近畿大学医学部 2015年度 (後期) 入学試験 解答速報 数学 2015年3月8日 実施 I (1) 座標平面上の放物線 G1 : y = −x2 + 2x + 3 を考える。点 (2, 3) における G1 の接線を ℓ とすると,ℓ の方程式は y = アイ x + である。また,G1 を x 軸方向に −4,y 軸方向に 12 だけ平行移 ウ 動して得られる放物線を G2 とするとき,G2 と ℓ で囲まれた図形の面積は エオ である。 カ (2) 方程式 2|t| + 2|t − 2| = 3t + 10 の解は,値の小さい順に t = キク , コサ である。 ケ (3) △ABC の辺 AB を 1 : 3 に内分する点を D とし,辺 CA を 1 : 3 に外分する点を E とする。このとき, −→ DE = シス −→ AB + セ ソ −→ AC タ である。また,辺 BC と線分 DE の交点を F とすると, −→ AF = チ −→ AB + ツテ である。 解答 解答記号 アイ x + (1) 正解 −2x + 7 ウ エオ 32 3 カ キク , コサ −→ AB + ソ (2) −6 , 14 7 ケ シス (3) セ チ ツテ −→ AC −1 −→ 3 −→ AB + AC 4 2 −→ AC 1 −→ 9 −→ AB + AC 10 10 タ −→ AB + ト ナニ ト ナニ −→ AC 解説 (1) f (x) = −x2 + 2x + 3 とおくと f ′ (x) = −2x + 2. 点 (2, 3) における接線 ℓ は y = f ′ (2)(x − 2) + 3 = −2x + 7. y = −x2 − 6x + 7 放物線 G2 は y = f (x + 4) + 12 = −x − 6x + 7. 2 これと直線 ℓ を連立すると, −x2 − 6x + 7 = −2x + 7 ⇔ x(x + 4) = 0 ⇔ x = −4, 0 したがって求める面積は, ∫ 0 1 32 {(−x2 − 6x + 7) − (−2x + 7)} dx = (0 + 4)3 = . 6 3 −4 (2) y = −2x + 7 x = −4 x=0 (i) t < 0 のとき (与方程式) ⇔ 2(−t) + 2(−t + 2) = 3t + 10 ⇔ t = − 6 7 (t < 0 を満たす.) (ii) 0 < = t < 2 のとき (与方程式) ⇔ 2t + 2(−t + 2) = 3t + 10 ⇔ t = −2 これは 0 < = t < 2 を満たさないので不適である.よって 0 < = t < 2 の場合,解は存在しない. (iii) 2 < = t のとき (与方程式) ⇔ 2t + 2(t − 2) = 3t + 10 ⇔ t = 14 6 , 14. 7 −→ 1 −→ −→ 3 −→ (3) AD = AB, AE = AC. 4 2 −→ −→ −→ 1 −→ 3 −→ よって DE = AE − AD = − AB + AC. 4 2 メネラウスの定理より(おもりの公式を利用してもよい) , AD BF CE 1 BF 1 · · =1⇔ · · =1 DB FC EA 3 FC 3 ⇔ BF : FC = 9 : 1 −→ 9 −→ 1 −→ AB + AC. したがって AF = 10 10 (2 < = t を満たす.) 以上より,t = − A 1 D 3 3 B C F 1 E II 3 辺の長さが a,b,c の三角形 T を考える。T の面積を S とし,外接円の半径を R,内接円の半径を r とする。さらに,T の 3 つの内角を A,B ,C とする。そこで,三角形 T に対して 3 つの値 D(T ),E(T ), F (T ) を D(T ) = a2 + b2 + c 2 , S R , r E(T ) = F (T ) = sin A B C sin sin 2 2 2 と定める。 (1) T1 を正三角形とする。このとき, √ D(T1 ) = ア イ , エ E(T1 ) = ウ カ であり, , F (T1 ) = オ である。 (2) T2 を直角二等辺三角形とするとき,D(T2 ) = √ √ キ E(T2 ) = + ク ケ , F (T2 ) = − コ サ である。 (3) T3 を 3 辺の長さの比が 3 : 3 : √ 6 の三角形とする。このとき, √ シス D(T3 ) = , ソ である。 解答 (1) 解答記号 √ ア イ 正解 √ 4 3 ウ 2 エ 1 8 オ (2) カ √ √ キ + ク ケ − コ サ √ シス セ (3) ソ タ チ セ 8 √ 2+1 √ 2−1 4 √ 16 5 5 1 4 E(T3 ) · F (T3 ) = タ チ 解説 D(T ), E(T ), F (T ) はすべて 3 辺の長さの比で決まるので,以下では a, b, c の値を適当に定めること とする.