最新号H27.2 - 名古屋市立第一幼稚園

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園
長 だ よ り
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平成27年2月10日
名古屋市立第一幼稚園
鈴 木 照 美
寒さに震える毎日ですが、立春も過ぎて暦の上ではもう春です。
2 月 3 日、節分の豆まきをしました。毎年、次の日になると、子どもたちが園庭にまいた節分
豆が水分を含んでほどよい柔らかさになり、子どもたちが園庭からいなくなると鳩やスズメたち
が5羽、6羽と列になって子どもたちのやっつけたい「鬼」を食べに来てくれます。
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生活発表会の取り組みを通して
7日、8日は生活発表会。たくさんの方にご参観いただき、子どもたちの育ってきた様子をご
覧いただきました。どの演目も子どもたちの自由な発想やしてみたいことが織り込まれ、オリジ
ナルの内容に仕上がりました。第一幼稚園の生活発表会は、決められたセリフを覚えて劇を演じ
るのではなく、それらしく演じながら創作することを楽しむ表現遊びです。どのクラスも、自分
の得意技、披露してみたいこと、日ごろ遊んでいる楽しいことなど、ふんだんに織り込まれた内
容となりました。
観客の皆さんの前で大きな声で、それらしい動作で表現できるようになっていくことは子ども
たちの自信の表れとなりますので目標としたいところですが、第一幼稚園では教えてもらった言
葉を丸暗記して、唱え言葉のように言えることが最優先ではありません。当日に至るまでにあれ
これと考えてお話ができあがっていくことや、先生やグループの友達と話し合って必要な道具を
協力してつくること、本番も練習もなく、いつものように子どもが主体的に進めること、などの
ことが何よりも大切、とすべての教員が考えています。また、生活発表会後に役を替わり合って
楽しみ、譲ることや教え合うことなど様々な経験をすることが大切であると考えています。
毎年のことですが発表会の週、遊戯室の使用は大人気のため予約制になります。衣装を着けて
やる気満々で支度を終えた子どもたちは、遊戯室へ集まってきて、他のクラスの演目のお客さん
になったり自分の番になると役を演じたりと大忙しでした。道具の出し入れを手伝う先生たちも
息切れしながら精一杯のアシスト体制です。(細身の室田先生と河路先生はお昼ご飯を食べる暇
もありません。倒れないかと心配しました…)
また、子どもたちの表現が自由に豊かにのびやかにで
きるように願って、担任だけでなく、職員みんなが手伝
い合って子どもたちがつくった衣装や道具の補強や修理、
製作する大道具の準備や音楽の録音など、目に見えない
ところまで夜遅くまで頑張っていました。
昨年度は発表会が終わって、「これでみんなと一緒に劇の練習をするのが終わってしまう、も
っとみんなと一緒に劇がしたかった…」と泣いた子がいたほどでした。毎年、やる気満々、気持
ちの入った取り組みになっています。
年少組の子どもたちは、遊戯室で大きい組のお友達が一生懸命に練習している劇や歌をかわい
らしいお客さんになって熱心に見てくれていました。このことが刺激となって、これから自分た
ちの表現遊びを先生や友達と一緒に遊びの中で楽しみながら、一番気に入ったことを繰り返し楽
しむようになっていくと思います。後日、保育参観の日にご披露させていただきます。
発表会当日も“ありのまま”の年中児は、やる気満々
で楽しみました。照れながらもにこにこの笑顔で張り
切ってできた子や緊張感と高揚感からでしょうか、い
つも以上にはしゃいでしまい、保護者の方にドキドキ
はらはらさせてしまった子もいましたが、どの子も精
一杯の姿で頑張ったと思います。
年長児の取り組みでは、ありとあらゆることを自分たちで進めるため、集中力が途切れてくる
とぼう然としてしまうこともありましたが、お互いを思いやる様々な感動的な場面に出会うこと
もできました。
「一生懸命にみんなで取り組みたい」という一心から出た友達の言葉が耳に入り、
心が折れてしまいそうになった子もいてご心配をおかけしました。気持ちの立ち直りを待ってく
れる友達や、応援の気持ちのあふれる観客の皆さんの温かいまなざし…。子どもたちが積み重ね
ている生活が、こんなに温かい空気に包まれて、一人一人の豊かな感性がはぐくまれていくのか
と思うと、心がジーンと感動に震えます。
お家の方たちやお忙しい中ご来臨下さったお客様の温かい声援と園の職員のサポートで、今年
も、子どもたちのための、子どもたちによる、素晴らしい発表会ができたと思います。心より感
謝申し上げます。