留学についての思い 李暁鵬 日本における留学に関する一言を依頼されて、何を書けばよいのか、考えれば考えるほ ど、わからなくなり、かなり迷いました。留学の良いところだけを書いたら、嘘になるか もしれませんし、悪いところばかりを書いたら、皆さんは留学したくなくなるかもしれま せん。実際、留学先は日本であれ、欧米であれ、世の中にはすべてのことは両面を持つと いう特徴があるわけです。 胸に手を当てて、なぜ留学するのかを考えると、高収入を目指す、より良い職場に就職 するなどの思いがあるわけです。みなさんは留学したら、これらの希望が実現できると確 信していますか。我々の周辺には、留学したのに就職できない方がいます。留学というの は、ただ専門知識を学ぶだけではなく、多くの文化を認めたり、多くの価値観をお互いに 理解したりして、現地の社会、経済、政治などの文化を学び、両国間の友好の橋になるも のでしょう。 留学生活は辛いことがあり、楽しいこともあります。元中華民国の初代大統領孫文でさ え洗い場でアルバイトをしたそうです。このように、偉人も一般の人から誕生したのでは ないでしょうか。ただ、両者の違いは、心の広さと深さだと思うんです。だから、人生は 絶対に夢や目標を持たなければなりません。なお、非功利主義的な目的を追求しましょう。 来日して、最初に一年間、久留米大学の留学生別科で日本語の教育を受けました。別科 での留学生活は充実していました。毎日、学内での勉強だけではなく、新入生が日本文化 を理解できるように、多くの学外の活動が設けられています。観光地に行ったり、農業体 験や神社参拝等々、数えられないほどの体験があります。でも、別科における授業は、死 ぬほど厳しいです。すべての授業には、毎日小テストがあるし、山ほどの宿題もあります。 その結果、みんなの日本語能力はうなぎ上りに伸びました。怖いでしょう。しかし、別科 で勉強したからこそ、わたしは夢を実現できたのです。その後、文学部の社会福祉学科に 進学できたわけですし、今、本学大学院比較文化研究科に在学中です。 一年間で何回社会活動に参加するか、いくつ学外試験を受けるか、留学中は自分の腕を 磨いて、能力をアップするしかありません。私は、自分の専門分野の授業だけでなく、本 学の経、商、法の授業を取ったり、聴講したりしていますし、学外の課外講座、研修会も 自費で受けています。また、ボランティア活動は普段の旅行よりもっと勉強できると思い、 社会貢献を行うと同時にたくさんの方々と出会い、交流することにより、自分の欠点や不 足しているところが分かってきました。 人生で最も重要であるのは道徳であって、いろいろな才能・知識がある人と交流をする ことによって、「高度」というのは何かがわかり、物事を見抜く能力を身につけることがで きます。留学中、何を経験したかは非常に重要です。今から、図書館に足を運んでほしい です。地域社会に出てほしいと思っています。留学しようと思う方、または、留学中の方 に、少しでもお役に立てれば幸いです。
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