発々こどものからだ塾 関節力でからだの土台を作ろう

発々こどものからだ塾
関節力でからだの土台を作ろう
スタジオピボット 平山 昌弘
原田 優子
中耳炎とからだの土台
今回のテーマ「中耳炎」、季節柄多いように思います。ある程度の年齢になるとかかり
にくくなる症状ではありますが、繰り返すお子さんとそうではないお子さんの違いとから
だの土台の関係についてお話したいと思います。
耳・中耳の場所
この「中耳炎」も原田自身の体験談がたくさんあります。
関節力を知ってから、目から鱗の原因を知り驚きました。以前に内股歩きのお話をさせて
頂きましたが、この内股歩きと中耳炎には深い関わりがあります。
内股歩きだと「不安定になりやすい」とお伝えしました。
この不安定な状態で一番バランスを取っているのが「顎(アゴ)」。
顎は、頭の一部。からだは不安定になると、まず頭の位置を修正します。頭がからだの真
ん中にくるように、首を動かし ています。その時、顎を
噛み締めてから頭を左右に動かしています。無意識に行
っていることなので、「あっ、今噛み締めて首を正し
た!」と気づく人はほとん どいないでしょう。
この無意識の繰り返しが顎の噛み締めを強くしてしまい
ます。これは、結果的に奥歯の虫歯を増やす原因の一つ
にも・・・原田もそうでした。
そして、この顎を開け閉めすると、耳の付け根が一緒
に動くのがわかると思います。
※ 耳のつけを触って顎を開閉してみて下さい。耳の穴
の奥に「中耳」があります。この中耳が炎症を起こす
から、「中耳炎」なのです。
※イラスト出典元:NTT東日本ウェブサイトより
外耳道となる耳の穴に左右同じ指を入れてみて下さい。顎を開閉すると左右で「狭く感じ
る」側があるかと思います。その狭く感じている方は、顎の噛み締めが強い側です。
この顎の噛み締めが強い側に中耳炎を引き起こしやすい可能性があります。
お子さんの場合ですと指を入れて確認がしにくいのですが、これは足裏に表れる事もあり
ます。中耳炎を繰り返している お子さんは、足カルテをご覧になり、「重心の偏りがあ
る」と書いてありませんか?この重心の偏りが左右や外側だったりすると、顎を噛み締め
てバランスを 取っているため、中耳炎を引き起こし易くなります。
顎の噛み締めは呼吸とも関連
前回、自律神経のバランスと呼吸についてお話しましたが、この「呼吸」と中耳炎も関連
しています。呼吸が浅くなり、自律神経で言う交感神経(興奮する神経)が優位になって
くると、からだ全体に無駄な力が入り、顎もぎゅっと噛み締める癖がついてきます。
呼吸機能が大人に近づく10歳くらいまでは、中耳炎を起こし易いとも言えるでしょう。
私自身、幼児期から中耳炎を繰り返していました。私の場合は、大人になっても年に1回
は耳鼻科に行くことがありまし たが、関節力ケアをはじめてから一度も中耳炎を起こし
ていません。股関節が固く、骨盤が後傾(下がり)、からだ全体に無駄な力を入れ顎をぎ
ゅっと噛み締め る癖が幼児期から身に付いていた為、中耳炎を起こし易いからだでし
た。20歳くらいのある日、ひどい中耳炎にかかり鼓膜が塞がってしまった事がありま
す。 その時に耳鼻科で「耳の中に湿疹ができやすいみたいだね」と言われました。
顎の噛み締めの強さが起因し、耳の中に湿疹が出るくらい、老廃物を出すことができず炎
症を引き起こしてしまったので す。当時の私は何も知らなかったので、「耳の中がいつも
痒かったのは、湿疹だったのか。薬をもらうようにしよう」としか思いませんでした。し
かし、関節力 を学びはじめて「そういえば耳が痒くない・・」と気づきました。
このメカニズムは、今お話した通りです。
乳幼児期にできる中耳炎改善&予防の関節力ケア
① からだ揺らし(0歳からできます)
お子さんを仰向けにして、お母さんは足下に座ります。
両足首を軽く持ち
(床から約1センチくらい持ち上げます。床についていても良いです。)
左右にゆらゆらと揺らします。
からだ全体が蛇のように揺れるのが理想的。
② 足首回し(2歳以上くらい)
足首を深く曲げ伸ばししてくるくる回して下さい。
動画はYoutubeのkodomonokaradaで検索して下さい。
http://youtu.be/kiLvOHkyiNs
③ バランスボールぽんぽん(0歳∼4歳くらいまで)
写真のようにお子さんを抱いて、手は背中に当てておきます。
お母さんは骨盤をきちんと立て、安定する位置を探して上下にぽんぽんはねます。
肋骨全体が動くので、横隔膜の弾力が高まり呼吸が深くなります。
これは、親子で呼吸が深くなるので、是非行って下さい。
5歳以上になると、抱っこが重くなってくるのですが、からだの大きさによって抱き方を
変えると良いと思います。
0歳∼2歳くらいまでは、少し上に抱きかかえると良いです。
文・写真
スタジオピボット