IE10 Cloud Only システム研究 要旨 <背景・目的> 昨今の IT の世界は「モバイル」 「ソーシャル」 「ビッグデータ」 「クラウド」の 4 要素で 構成されると言われている。中でも 2007 年頃より台頭したキーワード「クラウド」は、も はや現代の生活には必要不可欠と言える。 では、企業におけるクラウドサービスの利用状況はどうか。総務省 平成 25 年通信利用 動向調査(※1)によると、クラウドサービスを利用する企業の割合は増加している。そし て実際に利用した企業のうち 8 割以上が「効果があった」と回答している。一方で 7 割近 い企業は利用すらしていない。 クラウドサービスを利用しない理由 (図 1)において「必要がない」が最大の理 由であり、また類似している「メリット が分からない、判断できない」も主な理 由の一つである。 これらより、「クラウドサービスのメ リットが導入するまで分からない」こと が利用されない理由であり、それが解消 されることでクラウドサービスの利用が 促進されるとの仮説を立てるに至った。 図 1:クラウドサービスを利用しない理由 (出典:総務省 平成 25 年通信利用動向調査) 当研究グループの目的は、クラウドサービスのメリットの分かりづらさを払拭し、我々 が日々携わるシステム開発においてクラウドサービスがもたらす恩恵を最大限に受ける為 の方法を提案することである。そして、この先クラウドが社会基盤になった時に訪れる未 来について考察する。 <研究内容> クラウドサービスを利用するメリットとして一般的に以下が挙げられる。 ・サービスの利用開始までの期間を短縮可能 ・初期投資が不要 ・システム運用による負担が軽減 システム開発においてクラウドサービスを利用した場合と、従来のオンプレミス環境を 利用した場合とを比較することにより、上記のメリットを検証した。 2014Beacon Users' Group IE10 Cloud Only システム研究 要旨 検証の題材:Web アプリケーション構築 評価環境:以下クラウドサービスを利用 ○開発環境 ・Cloud9(https://c9.io/) ・GitHub(https://github.com/) ・Travis CI(https://travis-ci.org/) ○プラットフォーム ・Amazon Web Services(http://aws.amazon.com/) 評価: 評価項目 評価方法 コスト 以下の比較により評価する オンプレミス:ベンダーへの見積もり クラウドサービス:シミュレーターによる見積もり 利用開始 までの期間 以下の比較により評価する オンプレミス:ベンダーへの見積もり クラウドサービス:評価環境を利用した実測値 上記検証の結果、クラウドサービスを利用することにより大幅なコスト削減、利用開始 までの期間の短縮が可能となることが確認できた。 <結論> 我々は研究を通しクラウドサービスのメリットを明確にし、システム開発におけるクラ ウドサービスの有効な活用方法を確認することが出来た。 この結果から、クラウドサービスを活用することでより効率的にシステムを構築・運用 することが可能となり、利用者に対して多大な価値をもたらすと確信した。 また、今後クラウドサービスがより成熟していくことで、近い将来、水や電気のような 社会基盤となることが考えられる。企業はシステムを「持つ」時代から「利用する」時代 となり、ヒト・モノ・カネを事業活動へ集中することが可能となる。 <参考文献> ※1 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05a.html 「平成 25 年調査(平成 26.06.27 公表) 」 2014Beacon Users' Group
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