資料2 仕様書 - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

仕様書
1. 件名:太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発に係る太陽熱活用システムの評価方法の検討
2.目的
「太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発」では、我が国における住宅の省エネルギーを推進するた
め、そのエネルギー消費の約1/2を占める空調・給湯に着目し、そのエネルギー消費の削減を目指し、
以下の4つの研究開発項目を掲げており、平成26年度から平成27年度は、d.を実施中である。
a.高性能断熱材の開発
b.高機能パッシブ蓄熱建材の開発
c.戸建住宅用太陽熱活用システムの開発
d.太陽熱活用システムの実住宅での評価
本調査は、上記の太陽熱活用システムの実住宅での評価により得られる実証データが、2つのグルー
プに分かれて実施しているため、この実証研究の省エネルギー性能を同一の評価方法で統一的に評価す
ることにより、本事業における省エネルギー性能の評価の信頼性を高めることを目的とする。
3.内容
上記の目的を達成するために、下記項目について、実施者へのヒアリング、ソフトウェアでのシミュ
レーション等を通じて調査・分析を行う。
なお、実施にあたっては、有識者による検討委員会を組織し、検討委員会において太陽熱活用システ
ムの省エネルギー性能の評価方法決定やシミュレーション結果による省エネルギー性能の評価につい
てのアドバイスを受けるものとする。なお、今回の公募では以下の①~③のうち①を実施するもの。
①実施者 A(OM ソーラーグループ)の実証住宅(4 棟)の太陽熱活用システムの省エネルギー性能に
関する評価方法の決定とシミュレーションによる省エネルギー性能評価及び実測データを用いた検証
(評価と検証の詳細は別紙詳細資料を参照)
②実施者 B(FHA グループ)の実証住宅の(6棟)の太陽熱活用システムの省エネルギー性能に関す
る評価方法の決定とシミュレーションによる省エネルギー性能評価及び実測データを用いた検証
③統一的な評価方法の決定
4.調査期間
NEDOが指定する日から平成27年6月30日まで
5.予算額
1,200万円以内
6.報告書
1
本調査終了後には成果報告書の電子ファイル(PDFファイル形式)をCD-R等の不揮発性媒体に記録
し、1枚を所定の期日までに提出。
提出方法:「成果報告書・中間年報の電子ファイル提出の手引き」に従って提出のこと。
http://www.nedo.go.jp/itaku-gyomu/manual_tebiki_index.html
7.報告会等の開催
委託期間中又は委託期間終了後に、成果報告会における報告を依頼することがある。
2
(別紙詳細資料)
太陽熱活用型住宅の省エネルギー性能評価法の構築
1.目的
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構では平成 23 年より「太陽熱エネルギー活用型住宅
の技術開発」により、住宅の太陽熱利用に関する技術開発の助成を行ってきた。自然エネルギーを有効活
用して快適な室内温熱環境を実現するには、地域特性はもちろんのこと住宅の性能開発についても十分配
慮する必要があり、技術をより広く普及するためには建設予定の住宅での有効性を評価する必要がある。
本業務では、太陽熱利用住宅の省エネルギー性能の評価法を構築することを目的とする。
2.評価法構築対象の太陽熱活用型住宅
2.1
空気集熱式太陽熱暖房・給湯システム
太陽熱を暖房と給湯に利用するために、図 1 のように屋根等に設置した「集熱部」、集熱した空気を床
下等へ搬送する「搬送部」
、床下等に設けられた「蓄熱部」
、および太陽熱を給湯に利用するために設けた
「貯湯タンク」から構成されたシステムを対象とする。
Qsol
Qhw
Lsol , H = LH − Qred
= LH − α ⋅ Qsup
Qsup
Qloss
Qsto
図 1 空気式太陽熱暖房・給湯システムの概念図と熱収支の例
2.2
空気集熱及び空気循環式全館空調システム
開口部等に設けた「集熱部」で集熱した空気を室内で循環させるとともに、空気搬送系内の空調機によ
って全館空調を行うシステムを対象とする。
3.実施内容
本業務の主な実施内容は以下の通り。
3
① 熱収支式を基礎とする評価法の構築
図1に示すシステムを導入した場合における住戸の暖房一次エネルギー消費量、及び、2.1 のシステム
においては給湯一次エネルギー消費量の計算方法を作成する。また、一次エネルギー消費量の計算に必要
なパラメータについて整理する。
② 精緻なシミュレーションプログラムによる簡易評価法の検証
上記の①で構築した評価法について、空気集熱の評価が可能な年間非定常熱負荷・エネルギーシステム
連成プログラム 1(以下、シミュレーションと呼ぶ)を用いた検証を行い、熱収支要素ごとに補正係数を
導入するなどによって、評価法の精度を向上させる。検証のためのシミュレーションケースは表1に示す
17,280ケース程度とする。
表 1 シミュレーションのケース数(案)
対象地域
断熱仕様
延床面積 空気集熱器 基礎部分 UA 床下空間
当たり
仕様
値
付加蓄熱体
(4ケース)
(3ケース) (2ケース)
• 1地域-H1
• S55 基準相当 • なし
• 1地域-H4
• H04 基準相当 • 15%
• 5地域-H1
• H11 基準相当 • 30%
• 5地域-H4
• H11 基準超相 • 45%
• 7地域-H1
当
給湯使用
位
量
・傾斜角
集熱面積
(6ケース)
空気集熱方
(3ケース)
• 従 来 型 空 • 基準×0.5
気集熱器
• 基準×1.0
• 高 効 率 型 • 基準×1.5
空気集熱
(5ケース)
• なし
(4ケース)
(2ケース)
• 南面-30 度 • 4 人家族
• 水 パ ッ ク • 南面-45 度 相当
( 容 量 2 • 東面-30 度 • 3 人家族
ケース) • 西面-30 度 相当
器
•ペ ッ ト ボ
• 7地域-H5
トル(容量
2ケース)
※ 対象住戸は、H25 省エネ基準における一戸建て住宅モデルを基本とする。
※ 対象地域は、H25 省エネ基準における「地域区分-暖房期日射量地域区分」の組み合わせより代表都市
を選定
1. 例えば、無償公開されているプログラムとしては、EESLISM7.2 などがある。
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwd1050/cgi-bin/wiki.cgi?page=EESLISM
③ 実測データを用いた評価法精度の確認
「太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発」事業で収集した実測物件のデータと上記②で
検証した評価法による計算結果の比較検証を行い、評価法の精度を確認する。
4
【別紙詳細資料(その2)】
・測定点は本図のとおり
・データ計測間隔(10秒間隔)
デ タ計測結果には欠損部が存在するこ
・データ計測結果には欠損部が存在するこ
とを考慮すること
※ 基礎
基礎コンクリートやPCM等の平滑な部位については、熱流計で吸放熱量を計測。開口部等についても熱流計で熱損失量を評価。
ク
や
等
滑な部位
は 熱流計 吸放熱量を計測 開 部等
も熱流計 熱損失量を評価
※ ただし、床下付加蓄熱体の吸放熱量の評価にあたっては、
付加蓄熱体(水を想定)を容器(ペットボトル等を想定)への熱流計(5cm角を想定)の貼りつけが困難
⇒ 付加蓄熱体の吸放熱量は「水の容積比熱Cv×体積V×温度上昇分(もしくは下降分)⊿T」から求める