要旨 [PDFファイル/137KB]

国際観光学科卒業研究論文(2013 年 12 月)指導教員 徳江順一郎准教授
(結婚式におけるマーケティング)
学籍番号 1820100036
氏名 松本
幸恵
目次
1
はじめに
第1章
第2章
第3章
第4章
物財とサービスのマーケティングの違い
2
1. 物財のマーケティング
2
2. サービスのマーケティング
2
コミュニケーション・マーケティング
7
1. 人的販売の基礎理論
7
2. インターナル・コミュニケーション
9
ウエディングプランナーの人材教育
11
1. インタラクティブ・マーケティング
11
2. インターナル・マーケティングにおける人材教育
12
3. 人材教育の実例
17
考察
19
おわりに
21
参考文献
22
論文要旨
本論文では、結婚式でのマーケティングと、ブライダル業界ではなぜ分業制が行われて
いるのかを、人的販売の面から検証し、それに向けての人材教育がどのようになされるべ
きなのかを考察している。
まず、この研究の動機と、ウエディングプランナーが結婚式の会場決定において、どれ
ほど関与しているかを記述した。
第1章では、プロモーションの元となるマーケティングについて、物財とサービスの両
方のマーケティングについて述べている。物財のマーケティングには、マッカーシーの 4P
が活用される場合が多い。しかし、サービスには物財にはない 5 つの特性がある。これら
の特性が存在することによって、物財のマーケティングである 4P だけでは対応しきれな
い部分が生じてくる。そこで、本論文では、統合的サービス・マネジメントの 8Ps モデル
を活用した。
第2章では、コミュニケーション・マーケティングについて述べている。顧客向けのコ
ミュニケーションの基本となる人的販売の概要を、他のプロモーション要素と比較した。
ここで、人的販売を行う販売員は分類分けができるということがわかった。そして、コミ
ュニケーションは顧客との間のみに行われるものではなく、企業と従業員の 間にも重要な
コミュニケーションがある。このコミュニケーションを、インターナル・コミュニケーシ
ョンという。
第3章では、顧客と直接的にコミュニケーションをとる従業員に対し、企業がどのよう
な教育をしているのかを現場レベルのホスピタリティ・マネジメントの面と、モチベーシ
ョン向上の面から論じている。社会的不確実性が高いと顧客の満足度も高くなる傾向にあ
る。また、顧客の満足に対して、従業員の満足度も高くなる傾向がある。そのサービスを
提供する側の満足が後に、モチベーションの向上へと繋がっていく。では一方で企業は、
その従業員に対し、どのようにモチベーションの向上を行い、どのような教育を行ってい
るのかを、動機づけ地形図を活用し、記述した。そして、実際の企業がどのような人材教
育を行っているのか、ブライダル企業 3 社を具体例として紹介した。
第4章の考察では、第1章から第3章までの内容をまとめた。結婚式では、ドレスなど
の物財と、演出などのサービスの両方が存在するため、物財とサービス、両方のマーケテ
ィングが必要となってくる。結婚式は不確実性にあふれているため、従業員と顧客 の相互
信頼関係が重要となってくるが、相互信頼関係を確立できるかどうかは、ウエディングプ
ランナーの力量に大きく左右される。そのため、ブライダル企業では分業制を取り入れて
いる企業が多いのではないかと考える。
最後に、今後衰退していくと予想されるブライダル業界では、女性が働きやすい環境を
創ることが大切であると述べた。他企業との差別化のためには、ソフト面である従業員の
教育にも力を入れていくべきである。また、ブライダル業界は女性が多く活躍しているた
め、女性の働きやすい環境作りも重要であると考える。