紀勢自動車道・熊野尾鷲道路の開通後の変化スポーツ交流人口が増加

平成27年3月3日
東
紀
州
地
域
高速道路整備効果検討 会
きせい
くまの おわせ
紀勢自動車道・熊野尾鷲道路の開通後の変化
スポーツ交流人口が増加・都市部でより新鮮な魚を提供
ひがしきしゅう
~高速道路で東 紀 州 地域をもっと元気に!~
1.概
要:
ひがしきしゅう
きせい
くまのおわせ
な
ご
や
三重県東 紀 州 地域は、紀勢自動車道及び熊野尾鷲道路の全線開通により、名古屋市など
各地と高速道路で結ばれ、交通の利便性が大きく向上しています。
この度、スポーツ交流や都市部への新鮮な魚の提供等の変化に着目し、その結果をとり
まとめましたのでお知らせします。
今後も引き続き、各種効果について順次調査・整理を行っていきます。
ひがしきしゅう
き ほ く ちょう
おわせ
くまの
み は ま ちょう
き ほ う ちょう
※東 紀 州 地域(紀北 町 ・尾鷲市・熊野市・御浜 町 ・紀宝 町 )
●スポーツ交流による地域活性化・地域間連携
くまの
・高速道路の延伸に伴い、移動時間が大幅に短縮したこともあり、熊野市のスポーツ交流
宿泊者数は大きく増加。
くまの
・全国の高校野球の強豪校を招いて開催されている「練習試合 in熊野」では、地域間連携
により開催時の宿泊者数、参加校が約8割増加。
●都市部でより新鮮な魚を提供
・所要時間の短縮により鮮魚の仕入れの時間が変化し、都市部の店でより鮮度の高い魚を
提供。
●地域住民のライフスタイルの変化
・高速道路の開通により約5割の方が「生活に変化があった」「外出する回数が増加した」
と回答。
・実感している効果の程度として約7割の方が「予想よりも効果があった」と回答。
ひがしきしゅう
※東 紀 州 地域に在住する住民への WEB アンケート結果
2.配 布 先:
三重県政記者クラブ、第二県政記者クラブ、尾鷲記者クラブ、熊野市政記者会
3.問合せ先:
国土交通省 中部地方整備局 紀勢国道事務所
おおたけ
つねのり
調査設計課長
大竹 庸訓
TEL 0598-52-5365
【資料とりまとめ:東紀州地域高速道路整備効果検討会】
三重県県土整備部道路企画課・尾鷲市市長公室・熊野市市長公室・紀北町企画課
御浜町産業建設課・紀宝町企画調整課・中日本高速道路株式会社名古屋支社
国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所
~高速ネットワークの形成~
 紀勢自動車道・熊野尾鷲道路の開通により、東紀州地域は名古屋市などの各地域と高速ネットワークが形成
されました。
■広域図
(NEXCO中日本施工区間)
平成25年3月24日 全線開通
東紀州地域
(国土交通省施工区間)
平成26年3月30日 全線開通
【尾鷲南IC~熊野大泊IC】
拡大範囲
(国土交通省施工区間)
平成25年9月29日 全線開通
凡例
熊野尾鷲道路
紀北町・尾鷲市
熊野市・御浜町
紀宝町
【紀伊長島IC~尾鷲北IC】
紀勢自動車道
【紀勢大内山IC~紀伊長島IC】
紀勢自動車道・熊野尾鷲道路
国道42号
高速道路
1
~スポーツ交流の増加による地域活性化~
 東紀州地域の温暖な気候等を活かし、熊野市では合宿・スポーツ交流地としてのブランド化を推進しています。
 高速道路の延伸に伴い、中京・関西圏から熊野市までの3時間圏域が大幅に拡大したこともあり、スポーツ交流
宿泊者数は大きく増加しています。
 その結果、紀勢自動車道・熊野尾鷲道路未整備時のH17年と比較し、経済波及効果が年間約2.6億円増加して
います。
■熊野市の取組
■熊野市からの3時間圏域
■スポーツ交流宿泊者数の推移
H21.2 紀勢自動車道開通
(大宮大台IC~紀勢大内山IC)
H18.3 紀勢自動車道開通
(勢和多気JCT~大宮大台IC)
スポーツ交流宿泊者数
50,000
全国大会を開催
(
女子ソフトボールの
H26.3 紀勢自動車道全線開通
H25.9 熊野尾鷲道路全線開通
宿
泊 40,000
者
30,000
数
人 20,000
/
年 10,000
約2.5倍に増加
)
0
平
成
17
年
度
平
成
18
年
度
平
成
19
年
度
平
成
20
年
度
平
成
21
年
度
平
成
22
年
度
平
成
23
年
度
平
成
24
年
度
平
成
25
年
度
平
成
26
年
度
※熊野市提供資料より作成 平成26年度は推計値
凡例
起点:熊野市役所
3時間圏域
拡大した3時間圏域
※平成22年度道路交通センサスをもとに作成
宮崎
30
25
( )
気 20
温
℃ 15
