岡山大学 耐災安全・安心センター 公開講座・ミニシンポジウム 地震・断層・粘土そして水 - 地震と断層の理解のために - 主催: 岡山大学 耐災安全・安心センター 日時:3月17日(火) 10時 - 17時 会場:環境理工学部 大会議室 (環境理工学部棟4階) 地震発生・断層運動と、断層物質:粘土・粘土鉱物と水に着目、地震メカニズムの本質を探る 10:00 伊藤 久男 「断層周辺の構造と物性」 これまでの断層掘削等では回収されたコアの解析、坑井を使った各種調査により断層の構造、流動特性を含む物性等が明らかになってきた。これら の結果をまとめ、今後の方向性を考える。 10:30 亀田 純(北海道大、理学) 「沈み込み帯プレート境界における海洋地殻の脱水挙動と地震発生」 沈み込み帯プレート境界断層の発達、粘土鉱物の脱水、そして地震発生の関連性について地質学や鉱物学の観点から考察する。 11:00 廣瀬 丈洋 (海洋研究開発機構・高知コア研究所 ) 「プレート境界断層の地震時の動的弱化機構」 大地震発生時に断層は秒速数mの高速ですべる。このようなダイナミックな断層運動を実験室で再現し、プレート境界地震時に断層内部で起こって いる物理化学現象を解明する試みについて紹介する。 11:30 三井 雄太(静岡大、理学) 「断層運動中の間隙流体圧変化と摩擦係数変化、どんな条件のときどちらが卓越するか? 場合分けの試み」 2011 東北地震が巨大地震化した原因を、断層水の瞬間的な圧力増大に求める。その後、どのような条件下でそのようなことが大々的に起こり得る かについて、簡単な考察を行う。 --- 12 時 - 13 時 昼休み --- 13:00 加納 靖之(京都大、防災研) 「地殻応力およびひずみモニタリングにおける間隙水圧計測の意義」 地震発生と地下の水の関係が取り沙汰されています.そのメカニズムについて,これまでの研究,特に地下水の観測からどのようなことが明らかに なっていて,今後どのようなことを明らかにしたいかについて紹介します. 13:30 佐藤 治夫 (岡山大、自然科学) 「福島環境中に放出された放射性物質の土壌中深度分布の変遷:土壌中放射性セシウムの拡散収着特性」 14:00 西山哲 (岡山大、環境生命) 「室内岩石破壊実験は地震学に寄与できるのか」 14:30 伊藤 喜宏(京都大、防災研) 「擬似断層物質を用いたスロースリップに伴う断層の速度弱化、すべり弱化実験」 擬似断層物質を用いた摩擦実験から、2011 年東北地方太平洋沖地震に先行して発生したスロー スリップと本震の地震時すべりとの関係について言及する。 15:15 片山 郁夫(広島大、理学) 「粘土鉱物の摩擦特性とプレート境界の固着度」 沈み込むプレート境界で発生する地震は,プレート間同士の固着度と密接に関係している。最新の実験 結果によると,粘土鉱物が存在すると固着度が弱まることが分かってきた。 15:45 佐久間 博(物質・材料研究機構) 「雲母・粘土鉱物の最大摩擦係数と吸着水の影響」 雲母・粘土鉱物と水が存在すると断層が滑りやすくなるのか?鉱物科学に基づく研究成果を紹介します。 16:15 河村 雄行 (岡山大、環境生命) 「粘土・粘土鉱物の分子構造と力学的性質:分子計算とその場観察実験」 粘土鉱物の分子シミュレーションと X 線回折・赤外吸収分光による、水和粘土鉱物のその場観察により、 粘土鉱物の水和挙動を理解し、また鉱物が微細なため理解が困難な組織構造の解明について言及する。 連絡先:086-251-8845 (河村)
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