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製造業
中小企業事例
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きめ細かな制御で省エネ実現
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株式会社阿部蒲鉾店(泉工場)
平成25年度エネルギー使用合理化事業者支援事業
◎総事業額:約3,874万円 ◎補助金額:約2,432万円
取組の概要
●取組の背景と目的
泉工場創設以来28年間、LPGガス焚き冷温水発生機(COP1以下)を使用していたが、経年劣化によるトラブルの発生
やエネルギー効率が悪いことが大きな課題であった。また閑散期と繁忙期の生産量の差が大きい業種であることから、本来
なら閑散期と繁忙期との冷温水の需要量が大きく異なるが、定流型システムであったためエネルギーロスが生じていた。
そこで高効率の空冷ヒートポンプチラーを導入することで、省エネルギーを実現。また4段階の増減可能モジュールを3連
結することで、12段階制御が可能となり、時期に応じて細かく流量変更をすることにより、省エネを実現しつつ、工場内の
労働衛生面での改善を目的とした。
工場内の照明は、従来は水銀灯を使用していたが、始動させてから照度が100%になるまでに時間がかかり、工場内で
の時間ロスが見受けられた。また消費電力も大きいことから、消費電力が少ないLED照明に切り替えた。
●導入設備の概要
◎空冷ヒートポンプチラー(118kW×3連結)
定格時COP:5.6
冷房能力:354kW(消費電力:63.0kW)
暖房能力:354kW(消費電力:95.1kW)
◎LED照明
22台導入(光束:10,400lm/台 消費電力:95W/台)
合計消費電力:2,090W
▲空冷ヒートポンプチラー
▲工場内のLED照明
運用状況と省エネルギーの効果
電力のピークカットをするため、時間差を設けて設備を始動させるようにしてい
エネルギー使用量
(原油換算kℓ)
導入前
557
導入後
532
削減率
4.5%
〈平成25年1月~9月と平成26年同期との比較〉
◎投資回収年数:11.4年
る。また勤務体制を見直し時差出勤して、生産ラインの一部を停止しても必要な生
産量をまかなえるようにして、ピークカットを図っている。基本契約料を低減する
ため、10年前から500kWhから400kWhの契約に変更し、自家発電装置を導入し
て電力会社からのデマンドが400kWhを超えないようにコントロールをしている。
平成17年にHACCPを取得して以来、排水時のカビ等の菌類の発生を抑えるな
どの衛生管理と、水道料金の低減につなげるため節水のための工夫をしてきた。
また従業員の意識にも変化が生じ、省エネ意識が高まっている。
東日本大震災の際に、自家発電により冷蔵庫を稼動させることができ、在庫して
おいた材料を、品質を落とさずに近隣の病院・学校などに供給することで社会貢献
ができた。さらに震災を契機に、再生可能エネルギーが注目される中、平成23年
末に太陽光発電システム(発電量:200kWh)を導入して、現在、売電している。
事業者概要
株式会社阿部蒲鉾店
■住所:本社 仙台市青葉区中央2丁目13-18
泉工場 仙台市泉区明通4丁目10番地
■電話:本社 022-222-6455
泉工場 022-378-3700
■資本金:7,450万円
■従業員数:325名(うちパート124名)
■URL:http://www.abekama.co.jp/
■事業内容:蒲鉾の製造販売
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昭和10年創業。昭和23年に初代社長の阿部秀雄が自動笹焼き機を考案
し、現在宮城県内の笹かまぼこ生産事業者が導入している生産方式の礎を築
きました。泉工場は昭和61年に落成し、笹かまぼこの最大日産枚数は30万
枚。平成17年に厚生労働大臣承認のHACCPを取得。平成19年に第29回食
品産業優良企業等表彰において「農林水産大臣賞」を受賞。平成25年には
ISO22000:2005を取得して徹底した品質保証に取組んでいます。