2013年頃から、地震の専門家の多くの方々が、東海地震単独発生説を否定し、 南海地震・東南海地震・東海地震が連動する南海トラフ巨大地震説をとなえるようになってきました。 しかし、ホームページの東海地震に関する項目をお読みいただければお分かりのように、 今年の8月頃から東海地震の発生の可能性が急速に高まってくることを警鐘させていただきます。 また、大津波の可能性があることも警鐘させていただきます。 東海地震の被害想定地域にお住いの方々が、1976年の駿河湾巨大地震説の報道以来、 この39年間もの永い期間を、巨大地震の脅威に直面され続けてこられ、 どれほど大きな精神的苦痛と防災に対する出費と様々な家族計画や経済発展計画への制限を 余儀なくされてこられたかと思うと、その地震前の精神的被害と経済的被害は計り知れないほど 大きなものであったことをお察し申し上げます。 阪神大震災・新潟中越地震・東日本大震災は、全く想定外に発生いたしました。 被害は甚大でしたが、地震前の精神的被害と経済的被害まったくありませんでした。 しかし、東海地震に関しては、地震前の精神的被害や多様な物質的・経済的被害は 今年で39年間も続いてきたのです。 地震発生前から、緊迫感を伴って、国家的なレベルで可能な限りの防災対策がとられてきたケースは 過去に類例がなく、東海地震だけの特殊ケースです。 東海地震を想定することによる、地震前の精神的被害や物質的・経済的被害は甚大でしたが、 東海地震を想定することによって、巨額の予算によって可能になった防災対策や地震被害を縮小 できる様々な取組みを実施することができた、という大きな利点があったことも事実です。 故 山本敬三郎静岡県知事を中心にして、非常に多くの方々のご尽力が結集されてきたことは けっして無駄ではなく、東海地震の被害の減少に多大な貢献をすることになる思っています。 東海地震が発生することは、確かにに恐ろしいことです。 しかし、東海地震発生の恐ろしさだけを思い続けないでください。 東海地震の発生は、39年間の恐怖の終焉でもあるのです。 一度東海地震が発生すれば、今後100年以上は次の東海地震が発生しないのです。 東海地震発生後は大地震の脅威が消滅して、まったく地震を心配することのない、生活や経済活動が できるのです。 その大きな恩恵のことも想像してください。 まったく地震を心配することのない、家族生活や経済活動を今から計画してください。 充分な防災対策を確認し実行することも重要ですが、 地震後のバラ色の生活を計画することも重要です。 地震を恐れて心を委縮させないでください。 愛する家族や親しい人々と協力して、万全の防災対策をして地震を切り抜け、 地震後の発展を画策する気概を育んでください。 また、阪神大震災、東日本大震災を契機として、地震後の救援活動や援助活動の様々な組織の効率 が強化されたり、新たな組織が構築されたりしてきています。 今では、地震後の多様な救援活動や援助活動の効力は甚大なものになっています。 日本国中の人々が救済を願い、多くの人々が自発的にボランテアに参加いたします。 地震への恐怖があっても、万全の備えをしたうえで、地震後の平穏と躍進の希望も育んでください。 希望や気概のある人には、必ず活路が開けてゆきます。 皆様のご健闘をお祈り申しあげます。 2015年3月6日 明日香地震気象研究所 松本安生
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