NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2015 太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発 研究開発期間:平成23年4月~平成28年2月 太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発 背景 民生部門の最終エネルギー消費量は3割を占め、家庭部門のエ ネルギー消費は増加が顕著である 2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平 均でZEHの実現を目指す 目標 我が国における住宅の省エネルギーを推進するため、そのエ ネルギー消費の約1/2を占める空調・給湯に着目し、そのエネ ルギー消費の削減を目指す 冷房 2.9% 動力・ 照明他 34.8% 世帯当たりの用途別のエネルギー消費割合 (2010年度) 厨房 7.8% 暖房 26.8% 給湯 27.7% 58% 「太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発」 3 実施期間:H26~H27年度、総事業費:4.8億円(26年度:2.1億円、2/3NEDO負担 H27年度 1.8億円) ○H23~H25年度(前半事業) ・耐久性(加速条件で30年後の性能を担保)のある真空断熱材、潜熱蓄熱建材を開発 ・戸建住宅用太陽熱活用システムでは、実験住宅等で給湯エネルギーを年間で半減 できることを確認 ○H26~H27年度(後半事業) 前半3年で開発した技術水準以上の高性能断熱材、高機能パッシブ蓄熱建材を用い、 太陽熱を活用して空調・給湯エネルギーが1次エネルギー換算で半減される可能性が あることを,全国の8つの気候区分で実証する。 【気候の違いによる8つの地域区分】 (住宅事業建築主の判断基準における地域区分) 3 OMソーラーグループ 冬 期 冬 期 FHアライアンスグループ 4 ・太陽熱集熱部位で得ら れた熱を空気循環により 建物全体へ配熱、蓄熱。 ・太陽熱温水システムで 集熱した熱エネルギー から給湯を除いた余剰 熱量を空調ユニットの熱 源として使用。 ・太陽熱は屋根(温水パ ネル)と壁面(ダブルス キン、ダイレクトゲイン) の両方から集熱 ・空気集熱式システム ・暖房・給湯に太陽熱 を利用 夏 期 夏 期 ・ダブルスキンは庇、袖 壁により日射遮蔽し、冷 房負荷軽減。 なお、外側のスキンは開 放して利用する。 ダイレクトゲインは冷房 負荷を増大するため、庇 など日射遮蔽する。 ・太陽熱冷房可能 (一部地域で採用) ・高効率給湯器の組 み合わせ、給湯利用 で夏期でも有効に太 陽熱を利用する ダブルスキン採熱室 太陽熱温水パネル 夏の日射遮蔽 ダイレクトゲイン 4 太陽熱エネルギー活用型住宅 新築実証地点 札幌市 5 旭川市 伊達市 花巻市 仙台市 坂井市 鹿児島市 宮崎市 春日井市 浜松市 沖縄県中頭郡 出展:(一財)建築環境・省エネルギー機構 6 期間熱負荷量 FHAシステム ダイレクトゲイン ダブルスキン トロンブウォール FCU 暖房負荷 熱量(MJ/period) 4000 3000 2000 1596.0 886.3 365.6 352.5 410.4 127.2 532.9 1544.3 477.2 632.6 641.9 424.9 290.2 656.5 639.6 692.4 愛知 宮崎 472.4 115.0 630.7 813.4 222.1 470.7 1220.2 497.5 235.9 199.5 250.6 旭川 札幌 岩手 福井 3/29-4/11 3/25-4/7 旭川 札幌 岩手 福井 愛知 宮崎 積算期間 3/294/11 3/254/7 3/163/29 3/163/29 3/173/30 3/83/21 暖房負荷(%) 太陽熱寄与度(%) 