でできる鼻洗浄のすすめ

透明→黄緑、
ドロドロ鼻汁
蕊懸章ど鯵ように対処すべきか
透明な鼻汁
再度感染
注
意
!
10日以上改善なし
中耳炎・副鼻腔炎
発熱あれば
気管支炎、肺炎
治癒・透明な鼻汁
7∼10日かかる
でできる鼻洗浄のすすめ
東北労災病院小児科部長
遠藤E豊子
鼻腔・副鼻腔・鼻咽腔(上咽頭)は,肺炎球菌やイ
ンフルエンザ菌をはじめとする呼吸器感染症起炎病
原体のキャリア・フォーカスであり,清潔を保持し、
換気をよくしておくことが、呼吸器感染症の予防と治
皇洗い心意法
1.薄めの塩水を作り(食塩109,重曹2.59,水500mL作りおき),溶解
後500mL入りベットボトルなどで冷蔵庫で1カ月保存可能。
2.点鼻薬の容器に塩水を2/3位入れ,体温程度に温める。
ノ
、
療には不可欠である。また急性中耳炎は呼吸器感染
3.この容器を鼻に当てて容器を押すと霧状の塩水が鼻内に入る。
症に続発して上咽頭から経耳管性に感染が波及する
ため,中耳炎治療の成否も鼻所見の改善にかかって
いる。
鼻のかめない乳幼児では鼻処置は大切な治療で
ある。耳鼻咽喉科外来受診時には鼻ネブライザーや
鼻汁吸引が行われるが,1回の処置では不十分なの
で,私達は乳幼児に対して食塩重曹水による簡易鼻
洗浄を家庭で行うよう指導している。
方法を右図に示す。食塩重曹水を体温程度に温
め鼻内にスプレーし、その後に鼻汁吸引器で吸引す
るか鼻をかませる。家庭で1日数回行う。呼吸器感
染症も中耳炎も適応とし,必要に応じ抗菌薬や対症
4.鼻水吸い器の先端を患児の鼻にあて管の反対側から保護者が
、薬を併用している。
私達が抗菌薬を使用せずに2週間の鼻洗浄を行っ
た症例では,自覚症状(鼻汁・鼻閉・咳・端鳴・夜間
睡眠障害)が約70%で消失し,他覚所見として鼻汁
の性状・鼻汁量・後鼻漏も55∼70%で改善した。
上咽頭からの分離菌は肺炎球菌の80%、インフルエ
ンザ菌の60%が減少または消失し,常在菌と置換し
ていた。鼻洗浄は上咽頭の病原菌を減らす「理学的
除菌」の一法として,また生体が本来備えている粘膜
修復能力や抗菌作用を回復させる一助として有用で
あることが確認された。
症状が改善し鼻洗浄を中止しても,再度かぜ症状
が出現すると自発的に再開する保護者が多い。家族
が治療に積極的に参加し、鼻汁の'性状や増減にも関
心を寄せるようになった。
「諸悪の根源,異にあり。」を合言葉に家族の理解
と協力を得ている。
鼻水吸い器はできるだけシンプルな型のほうが清潔に保てる。
(鼻汁吸引器「ズルスルjキタガワ社裂)
5.残った塩水は捨て,容器も鼻水吸引器もきれいに洗って乾かす。