2016 年 9 月 5 日 九州電力株式会社 代表取締役社長 瓜生 道明 様 国際環境 NGO グリーンピース・ジャパン 事務局長 米田 祐子 抗議文 鹿児島県三反園知事からの川内原発1、2号機即時一時停止の 要請を拒否したことに対する厳重抗議 九州電力株式会社は 9 月 5 日、三反園訓鹿児島県知事からの川内原発 1、2 号機の即時一時停止の 要請に対し、これに応じないと回答しました。 国際環境 NGO グリーンピース・ジャパンは、これに対し、厳重に抗議します。三反園知事の要請は、 知事選の公約に基づくもので、県民のみなさんから支持を得て当選しています。今回の即時一時停 止という要請は鹿児島県民からの要請と捉え、応じるべきであったと考えます。知事が要請した川 内原発 1、2 号機の一時停止、原子炉および使用済み核燃料ピットや非常用電源などの点検、活断 層の調査、避難計画への支援などは、本年 4 月以降の熊本地震の発生、余震が続いていることから 考えれば当然の要請です。 貴社は、2013 年 7 月に申請した川内原発の新規制基準適合の審査の過程においても、多くの火山学 者からの破局的噴火は予測不可能だという警告を無視しました。また免震棟建設を前提に審査を通 しておきながら、審査が完了し再稼働させた後にその建設を撤回するなど、住民の安全を二の次に してきました。2011 年には、玄海原発の再稼働をめぐる住民説明会で関係会社社員に再稼働賛成の やらせメールを送らせる不祥事も起こしています。 今度は、これまで曲がりなりにも電力会社に尊重されてきた地元首長からの要請を拒否しました。 要請書に書かれた「原発は絶対に事故を起こしてはならない」という知事の思いは、貴社にとって も同じはずです。そして事故を防止するための最低限の措置が、即時一時停止しての点検です。 原子力規制委員会の新規制基準の適合審査の結果を受けて稼働させているから、10 月の定期点検で 要請に書かれた点を点検すればいいというのであれば根拠なき楽観です。そうした姿勢こそが東京 電力福島第一原発事故を引き起こした要因の一つです。また、今回の貴社の判断は、一時停止の経 済的損益と、住民の安全・命を秤にかけ住民を二の次とした行為であり、許されません。原子力規 制委員会について言えば、地震の専門家はいません。また、IAEA(国際原子力機関)も日本の原子 力規制に対し、検査官の人数、研修と権限が限られていることを報告書で指摘しています。 貴社に対し、厳重に抗議するとともに、住民の声を真摯に受け止め、川内原発 1、2 号機の即時一 時停止と必要な再点検を行うことを、改めて要請いたします なお、この抗議文は、三反園訓鹿児島県知事にもご参考のためにお送りしています。 以上
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