5 特集:中部だより(398.6 KB)

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中経連事務局員が、担当するエリアでお聴きした、
各県の最新トピックや地域特有の情報を紹介するコーナーです。
東紀州の振興に向けて∼「命・絆・元気の道」開通∼
津波被害への備えとなる、地域内外において交流
交通の利便性が大きく向上した「東紀州」
が容易になるなど、
「 命の道」
「 絆の道」の役割を果
東紀州
(紀北町、
尾鷲市、
熊野市、
御浜町、
紀宝町)
たせることになり、地元では「元気の道」に関しても
は三重県を北勢、伊賀、中勢、南勢、東紀州の5つ
効果が生じることを目指している。
に区分した地域の一つである。
三重県北部に比べ経済基盤や生活基盤に遅れ
「東紀州」のさらなる振興に向けて
が見られ、南北問題と呼ばれてきたが、平成25年
本道路の開通により、名古屋から東紀州まで片
から平成26年にかけて、紀勢自動車道および熊野
道3時間(これまでは約4時間)の日帰り観光圏域
尾鷲道路が開通し、名古屋市などの各地域と高速
となったことにより、地元自治体が開通に合わせて
道路で結ばれ、交通の利便性が大きく向上した。
観光振興キャンペーンを積極的に行っている。
中経連では中部圏の幹線道路ネットワークの形
国・高速道路会社・県・市町が一体となり設立さ
成に向けて、
これまで本道路の整備を強く要望して
れた「東紀州地域高速道路整備効果検討会」の
きた。
このたびの開通により、交通量(地域間交流)
調べでは、愛知・大阪・関東などの遠方からの宿泊
の増加、時間・距離の短縮などの直接効果に加え、
者が増加し、売上高が前年度より約3割増加した
「命・絆・元気の道」
と呼ばれるように、幅広い開通
観光施設があることや、世界遺産登録10周年の熊
効果が生じることが期待されている。
野古道への観光客が平成18年の8万人から平成
地域の唯一の生活道路である国道42号の代替
25年には31万人、平成26年には約40万人へと大
道路が確保されたことにより、高度な医療施設群が
幅に増加する見込みとなり、観光面で早くもプラス
近くなる、災害時の安全確実な移動が確保できる、
の効果が生まれはじめている。
42
勢和多気JCT
紀勢大内山IC
紀伊長島IC
紀北町
滋賀県
京都府
三重県
熊野市
三木里IC
賀田IC
熊野新鹿IC
熊野大泊IC
御浜町
42
紀宝町
熊野三山へ
10 中経連 2015.3
熊野尾鷲道路
尾鷲南IC
尾鷲北IC
な・みかん・牛乳」について、開通に伴い
名古屋市
海山IC
尾鷲市
さらに、地域の主要産業である
「さか
伊勢神宮
全国各地への安定的出荷が確保され、
紀勢自動車道
大宮大台IC
伊勢自動車道
国の重 要 政 策である「 地 方 創 生 」に
向けて、地域自らが創意工夫し、行動し
津市
ていくことが 重 要であり、本 道 路の積
極的なPRと有効活用により、高速道路
奈良県
の開通効果をさらに高め、東紀州の活
性化に繋がることが期待される。
和歌山県
和歌
山県
出荷先の拡大が期待されている。
東紀州地域
出所/国土交通省 中部地方整備局 紀勢国道事務所 提供資料を基に作成
※尾鷲北IC∼尾鷲南ICは事業中。熊野大泊IC以南も延伸を図っている。
※熊野古道は
「伊勢路」
など熊野三山(熊野大宮大社・熊野速玉大社、熊野那智
大社)
への参詣道の総称で、
「伊勢路」
は伊勢神宮から熊野三山への参詣道。
(三重担当 亀井 勝彦)
協力先/・国土交通省 中部地方整備局
紀勢国道事務所
・三重県地域連携部 南部地域活性化局 東紀州振興課
・三重県県土整備部 道路企画課
中経連 2015.3
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