また内角 A, B, C の対辺の長さをそれぞれ a, b, c とする. √ √ 3 12 + 12 + 12 √ なので D(T1 ) = = 4 3. 4 3 4 −→ 1 −→ |AG| また正三角形では重心,内心,外心は一致するので,その点を G とすると,R = |AG|, r = 2 π 1 であるから E(T1 ) = 2.また F (T1 ) = sin3 = . 6 8 √ √ 1 12 + 12 + ( 2)2 (2) a = b = 1, c = 2 とする.S = なので,D(T2 ) = = 8. 1 2 2 √ 1 1 √ . r(1 + 1 + 2) = S より r = また 2 2+ 2 √ π c 2 また C = より c が外接円の直径となるので R = = . 2 2 2 √ √ √ 2 したがって E(T2 ) = (2 + 2) = 2 + 1. 2 1 √ 1− √ π 2−1 θ 1 − cos θ 1 2 2 √ また θ = = とすると F (T2 ) = sin sin θ = sin θ = · . 4 2 2 2 4 2 (なお,a = b である二等辺三角形の場合,A = B = θ とすると ( π ) 1 − cos θ θ sin −θ = cos θ · · · ① となる) F (t) = sin2 2 2 2 √ (3) a = b = 3, c = 6 とする.また A = B = θ とする.(右図参照) 1 π · 1 · 1 · sin = (1) a = b = c = 1 とする.S = 2 3 AB の中点を M とすると,AB ⊥ CM なので三平方の定理を用い √ √ 30 2 2 て CM = AC − AM = と分かる. 2 √ √ 1 √ 3 5 30 したがって S = · 6· = より, 2 2 2 √ √ 32 + 32 + ( 6)2 16 5 √ D(T3 ) = = . 5 3 5 2 √ 3 3 3 30 また正弦定理から 2R = なので R = = , sin θ 2 sin θ 10 √ √ √ 5(6 − 6) 1 r(3 + 3 + 6) = S より r = . また 2 10 √ AM 6 また cos θ = = なので,①から AC 6 √ 6 √ √ 1− 6 6−1 6 · = . F (T3 ) = 2 6 12 √ 3 30 √ 6−1 1 したがって,E(T3 ) · F (T3 ) = √ 10 √ · = . 12 4 5(6 − 6) 10 【参考】実は三角形の形状によらず E(T ) · F (T ) = 1 となる. 4 C 3 3 r A B θ θ 2 M √ 6 (証明) s = a+b+c とすると 2 2R sin A + 2R sin B + 2R sin C 2 = R(sin A + sin B + sin C) ( ) A+B A−B C C = R 2 sin cos + 2 sin cos 2 2 2 2 ( ) C A−B A+B C = R 2 cos cos + 2 cos cos 2 2 2 2 A B C = 4R cos cos cos 2 2 2 s = が成り立つ.よく知られているように S = rs が成り立つので, E(T ) · F (T ) = = = = = = = R A B C sin sin sin r 2 2 2 Rs A B C sin sin sin S 2 2 2 4R2 A B C A B C sin sin sin cos cos cos S 2 2 2 2 2 2 R2 sin A sin B sin C 2S R2 a b · · sin C 2S 2R 2R 1 ab sin C 8S 1 4 III O を原点とする座標平面において,第 1 象限に点 P1 をとる。x 軸上の点 Q1 と直線 OP1 上の点 P2 ̸ を ̸ OP1 Q1 = ̸ OQ1 P2 = 90◦ となるように定める。さらに,x 軸上の点 Q2 と直線 OP1 上の点 P3 を OP2 Q2 = ̸ OQ2 P3 = 90◦ となるように定める。n = 1, 2, 3 に対して,点 Pn の座標を (xn , yn ) で表す。 (1) x1 = 1, y1 = ウ x2 = √ 3 のとき,線分 P1 Q1 の長さは ア √ , y2 = エ オ である。 (2) x1 = 2, y1 = カキ 3 のとき,x2 = 2 ク セ イ ケコ , y2 = ス (3) x2 = 1, y2 = 2 のとき,x1 = √ である。 サシ ソ , y1 = であり, である。 タ √ (4) y1 = 1 であり,x1 および y2 が自然数であるとすると,線分 OP3 の長さは (5) x1 = 1,y3 = 300 であり,y1 が自然数であるとすると,y1 = テ チ ツ である。 である。 (6) x1 が自然数であり,y1 は x1 の倍数であるとする。また,2 つの不等式 y2 < 64, x3 > 196 が成り立つとする。