44.3 55.7 8.0 92.0 27.9 72.1 56.6 43.4 31.8 68.2 19.3 80.7 1000 0 3/16-3/29 3/16-3/29 3/17-3/30 3/8-3/21 6 7 期間熱負荷量 OMソーラーシステム 伊達 3/14-3/20 仙台 3/14-3/20 浜松 3/21-3/27 鹿児島 3/14-3/20 暖房負荷(%) 6.0 0 0.1 9.1 太陽熱寄与度(%) 94.0 100.0 99.9 90.9 積算期間 7 改築事業概要 8 目標 平成27年度末に、既存戸建住宅を全国の気候区分に合わせて断熱改修 し、その後高性能断熱材、高機能蓄熱建材及び戸建住宅用太陽熱活用シ ステムを実装した改築を行い、条件を明確にした上で空調・給湯エネル ギーが一次エネルギー換算で半減できる可能性を実証する。 実施内容 高性能断熱材、高機能パッシブ蓄熱建材及び戸建住宅用太陽熱活用システ ムを既存戸建住宅に対し、効果的に組み込むために、改築予定地域の気候 条件を考慮したシミュレーション等を行い、省エネルギー効果を確認した上で、 既存戸建住宅の断熱改修、改築を計画、設計する。 その後、既存戸建住宅を改築し、各要素技術の省エネルギー効果を改築前 の性能を含め、経済性とともに評価・検証し、実証住宅モデルについて日本 全国の多様な気候に応じて多様な住まいと住まい方の提案等を行う。 8 太陽熱エネルギー活用型住宅実証地点 札幌市 (株)大洋建設 9 旭川市 (株)カワムラ 日本の気候区分 伊達市 (株)小松建設 岩手県花巻市 花住ホーム(株) 福井県坂井市 松栄建設(株) 宮城県仙台市 サイト工業(株) 滋賀県湖南市 (株)木の家専門点谷口工務店 埼玉県本庄市 (株)小林建設 福岡県福岡市 (株)安成工務店 静岡県浜松市 OM建築工房 鹿児島県鹿児島市 山佐産業(株) 大阪府堺市 (株)コアー建築工房 宮崎県宮崎市 アイ・ホーム(株) 沖縄市中頭郡 (株)アイムホーム 愛知県春日井市 丸七ホーム(株) 東京都町田市 (株)鈴木工務店 既築改築実証地点 (FHアライアンスグループ) 既築改築実証地点 (OMソーラーグループ) 新築実証地点 (FHアライアンスグループ) 新築実証地点 (OMソーラーグループ) まとめ 10 新築 太陽熱活用システムにより、実証住宅の空調・給湯エ ネルギーが一次エネルギー換算で50%以上削減できる 可能性が示された。 改築 全国6か所の実証地点で太陽熱活用システム導入 のため既築住宅の改築が開始された。 今後の課題 年間を通して住宅の空調・給湯エネルギーの削減効果を 検証する。 実証住宅で取得したデータを、住宅の省エネルギー基準 への反映に活かすよう、関係各署と連携して活動する。 10 11 ご清聴ありがとうございました 11 太陽熱エネルギー活用型住宅の技術開発 12 ・前半3年で技術開発、後半が住宅での実証 ・予算は5年間で約11億円。全体費用の2/3を助成。 研究開発項目 ①高性能断熱材の 開発 ②高機能パッシブ 蓄熱建材の開発 ④太陽熱活用シス テムの 実住宅での 評価 2011 2012 2013 2014 2015 ・平均熱伝導率≦0.01W/m・K) ・量産時の製造価格が現行品と同等程度 (単位厚みあたり) ・耐久性(30年相当) ・耐久性(30年相当) ・厚さ≦15mm ・空調エネルギーを20%削減 ・空調・給湯エネルギーを一次エネルギー 換算で半減 全国の気候区分に合わせた実証住宅にお いて、高性能断熱材、高機能パッシブ蓄熱 建材及び戸建住宅用太陽熱活用システム を実装し、条件を明確にした上で空調・給 湯エネルギーが一次エネルギー換算で半 減できる可能性を実証する。 ステージゲート ③戸建住宅用太陽 熱活用システムの 開発 目 標 新築 実証住宅での評価 改築 12
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