 「リソースの最大価値化」を推進 松本 構築組織との融合により、 NTT コミュニケーションズ㈱ 理事 CS 部がより一元的に業務を推進 カスタマサービス部長 松本 裕敦氏 できる体勢が整いました。たとえ ̶CS 部長に就任されて半年以上が ばエネルギー効率を考慮して機器を なものがございますか? 経過しました。まず CS 部様のミッシ 設置するといった機械室の環境最適 松本 先ほど申し上げた「お客様 ョンについて、松本様のお考えをお聞 かせください。 化や、工事そのものの自働化、新技術 目線」に関係しますが、お客様の声 を用いての効率化といったことにも をオペレーションに反映したいとい 松 本 “ 真 の CS No.1” を 目 指 し、 CS 部が自ら取り組むようになりま う思いが強くあります。上流工程、具 お客様へ確実に、迅速にサービスを した。 体的にはサービスの企画段階で、運 届け、安心してお使いいただくとい ̶グループ会社との関係はいかがで 用サービスの意見を反映してもらう うミッションは変わりません。その うえで私が重視しているのは、仕事 の進め方もマインドも「お客様目線」 であること、 「いけている」と思われ るようなサービスを提供することで す。また従来、 システムを活用し「自 働化」によるオペレーションの効率 化を進めてきましたが、今後はオペ レーション業務のプロセスそのもの も、より効率化が必要です。この厳 しい競争社会で勝ち抜くためにも、 私どもの持つリソースの最大価値化 をいかに進めていくかが重要と考え ています。 オペレーション業務をより一元的に 推進できる体制 ̶御社では昨年 8 月、大幅に組織が 改編されました。 28 しょうか。 活動を強化したいと考えています。 松本 今年 1 月“NTT コム ソリュ また広範囲なお客様の声に埋もれて ーション & エンジニアリング”が いる真のご要望を抽出するため、デ エ ン ジ ニ ア リ ン グ 事 業 に 特 化 し、 ータマイニング等の技術を活用し、 “NTT コム エンジニアリング社”と 定量的な分析も進める考えです。 して生まれかわりました。今までに ̶その他にはいかがでしょうか。 も増して重要なパートナーとして協 松本 サービス、お客様によって 力しています。また M&A によりグ も業務プロセスが異なるため、デリ ループ会社となった米国の Vir tela バリー業務は大変複雑化していま 社に、オペレーション業務を一部移 す。組織改編を経てより一元的な対 管しました。同社と一緒に国内外で 応が可能になったこともあり、サー レイヤーシームレスにオペレーショ ビスレイヤーの統合、リソースの集 ン業務を進めるため、お互いの良さ 約による効率化を図っていく考えで を確認しながら、ノウハウを吸収し す。お客様ごとのカスタマイズは引 あっているところです。 き続き重要ですが、デリバリー等に 関するお客様のご要望には CS 部が 2015 年の重点施策 ̶2015 年の重点施策にはどのよう しっかり対応し、営業部門には販売 に専念してもらえるよう、役割を明 確化する考えです。 ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.3 エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ) もう 1 つは「故障等によりお客 様に迷惑をかけないためにはどうす れば良いか」という観点から監視・ 保守業務の改善を考えています。設 備を適切に冗長化する、またそれら 設備の最適な監視方法など、検討を 進めます。故障が発生した際はいか に迅速に対応するか、またいかにお 客様に的確な情報を提供するかが重 要です。これまでに蓄積したノウハ ウ、BigData を活用し、できる限り お客様 営業部門 凡例 オムニコンタクトチャンネル (Social/Web/Mail/Chat/TEL/訪問) Web Dashboard AOP サポートサイト :CSNo,1に向けたお客様IF高度化、 リアルタイム情報提供 :構築/SO・デリバリ/保守の一体化によるシナジー効果 (効率化・品質向上) CS部 設計/構築 ・ 自前化 ・ 自働化 etc 設計システム SO/デリバリ カスタマフロント ・ 対応品質向上 ・ コスト削減 etc ・ デリバリ短縮 ・ 全自働化 etc Webエントリ 設備管理システム …etc CTI ・ NAVI お客様の声BPM BPM …etc CTI/FAQナレッジ基盤 …etc エントリ ・設備故障時のサービス影響低減 ・品質向上 etc 共通基盤 リソースDB 統合NMS 通信大容量化 設備保守 Bigdata・AI 基盤 …etc …etc 高精度に、またリアルタイムに情報 をお届けしたいと思っています。 お客様だけでなく自らを知り、 改善する ̶重点施策の遂行には、どのような 構築∼SO/デリバリ∼運用保守まで一貫したオペレーションの提供による “真のCS No.1”の実現 図1 新生カスタマサービス部の取組み の整備を進め、お客様の疑問に対す る答えがすぐに出てくる環境を整え 「かゆいところに手がとどく」の 先を行く ことが大切でしょうか。 ていきたいと思っています。 ̶昨年 12 月に World Communication 松本 お客様の声、競争相手のこと ̶人材育成のお話がありましたが、ど Awards 2014 の Best Global Operator を謙虚に受け止めた上で「自分を知 のような人材が必要とお考えですか? 賞を受賞されるなど、オペレーション り、自らが改善する」ことです。 新技 松本 ものづくりや工事は専門の会 が高く評価されています。 術を貪欲に取り入れながら我々自身 社に任せても、丸投げではいけませ が変革しなければ、仕事のやり方も ん。サービスの提供責任者として自 オペレーションのプロセスも改善し 信を持ち「これが最適な設備・サー ません。 人材育成も重要です。 ビスです」と言えるための知識、ス ̶「取り入れる技術」は、たとえば キルが必要です。たとえば100G 超 どのようなものでしょうか。 のトラフィックが増大する近い将来 松本 私どもが“コミュニケーター を見据え、更なる通信の大容量化に 松本 高い評価をいただくのは嬉 しいのですが、お客様のニーズはも っとレベルの高いところにあり、現 状は不十分と考えています。 「かゆい ところに手がとどく」では遅いので す。 「かかれてみたらちょうど痒いと ころだった」と、お客様を唸らせる ようでなければいけません。私ども ズ”と呼んでいる電話受付け担当者 向けたフィールドテストを実施して の印象は、お客様の満足度向上に大 います。勿論、NTT研究所の最先端 き く 影 響 し ま す。 そ こ で CTI の技術協力も得ながら、CS 部が直接 (Computer Telephony Integration) 企画、構築することで、新技術に対す を活用し、お問い合せに対して的確 る理解を深め、将来の商用導入に向 に、素早く対応する仕組みを構築し、 けたノウハウを収集しています。ま お客様対応の技術向上に努めます。 た、自ら手を動かすことを意識し、実 また、お客様が自律的に自己解決で 際の業務や現場力を意識した研修を きるような、BigData 分析技術を用 通じ、ものづくりの部分もわかる人 りに行く」つもりです。 いたお客様目線で使いやすい FAQ 材を育成していきたいです。 ̶本日は有難うございました。 ビジネスコミュニケーション 2015 Vol.52 No.3 にはお客様にご迷惑をかけたという 過去の苦い経験から得たノウハウ も、技術力もあります。この強みを 次のビジネスに活かさなければなり ません。外部の新しい技術も積極的 に取り入れながら改善を進め、 “真の CS No.1”を「目指す」のではなく「獲 29
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