資料 1 外部専門家による安全研究の技術評価について 平成27年2月25日 原 子 力 規 制 庁 1.はじめに 「原子力規制委員会における安全研究に係る評価の実施について」 (平成2 6年4月9日原子力規制庁) (参考)において、原子力規制庁は「原子力規制 委員会における安全研究について」 (平成25年9月25日原子力規制委員会) に示されたニーズへの整合性等の政策的観点から評価を実施することとして いる。 この評価のうち、中間評価及び事後評価については、技術評価検討会を開 催し、外部専門家から安全研究プロジェクトに対する技術的評価を得ること としている。また、外部専門家の選定については、原子力規制委員会の了承 を得ることとしている。 2.技術評価検討会について ①検討会の公開 議事、議事録、資料を公開する。 (学会への論文投稿及び特許申請を行う 上で事前に公開することにより支障が生じるものを除く。) ②外部専門家(以下「委員」という。)の選定 各安全研究プロジェクトを以下の五つの技術分野に区分し、技術分野ご とに3名以上の委員を選定する。各分野における検討会の構成については、 別添1の案のとおりとしたい。 - プラント安全技術 - 燃料・材料技術 - シビアアクシデント技術 - 核燃料廃棄物技術 - 地震・津波技術 選定に当たっては、当該分野に専門性を有していることはもとより、外 部有識者から意見を聴くに当たっての要件 1に基づくこと、評価対象の安全 研究プロジェクトについて受注者になっていないことを条件とする。当面 の間、任期は1年とするが、再任は可とする。 1 「原子力規制委員会が、電気事業者等に対する原子力安全規制等に関する決定を行うに当たり、参考として、外部有 識者から意見を聴くにあたっての透明性・中立性を確保するための要件等について」 (平成 24 年 10 月 10 日 原規技発 第 121010001 号 原子力規制委員会決定 -1- ③評価対象となる安全研究プロジェクト(別添2) 中間評価:研究期間が5年以上の安全研究プロジェクトのうち、研究開始 から3年以上経過したもの(平成26年度の評価対象は19件) 事後評価:今年度が最終年度となる安全研究プロジェクト(平成26年度 の評価対象は5件) ④技術評価検討会の進め方 ・各安全技術管理官において、これまでの成果を10ページ程度の論文形 式で記載した調査票を作成する。 ・委員は調査票に対し、以下の観点からコメントを行う。 - 国内外の過去の研究、最新知見を踏まえているか。 - 解析実施手法、実験方法が適切か。 - 解析結果の評価手法、実験結果の評価手法が適切か。 - 重大な見落とし(観点の欠落)がないか。 ⑤評価のスケジュール 以下のスケジュールで技術評価検討会における評価及び政策的観点から の評価を実施する。 平成 27 年 3月 4月 5月 6月 技術評価検討会 中間評価 政策的観点からの評価 原子力規制委員会承認▲ 技術評価検討会 事後評価 政策的観点からの評価 原子力規制委員会承認▲ (参考) ○政策的観点からの評価 中間評価、事後評価それぞれについて、技術評価検討会の結果を踏ま え、以下の観点から評価を実施する。 - 規制ニーズに適合しているか(外的条件への対応を含む。)。 成果の活用がなされているか(規制部等への報告も含む。)。 研究の費用対効果が適切か。 対外的な成果の公表がなされているか。 -2- 別添1 技術評価検討会(案) 1. プラント安全技術検討会 功刀 資彰 京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻教授 田中 伸厚 茨城大学工学部機械工学科教授 鶴田 俊 秋田県立大学システム科学技術学部機械知能システム学科教授 2. 