は、 年の581万㌧が 年には 7037万㌧と約 倍の伸びを見 せている。 位のインドネシアは 12 188万㌧が1542万㌧と 倍 強に、 位のインドは245万㌧ 8 が908万㌧と 倍ほど伸びてい 年度「水産白書」参考図 み合っているからだ。 年代に入 のは、幾つかの要因が複合的に絡 かつて世界最大の漁業生産国だ った日本の生産量が低迷している 表より) 。 る( 4 国内水産業の 〝脱ガラパゴス〟 を九州から 12 で遠洋漁業が大きな打撃を受けた。 リ宣言をして漁場が狭まったこと 日本の漁業・養殖業の国内生産 量は1984年の1282万㌧を 量が 年代に入って急減した原因 割にも満たない486万㌧で、東 が乱獲のために急に不漁になった は、マイワシやマサバといった魚種 %減少している。一方、生産額 成育する場になる藻場の減少、燃 いる(数字はいずれも 年度「水 なった 動 き を 見 せている。例 え 他 方、この間の世 界の漁 業・ 養 殖 業の生産 量は、日 本とは異 産白書」 ) 。 ニーズが川上に伝わらないなど流 が失われたことに加えて、消費者 低下により鮮魚卸し市場の活気 は、漁獲量の減少と市場経由率の だけが理由ではない。 「川中」で 日本の漁業生産量が減少した 要因は、こうした「川上」の変化 高騰といった要因も重なった。 料油や養 殖魚の餌となる魚粉の 年の 兆4178億円とほぼ半減して ークに減 少 傾 向にあり、 年は 兆9772億 円をピ 17 12 は 海水温の上昇、魚の産卵や稚魚が 日本大 震災の影響からやや回復 いる。2012年はピーク時の 代わって台頭した沖合漁業の漁獲 ると、各国が相次いで200カイ 70 恵まれた自然環境を生かして 知恵を結集し 「成長産業」 に 2 ピークにほぼ減少の一途をたどって 減少続く水産業の生産量 ピーク時の 割弱と低迷 80 3 13 90 ことが大きな要因だった。これに、 4 したものの増加率は ・ %にと 1 どまった。 年前と比べても ・ 2 13 業 産 水 乱獲による水産資源の減少や自然環境の変化、他国の需要の拡 大などを背景に、日本の漁獲量は減少の一途をたどっている。しか し、海外に目を転じると、アジアを中心に多くの国々で漁獲量は増 加している。その要因は、そうした国々が漁獲漁業から脱却し、育 てる漁業への転換を図っているためだ。遅 ればせながら日本でも、水産業を成長産 業化する取り組みが胎動している。その 先陣を切ったのが九州地域であり、新た な 展 開 が図 られ よ うとしている。 水 産 業は 、九 州 地 域に おいて成長産業になり うる分野として注目を 集めそうだ 4 ば、漁業生産量が世界最大の中国 Zaikai Kyushu / FEB.2015 47 10 2 3 84 1 ① 代 世 次 下」では、魚の調理法や旬の魚の 産業は今後、成長産業になりう い。しかし、複数の関係者は「水 産業の将来に明るさは見えてこな 情報を消費者に伝える窓口になっ る高い潜在力をもつ」と語る。そ 通部門の課題があった。さらに 「川 ていた鮮魚小売店が減ったり、食 英嗣教授は「国内の水産業のあり の点について、下関市立大の濱田 じたことに、魚は食べにくいとい 方を根本から見直し、これまで培 肉価格に対して魚肉の割高感が生 うイメージが拡大して消費者の魚 った技術を駆使して新たな形態を 全国の 割であることから九州が 1割経 済と称される半 面、水産 業の生産 額が全国で占める割合 は、農業の ・ %を大きく上回 る ・ %である。水産業の生産 2 額は北海道を上回るが、生産量は 北海道の ・ %に対して九州は %だ。沖 縄 県を加えても ・ %、山口県を加えても ・ ・ 6 いる。 年の国内における漁業就 る厳しい労働環境などが影響して 自然相手の仕事を長時間強いられ の後、発足した水産戦略部 会は 興に関する提言」を発表した。