東紀州地域はプロ
野球のキャンプ地で
有名な宮崎と同様の
気候
10
5
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
月月月月月月月月月月月月
平成26年
※気象庁統計データより作成
※熊野市提供資料
■合宿実施高校 監督の声
■東紀州地域の気候
熊野
県庁所在地
新たなスポーツとして
自転車、シーカヤック
マラソン大会を開催
・高速道路が開通し、名古屋から熊野市まで
片道3.0~3.5時間で行けるようになったた
め、今年初めて合宿を実施しました。
・熊野市は気候が良く、施設も整備されて
いるため、合宿地としては最適です。
■スポーツ交流宿泊者の増加による経済波及効果
高速道路延伸により合宿等スポーツ交流人口
(宿泊者数)が増加 ※H17からH25にかけ約1.8万人増加
紀勢自動車道・熊野尾鷲道路未整備時
(H17年)と比較し
経済波及効果が年間約2.6億円 増加
※交流者の消費額(宿泊・飲食)の直接・一次・二次間接波及効果の合計額
※紀勢国道事務所による愛知県の高校へのヒアリング結果
※熊野市提供資料を用い、観光レクリエーション入込客数推計書・
観光客実態調査報告書・三重県産業連関表にて算出
2
~地域間連携によるスポーツ交流の拡大~
 熊野市では毎年11月に全国の高校野球の強豪校を招き、「練習試合in熊野」が開催されています。
 高速道路の開通により、尾鷲市と熊野市の移動時間が大幅に短縮し、尾鷲市にある野球場も使用することができ、
規模拡大に伴う開催時の宿泊者数、参加校数が約8割増加しています。
■熊野市と尾鷲市の野球場間の所要時間の変化
至松阪
■練習試合in熊野開催時の宿泊者数・参加校数の変化
峠道と急カーブが連続する
国道42号
<熊野市~尾鷲市間 約40分>
紀勢自動車道開通
紀勢自動車道開通
(紀勢大内山IC~紀伊長島IC)
(紀伊長島IC~海山IC)
熊野尾鷲道路開通
(三木里IC~熊野大泊IC)
尾鷲市営野球場
約8割
増加
くまのスタジアム
※熊野市提供資料より作成
スムーズに走行できる熊野尾鷲道路
<熊野市~尾鷲市間 約20分>
練習試合in熊野の様子
至新宮
凡 例
紀勢自動車道・熊野尾鷲道路
国道42号
■熊野市 観光スポーツ交流課 担当者の声
・高速道路が開通したことにより、熊野市~尾鷲市
間が約20分と半分の時間で行き来できるようにな
りました。
・その結果、平成26年度は尾鷲市にある
野球場も初めて使用することができ、
参加校も増え、規模を大きくすることが
出来ました。
※紀勢国道事務所による熊野市職員へのヒアリング結果
※紀勢国道事務所による熊野市へのヒアリング結果より作成
3
~都市部でより新鮮な魚を提供~
 高速道路開通により、東紀州地域から名古屋市までの所要時間が短縮され、名古屋市にある飲食店ではより鮮度
の高い魚を提供することができるようになりました。
 飲食店からは、「魚の搬入時間が早くなり、店のオープンまでの準備時間が十分確保された」との声がありました。
■タイムスケジュール
市場
名古屋
4:00頃出発
飲食店(名古屋市栄)
16:30頃
到着
仕入れ
延長約24km
延長約24km
高速道路が
約31km延伸
7:00頃
15:30頃
到着
11:30頃
4:30頃 出発
開
通
後
H26.4
都市部での夕方の
渋滞に遭遇
~
開
通
前
H24.2
(尾鷲市等)
オープンまで
30分
17:00
オープン
しかない
延長約55km
延長約55km
高速道路の延伸に伴い、
所要時間が短縮され、
夕方の渋滞も回避
30分遅く
出発が可能
オープンまで
1時間30分
の余裕ができた
※紀勢国道事務所による物流事業者、飲食店へのヒアリング結果より作成
凡 例
紀勢自動車道・熊野尾鷲道路
その他の道路
尾鷲市の市場の様子
■物流事業者の声
■名古屋市栄の飲食店の声
・高速道路開通後、名古屋市から尾鷲市までの所要時間が短縮し、
朝ゆっくり出発できるようになりました。
・また、帰りは四日市市周辺の渋滞に巻き込まれることが
少なくなり、飲食店へ早く魚を搬入することができる
ようになりました。
※紀勢国道事務所による物流事業者へのヒアリング結果
・高速道路開通前は、店への魚の搬入は早くても16時30分頃でした。
渋滞等で遅れると開店後に搬入する事もありました。
・高速道路開通により、搬入時間が短縮されたことで、
より鮮度の高い魚をお客様へ提供することができます。
※紀勢国道事務所による飲食店へのヒアリング結果
4
~東紀州地域住民のライフスタイルの変化(アンケート結果)~
