地区連の頁 中 部 ─三重県─ 鈴鹿亀山道路における構想段階PIの実施について 1.はじめに ケートや各種団体へのヒアリングに加え、県民のみ 鈴鹿亀山道路は鈴鹿市街地と東名阪自動車道や新 名神高速道路を結ぶ道路で、北勢バイパス付近から 亀山JCT付近にまたがる延長約10㎞の地域高規格道 なさんから直接ご意見を伺うための「100人協議会」 を新たに設置するなどし、構想段階PIを実施した。 100人協議会は、知事や地元市長にも出席いただき、 路であり、大規模災害時の備えや、地域の持続的な 延べ250名を超える方々の参加のもと、ワークショッ 発展が期待される道路として位置づけられている。 プ方式で活気ある意見交換が行われた。 いなべ市 桑名市 東員町 菰野町 木曽岬町 朝日町 川越町 四日市市 鈴鹿市 亀山市 伊賀市 津市 名張市 明和町 松阪市 名阪国道 玉城町 多気町 伊勢市 鳥羽市 大台町 度会町 大紀町 志摩市 南伊勢町 100人協議会の様子 紀北町 高規格幹線道路 等 尾鷲市 国道 熊野市 地域高規格道路 (計画路線) 地域高規格道路 (事業区間) 御浜町 紀宝町 鈴鹿亀山道路の位置図 100人協議会や延べ3,672名からいただいたアン ケート、各種団体へのヒアリング結果等に基づき、 地域が目指すべき姿や、その実現に向けて解決が必 要な課題を整理し、地域や道路の現状、県民等のニー 「環境影響評価法の一部を改正する法律」が、平 ズ、圏域や地域の将来像を考え合わせて、本道路の 成25年4月に施行され、大規模道路事業を実施しよ 政策目標を設定した。そして、この政策目標の達成 うとする者は、事業の位置・規模等を検討する構想 に寄与する経済的・効果的な道路ネットワークの実 段階において環境保全のために配慮すべき事項の検 現に向け、複数のルート帯案及び評価項目を設定し、 討を行い、計画段階環境配慮書(以下、「配慮書」 比較評価を行った。 という)を作成することが義務付けられた。本県で 配慮書の作成にあたっては、既存資料を収集・分 は、本道路を対象として、配慮書に必要な検討を含 析することにより、事業実施想定区域及びその周囲 めた構想段階PIの実施により、平成27年3月に配慮 の自然的状況、社会的状況を調査するとともに、調 書を作成・公表し、国土交通大臣等に対する意見聴 査結果に加え、検討会や有識者委員会、100人協議 取を行った。本道路の計画検討にかかる取組みは、 会やアンケート調査、ヒアリング結果等を踏まえて 全国的にも先進的な取組みであるため、紹介したい。 現段階において当該事業の検討にあたり、重大な影 2.計画検討の経緯 構想段階PIは、社会面、経済面、環境面等のさま ざまな観点から総合的に検討を行い、計画を合理的 響を受ける恐れのある環境の要素について検討し、 計画段階配慮事項を選定し、比較評価を行った。 3.おわりに に導き出す過程を住民参画のもとで進めていく手法 今回の検討経緯等については、県のホームページ である。本県では、本道路のルート帯(道路が通過 (http://www.pref.mie.lg.jp/DOROKI/HP/ する概ねの位置)を総合的に決定することを目指し、 suzukame/)に掲載している。本県としては、地域 国、県、鈴鹿・亀山両市、中日本高速道路株式会社 のみなさんの悲願である、鈴鹿亀山道路の一日も早 でつくる「検討会」及びさまざまな分野の専門家で い実現にむけた取組みを推進していく所存である。 構成する「有識者委員会」を設置した。また、アン (三重県 県土整備部 道路企画課 三好 康成) 月刊建設15−09 63
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