そ した結果を踏まえて「水産業振 (WG) 」が約 年を掛けて協議 る水産業振興ワーキンググループ 食糧農業機関(FAO)の資料に ている要因は養殖業である。国連 するにつれて漁業生産量も増加し 野が養 殖業だ。世界人口が増 加 るからだと言える。その一つの分 を図るフィールドとして適してい ている」と言う。その一つが、海岸 のエリアがもたない特性が影響し 田教授によれば、この要因は「他 国内の ・ %を占めている。濱 特に、九州 県に沖縄・山口両 県を加えた海面養殖業の生産額は 業者数は 万3660人で、 年 前と比べて ・ %も減少してい 月、 産物輸出額を る。他方、同年の場合、1920 人と毎年、一定程度の新規就業者 の700億円に引き上げ、新たに 年と比べて はいるが、増加数を減少数が上回 3300人の雇用創出を目指す行 から、波が穏やかで水深が深いと 率は、1950年が 対 だった。 う地理的な特徴だ。こうした条件 きっこう しかし、2010年は 対 とほ ぼ拮抗し、 年には逆転している。 いう養殖業には適した環境が生ま し、農林水産委員会に水産部会 月には、同部 会を発 展的に改 組 アの養殖が世界をけん引すること ジアに集中しており、今後はアジ さらに、世界の養殖場の 割がア こともメリットだと言える。濱田 さらに、海水温が比較的高いた め、多 様な魚類を養 殖しやすい 動計画をまとめた。さらに今年 を立ち上げる。部会長には林兼産 は確実だ。そうした海外の時流が 教授によれば、その理由は「魚種 歳以 上の高齢者で、地場産業としての 業(山口県下関市)の熊山忠和社 ありながら、日本の水産業はいつ によって適した養殖規模があるた れている。 漁業そのものの継続が危ぶまれて 長が就任し、 「魚食普及」 「養殖魚 の間にか〝ガラパゴス化〟してい こうした状況からは、日本の水 「伸びしろ」 が多い水産業 成長産業化に向けて始動 いる地域も多い。 の輸出促進「産地間連携」―の三 め」だ。例えば、ブリやマダイな 程度が 7 0 たわけだ。 分の る状態が続いている。しかも、全 同 年に九州地域発の水 であることを示している。 の高い水産業を実践している地域 地域が、他地域と比べて付加価値 %と及ばない。このことは九州 19 食離れが進んだ。 19 26 44 つのWGを設け、それぞれの観点 就業者の 3 43 ど生産量が多い魚種は、一定程度 3 97 53 3 10 65 しかも、GDPや人口、面積が 1 からアクションプランの具体的な 14 20 6 1 12 28 9 48 Zaikai Kyushu / FEB.2015 1 2 9 5 線が入り組んだ入り江が多いと言 月には「九州地域におけ 26 2 18 17 よれば、漁獲漁業と養 殖業の比 収入が十分に確保できないことや、 昨 年 漁 獲 量の減 少に比 例するかの 構築できれば、日本は世界の潮流 ように、漁業就業者数も減少の一 をけん引できる」と補足する。 実現を目指す。 途をたどってきた。その背景には、 九州経済連合会も、この発言 漁獲量の減少や魚の売価の低迷で に沿った取り組みを推進している。 こうした取り組みが始動したの は、九州地域が水産業の活 性 化 水揚げ後、 出荷するまでの技術の進歩が海外輸出 を可能にしている 倍 3 11 12 17 3 大規模化には適さない魚種とされ 滅した場合の損失額が大きいため トで養殖が難しいフグなどは、全 産が好ましい。一方で、デリケー の事業規模をもった企業による生 殖業の分野で、先進的な事業者 世界では遅れていると言われる養 が多いため、課題であるマーケテ 見せないマグロが好む餌の開発は る企業は多いだろう」と分析する。 