 高速道路の開通により、約5割の方が「生活に変化があった」「外出する回数が増加した」と回答。
 また、実感している効果の程度として約7割の方が「予想よりも効果があった」と回答。
 地域住民からは「運転が楽になった、中京圏・関西圏・津市・松阪市等への遠方や周辺市町村に行く回数が増加」
などの声がありました。
■地域住民の生活の変化
■外出する回数の変化
3%
約5割
■実感している効果の程度
3% 2%
約5割
予想よりもとても効果があった
増加した
変化があった
47%
約7割
25%
40%
変わらない
予想したのと同程度であった
50%
47%
53%
減少した
今のところ変化
はない
予想よりもあまり効果がなかった
外出しない
N=194
予想よりもやや効果があった
30%
予想よりも全く効果がなかった
N=194
N=194
■高速道路開通後実感している効果
■具体的な声
松阪市
66
山道を走ることがなくなり、運転が楽になった
中部圏、関西圏、津市、松阪市等への時間が短縮し、
行く回数が増加した
周辺の市町村(紀北町、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町)への
時間が短縮し、行く回数が増加した
62
松阪や新宮など、買い物
へ行く回数が増え、運転
も楽になりました。
(尾鷲市在住 30代女性)
55
39
買物へ行く時間が短縮し、買い物場所の選択肢が広がった
雨による通行止めを気にせず外出できるようになった
38
山道を走ることがなくなり、事故の危険性が少なくなった
38
尾鷲市
(自宅)
27
買物へ行く時間が短縮し、買い物へ行く回数が増加した
19
通院する時間が短縮し、楽に病院に行けるようになった
道路の走りやすさが向上したため、
朝の通勤時間における余裕ができた
13
10
通院する病院の選択肢が広がった
通勤・通学の時間が短縮したため、これまで通勤圏・通学圏では
なかった地域に通勤・通学が出来るようになった
6
0
新宮市
20
40
60
N=194
80
※複数回答可
※紀勢国道事務所による東紀州地域の5市町に在住する地域住民へのwebアンケート結果より作成
調査日:平成26年11月14日(金)~18日(火))
5
~紀勢自動車道・熊野尾鷲道路 全線開通による整備効果~
安全・安心なくらし
●病院の選択肢の増加
(尾鷲総合病院の新規・外来患者数の増加)
●2次医療施設への搬送時間の短縮
●3次医療施設への転院搬送時間の短縮
●搬送時の患者の負担軽減
●国道42号の代替路としての機能を発揮
(ダブルネットワーク・リダンダンシーの強化)
地
域
活
性
地域生活の変化
波 及 効 果
●交通アクセスの向上
(高速バスの増便・都市部からの最終時刻の
延長)
●多数のコンビニエンスストアの出店
●東紀州地域住民のライフスタイルの変化
●都市部でより新鮮な魚を提供
Vv
直 接 効 果
●交通量(地域間交流)の増加
●時間・距離の短縮
●交通事故の減少
●走行経費(燃料消費量・タイヤ損耗)の減少
化
●開通に合わせた観光振興イベントの開催・相
乗効果
●主要観光施設の入込客数の増加
●観光客の来場圏域の拡大
●観光客の滞在時間の増加
●熊野古道世界遺産登録10周年との相乗効果
●スポーツ交流の増加による地域活性化
●地域間連携によるスポーツ交流の拡大
地域産業の発展
●地域振興施設(道の駅)の売上単価の増加
●宿泊施設の宿泊者・来場圏域の拡大・売上額
増加
●地域の主要産業の安定供給を支援
(尾鷲の魚・三重南紀みかん・大内山牛乳)
Vv
〜「命・絆・元気の道」〜
東紀州を⼀つに
紀勢⾃動⾞道・熊野尾鷲道路
全線開通
波 及 効 果
※黒文字:既に記者発表した整備効果 赤文字:今回記者発表する整備効果
東紀州地域高速道路整備効果検討会
平成26年6月に国・高速道路会社・県・市町が一体となり「東紀州地域高速道路整備効果検討会」を設立しました。
東紀州地域では昨年度、紀勢自動車道・熊野尾鷲道路が開通しました。
高速道路の開通を機に自治体による記念キャンペーン等の取組の結果、当地域には多くの観光客が訪れるなど、高速道路の開通による様々な効果が表れて
います。
今回、高速道路の開通がもたらした様々な効果を「国・高速道路会社・県・市町が一体」となって、幅広く調査・分析する事で、「個々では見えなかった効果」や
「今、地域が必要としている事」などを把握し、それを広くPRする事などにより、東紀州地域の更なる地域活性化に期待しています。
三重県
尾鷲市
熊野市
紀北町
御浜町
紀宝町
中日本高速道路(株)
国土交通省
6