九州電力 川内原発再稼働同意の見直しを求める要請書

 2015 年 2 月 26 日 鹿児島県知事 伊藤 祐一郎 様 鹿児島県議会議長 池畑 憲一 様 国際環境 NGO グリーンピース・ジャパン 気候変動・エネルギー担当 高田久代 九州電力 川内原発再稼働同意の見直しを求める要請書 国際環境 NGO グリーンピースは、本日 2 月 26 日、委託レポート『川内原発と火山灰のリスク』を
発表、原子力規制委員会(規制委)の定めた「原子力発電所の火山影響評価ガイド」が国際原子
力機関(IAEA)の定めた「火山安全ガイドライン」を満たさないこと、そして九州電力が鹿児島
県の川内原発1、2号機の再稼働審査にあたって原発の安全性に影響を与える火山活動の可能性
について過小評価していることを明らかにしました。 また本レポートでは、アメリカの規制委である NRC が約 220 キロ離れた火山からの火山灰降下の
影響を原発の安全性の観点から考慮している一方で、日本の規制委および九州電力は川内原発か
ら約 50 キロの距離に位置する活火山・桜島からの降灰の影響と対策を十分に検証しているとは言
えないとも指摘しています。 貴県は、昨年 11 月に九州電力川内原発再稼働に同意しています。しかし、安全対策の詳細設計を
記した「工事計画」、運転や事故対応を定める「保安規定」の審査はまだ終わっておらず、その後
の「使用前検査」を含めると、すべての審査の終了には今後数ヶ月を要することは想像に難くあ
りません。 検討のための猶予が残されている今こそ、本レポートの結論を踏まえ、貴県に、現在開会中の鹿
児島県議会で改めて再稼働した場合のリスクについて議論し、新たな知見を踏まえて再稼働同意
について再考してくださるよう、以下要請します。 一、県議会に火山専門家を招致し、再稼働に対する火山のリスクを議論すること 一、
「工事計画」や「保安規定」に関して住民説明会を開催し、その際、火山専門家を参考人
として招くこと 規制委は原発の再稼働審査について「安全とは言わない」と明言し続けています。国は「万が一
事故が起こった場合であっても、国が責任を持って対処」するとしていますが、県民が求めてい
るのは万が一でも事故を起こさないことではないでしょうか。県民の命を守ることができるのは
県知事と議会です。再稼働同意の見直しを重ねて要請します。 以上 添付資料:委託レポート「川内原発と火山灰のリスク」日本語抄訳および英語本編