っと見ただけで食いつくそぶりも ィング戦略を克服すれば成長す 難題だった」 (熊山社長)と言う。 一方で「気に入らない餌だとちょっ に反射して、マグロには生餌のよ 長によれば「水中の光がフィルム おいを発するだけでなく、熊山社 により、生餌のように魚が好むに 合飼料の開発が長く望まれていた。 ー)を使う必要がない。この製法 さらに、水に漬かると軟化が進 むが、溶けたり、散在しないため、 うに見える状況が生じている」と が九州から生まれる可能性は十分 言う。 ている。濱田教授は「魚種によっ 熊山社 長はある日、流れてき たタバコのフィルターにマグロが にあるというわけだ。 「口にしたのは単なる偶然ではな 海底にたまり水質を汚染すること 食いついたのを見掛けた。その時 く、小魚の白い腹のように見えた フィルムで巻いた餌の開発を思い 高いため、常温での長期保存が可 より腐敗を防止、抑制する機能が 〝魚の気持ち〟 で新型飼料 開発を進める 「林兼産業」 て事業規模のバランスを図り、ト ータルで養殖業が発展するスタイ ルを九州全体で考える視点も重 要」と語る。 立って研究を重ね、従来の飼料概 からではないか」と考えた。そこで、 がない。また、特殊な加工技術に 先進的な研究開発が養殖業の 新しい可能性を生んだ好例が、林 能だ。 本当たりの大きさは、最 養 殖業者に関しては「事業環 境に合わせて経 営するしなやか な経営体が九州には多いことも特 念を変える新型養魚飼料の開発 に約4000体あったブリ養殖業 の配合飼料「ツナ・ 売しているマグロ用 に成功した。 兼産業とマルハ増養殖事業部(福 岡 市 )が 共 同 開 発 徴」 (濱田教授)だと言う。濱田 教授によれば、その象徴はブリの 者は現在、約600体にまで減少 フード」だ。それま し、 年 月から販 しているが九州と四国に多いとい での「マグロは配合 小で直径 ㍉、長さ ㍉程度だが、 に適したタンパク/ マ グロの 栄 養 補 給 という。SFFは、 配合飼料(SFF) 同 商 品の正式 名 称 はソ ーセー ジ 状 る」を基本理念とする同社にとっ で、日本の水産業に幅広く貢献す 「 良 質 かつ経 済 的 な 養 魚 用 飼 料を生産者に安定供給すること る点も特徴だ。 マグロの成長に合わせて変えられ 最大で直径 ㍉、長さ300㍉と、 カロリ ー 比( C / て、SFFの商品化は通過点に過 50 の生魚が主流だが、環境への配慮 されている。餌はアジやサバなど ストラリアなどで約 万㌧が養殖 マグロは国内で約3000㌧、 海外では地中海やメキシコ、オー 世界中から注目を集めた。 MPと言われる従来のペレット飼 で表面を覆っているため、EPや 術で両端を止めている。フィルム に充填し、漏れないように特殊技 殊加工した素材を筒状のフィルム ソーセージと同様に天然素材を特 を担う同社の取り組みは今後も 改良により、養殖業活性化の一翼 注目を集めた看板商品のさらなる を図っている」と言う。国内外で きるようにし、養殖コストの低減 「より低価格でフィルムを生産で 飼料を特殊技術で加工したもので、 ぎないようだ。熊山社長によれば じゅうてん や魚肉の品質の維持、餌の保存の 40 続く。 3 養殖業者だ。1960年代、全国 う。濱田教授は「生産ノウハウは 1 15 P比 )に調 整 し た 林兼産業が開発したマグロ用の配合飼料 「ツナ・フード」 は、世界中から注目を集めた 料とは異なり、結着剤(バインダ を覆した商品として、 いう業界の共通認識 飼料は食べない」と 1 利便性の向上といった観点から配 Zaikai Kyushu / FEB.2015 49 06 卓越したものをもっている事業者 ブリの養殖は九州の特徴の一つだと言える
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