燃料・材料技術検討会 有馬 立身 九州大学工学研究院エネルギー量子工学部門助教 兼松 学 東京理科大学理工学部建築学科准教授 黒崎 健 大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻准教授 望月 正人 大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授 渡邉 英雄 九州大学総合理工学府先端エネルギー理工学専攻准教授 3. シビアアクシデント技術検討会 飯本 武志 東京大学環境安全本部准教授 笠原 直人 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授 村松 健 東京都市大学工学部原子力安全工学科客員教授 守田 幸路 九州大学大学院工学研究院エネルギー量子工学部門教授 4. 核燃料廃棄物技術検討会 浅沼 徳子 東海大学工学部原子力工学科准教授 榎田 洋一 名古屋大学大学院工学研究科マテリアル理工学専攻教授 木倉 宏成 東京工業大学原子炉工学研究所准教授 高木 郁二 京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻教授 村松 健 東京都市大学工学部原子力安全工学科客員教授 望月 正人 大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻教授 本間 俊司 埼玉大学大学院理工学研究科物質化学部門准教授 5. 地震・津波技術検討会 岩田 知孝 京都大学防災研究所教授 酒井 直樹 (独)防災科学技術研究所水・土砂防災研究ユニット主任研究員 庄司 学 筑波大学大学院システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻准教授 古屋 治 東京都市大学工学部原子力安全工学科准教授 山中 浩明 東京工業大学大学院総合理工学研究科環境理工学創造専攻教授 -3- 別添2 今年度評価対象となる安全研究プロジェクトについて 1.中間評価対象(計19件) ※ ( )内は研究期間 (1)プラント安全技術検討会【評価対象:4件】 ・国産システムコードの開発(H24-H30) ・軽水炉の事故時熱流動の技術的知見の整備(H24-H31) ・使用済燃料プールの規制課題に関する安全研究(Phase-1)(H24-H28) ・火災防護対策の高度化に係わる調査・試験(H23-H27) (2)燃料・材料技術検討会【評価対象:5件】 ・燃料破損限界に関する研究(H19-H33) ・混合酸化物燃料特性評価に関する研究(H19-H28) ・燃料等安全高度化対策事業(H18-H29) ・軽水炉燃材料詳細健全性調査(H18-H30) ・運転期間延長認可制度及び高経年化対策制度に係る技術的知見の整備に 関する研究(H23-H28) (3)シビアアクシデント技術検討会【評価対象:3件】 ・シビアアクシデント試験と国産解析コード開発(H22-H28) ・被ばく評価手法の高度化研究(H18-H30) ・地震・津波等に係るリスク評価関連手法等の整備(H24-H28) (4)核燃料廃棄物技術検討会【評価対象:5件】 ・破損燃料輸送に係る技術調査(H24-H28) ・加工施設のリスク評価に係る研究(H24-H28) ・再処理施設のリスク評価に係る研究(H24-H28) ・商用再処理施設保守管理技術等に係る研究(H24-H28) ・使用済燃料等の貯蔵・輸送分野の規制高度化研究(H17-H28) (5)地震・津波技術検討会【評価対象:2件】 ・地震動評価技術の整備(H24-H28) ・外的事象に係る構造健全性関連研究(H24-H28) -4- 2.事後評価対象(計5件) (1)プラント安全技術検討会【評価対象:1件】 ・原子炉水質管理技術高度化対策事業(H24-H26) (2)燃料・材料技術検討会【評価対象:1件】 ・海水腐食評価事業(H24-H26) (3)シビアアクシデント技術検討会【評価対象:2件】 ・アクシデントマネジメントの知識ベース整備(H15-H26) ・シビアアクシデント晩期の格納容器閉じ込め機能の維持に関する研究 (H17-H26) (4)核燃料廃棄物技術検討会【該当なし】 (5)地震・津波技術検討会【評価対象:1件】 ・福島第一事故を踏まえた震源極近傍の地震動評価の高度化(H25-H26) -5- 参考 原子力規制委員会における安全研究に係る評価の実施について 平成26年4月9日 原 子 力 規 制 庁 1.