このとき,x1 = ト , y1 = ナ である。 解答 (1) 解答記号 √ ア イ 正解 √ 2 3 ウ √ 4 √ 4 3 エ オ カキ (2) ケコ , ク サシ ス (3) ソ , セ √ チ (4) タ ツ テ (5) ト (6) , 25 75 , 8 32 1 2 , 5 5 √ 4 2 3 ナ 2, 6 解説 (1) ̸ P1 OQ1 = 60◦ であることに注意せよ.下図 1 を参照のこと. ここで一般に xn , yn , xn+1 , yn+1 の間に成り立つ関係を導いておこう.下図 2 において,点列 {Pn } が 存在する直線の方程式を y = kx (k > 0) としておく.このときもちろん yn = kxn , yn+1 = kxn+1 が成 り立っている.また, n > = 2 として三角形 OQn−1 Pn と三角形 OPn Qn ,および三角形 OPn Qn と三角 形 OQn Pn+1 はそれぞれ相似であり,その相似比はいずれも 1 : √ 1 + k 2 であるから,三角形 OQn−1 Pn と三角形 OQn Pn+1 の相似比は 1 : (1 + k 2 ) であることがわかる.したがって, { xn+1 = (1 + k 2 )xn ··· ① yn+1 = (1 + k 2 )yn が成り立つことに注意しておこう.以下の解答では k はこの直線の傾きとする. y √ 4 3 P2 y y = kx Pn+1 √ 3 √ P1 Q1 O 1 (2) k = 3 であるから,x2 = 4 { ( 1+ Pn O x 4 図1 1 + k 2 xn 3 4 xn Qn−1 Qn 図2 )2 } x1 = 25 3 75 , y2 = x2 = である. 8 4 32 1 1 2 x2 = , y1 = 2x1 = である. 2 1+2 5 5 { ( )2 } 1 1 1 (4) x1 = m(m は自然数)とすると, k = であり,y2 = 1 + y1 = 1 + である. m m m2 (3) k = 2 であるから, x1 = 題意よりこれが自然数であるから m = 1 になるしかない(よって k = 1 となり, xn = yn である) . したがって,① より xn+1 = (1 + 12 )xn = 2xn が成り立ち,x3 = 2x2 = 4x1 = 4, y3 = x3 = 4 から √ OP3 = 4 2 がわかる. (5) y1 が自然数であるから, k は自然数である.このとき, y3 = (1 + k 2 )y2 = (1 + k 2 )2 y1 = k(1 + k 2 )2 x1 = k(1 + k 2 )2 = 300 となるので k = 3 とわかる.したがって y1 = 3 である.(注: 300 = k(1 + k 2 )2 > k 5 であるから k = 1, 2, 3 しかありえないことに気づけば絞り込めるが,そこまで考えなくても代入していけば自 然と k は決まるであろう.) (6) 題意よりこの場合も k は自然数である.y2 < 64, x3 > 196 ⇐⇒ k(1 + k 2 )x1 < 64, (1 + k 2 )2 x1 > 2 3 196 · · · ② である.k 3 < k(1 + k 2 ) < = k(1 + k )x1 < 64 = 4 であるから, k = 1, 2, 3 しかありえ ない.ここで,② より 196 64 < x1 < が成り立っているが,k = 1, 2, 3 を代入し (1 + k 2 )2 k(1 + k 2 ) てみると,この不等式から x 196 64 < x1 < 4 2 196 64 k = 2 のとき, < x1 < 25 10 196 64 k = 3 のとき, < x1 < 100 30 k = 1 のとき, ⇐⇒ 49 < x1 < 32 となり不合理 ⇐⇒ 7.84 < x1 < 6.4 となり不合理 ⇐⇒ 1.96 < x1 < 2.13 · · · となるので, x1 = 2 がわかる.したがって, k = 3 であり, x1 = 2, y1 = 6 である. 講評 I 平易だった.手際よく短時間で処理して,後の問題に取りかかりたい. II 難しくはないが,手際よく処理していけるかどうかで差が付きそう.なお,似た出題が 2012 年にあった. III 相似な図形の連なりにおいて,相似比をいかに早く見抜けるかがポイント.後半は整数問題ではあるが, エレガントに解くことよりも強引に数値を代入して求めていくなどの力技がものをいいそう. 去年より易化した.ただし分量は多いため処理力が得点を大きく左右するだろうが,9 割は確保したい. 医歯学部進学予備校 メビオ 〒540-0033 大阪市中央区石町2-3-12 ベルヴォア天満橋 TEL 06-6946-0109 FAX 06-6941-9416 http://www.mebio.co.jp/
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