背景 平成25年9月25日、原子力規制委員会が実施すべき安全研究について、 その目的をより明確にし、課題の解決に資する成果が得られるようにすること を目的として、「原子力規制委員会における安全研究の推進について」(以下、 「安全研究の推進について」という。)がとりまとめられた。 そこでは、 「原子力規制委員会が原子力安全規制等における課題を解決するた めの研究分野を特定し、それを踏まえた優先順位の設定と毎年度ごとの安全研 究の進捗状況及び研究成果の原子力安全規制等への活用状況等の評価を行い、 必要に応じて改善を実施する」としている。 本年3月1日、独立行政法人原子力安全基盤機構が原子力規制庁に統合され たことを踏まえ、安全研究に係る評価の実施体制、内容について明確にする。 なお、 「安全研究の推進について」における独立行政法人原子力安全基盤機構 に係る記載については、別紙のとおり、これを削除する修正を加えることとす る。 2.政策的観点からの評価 原子力規制庁は、 「原子力規制委員会における安全研究について(平成25年 9月25日)」(以下、「安全研究について」という。)に示されたニーズへの整 合性等について評価を実施し、原子力規制委員会に報告する。 具体的には、各安全研究プロジェクトに対して、事前評価、中間評価(研究 実施期間が5年以上の研究に限る)、事後評価、追跡評価及び年次評価を実施し、 これらの評価について原子力規制委員会に報告するとともに、事前評価、中間 評価及び事後評価については原子力規制委員会の承認を得る。 (1)事前評価(安全研究プロジェクト立ち上げ時) 安全研究プロジェクト立ち上げ時に、「安全研究について」との整合性、 実施の必要性、目的や成果目標、予算や研究期間の妥当性、国際動向等の 観点から事前評価を実施する。 (2)中間評価(研究期間中) 研究実施期間が5年以上の場合には、研究開始から3年ごとに中間評価 を行う。当該評価では、外部状況の変化や目標の達成状況、国際動向等を 踏まえ、 「安全研究について」との整合性、研究の質の向上や改善、プロジ ェクトの中断等の観点も含め評価を実施する。 (3)事後評価(研究プロジェクト終了後) プロジェクトの終了後、 「安全研究について」に整合したものであったか -6- 否かを含め、成果目標の達成状況や具体的成果、国際貢献等の観点から事 後評価を実施する。当該評価は、安全研究の成果の利用が想定される部署 による成果に対する評価を踏まえたものとする。 (4)追跡評価 安全研究の成果の利用が想定される部署に対し、プロジェクトの終了1 年後に成果の規制等への反映、活用状況について追跡評価を実施する。プ ロジェクトの終了1年後時点で、成果の反映、活用状況が確認できない場 合は3年以内の適切な時期に再度追跡評価を実施する。ただし、基盤的研 究に関してはこの限りではないものとする。 (5)年次評価 「安全研究について」への整合性、年度ごとの安全研究の進捗状況を確 認し、安全研究プロジェクトの継続的改善を図る観点から、当該年度の研 究成果及び次年度研究計画について評価を実施する。評価結果は次年度以 降の研究計画に反映する。 3.技術的観点からの評価 原子力規制庁が各安全研究プロジェクトに対する中間評価及び事後評価 案を作成するに当たっては、技術評価検討会を開催し、原子力規制庁にお いて選定した当該研究分野に知見を持つ外部専門家等からプロジェクトに 対する技術的評価を得る。なお、外部専門家については、公正性及び中立 性確保の観点から、利害関係者が評価に加わらないよう十分に配慮すると ともに、その選定について原子力規制委員会の了承を得る。 4.評価対象 評価対象は、原子力規制庁が実施する原子力安全規制等に関する安全研究プ ロジェクトとする。 5.当面の評価スケジュール 平成25年度研究成果(今年度評価対象とする安全研究プロジェクトについ ては別添1参照)及び平成26年度研究計画の評価については以下のとおり実 施する。 平成26年4~6月頃 原子力規制庁による平成25年度研究成果及び平成 26年度研究計画の評価 平成26年6月頃 原子力規制委員会への評価結果の報告 -7-
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