News Release - ジョーンズ ラング ラサール

News Release
日本語版ツイッター@JLLNews_JP
2015 年 2 月 10 日
報道各位
JLL
(ジョーンズ ラング ラサール株式会社)
東京オフィス賃料、11 四半期連続で上昇
大阪の空室率は 2 四半期連続で大幅に低下
ジャパン プロパティ ダイジェスト 2014 年第 4 四半期(10‐12 月)
総合不動産サービス大手の JLL(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長 河西利信)は、日本のオ
フィス、リテール、ロジスティクス、ホテル市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向及び
12 ヵ月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2014 年第 4 四半期」を
発表しました。セクター別の概要は、以下の通りです。
東京の A グレードオフィス市場
 賃料
11 四半期連続の上昇
月額坪当たり 33,399 円(共益費込)となり、前期比 0.4%の上昇と、11 四半期連続の緩やかな上昇と
なった。大手町・丸の内、渋谷は上昇がみられた一方、六本木と汐留の一部のオフィスビルで緩や
かな下落がみられた。2014 年通年の賃料は、前年比 5.0%上昇し、2013 年の同 2.4%の上昇から加速
した。
 空室率
大手町・丸の内と赤坂・六本木の空室率は 1%台へと低下
空室率は 3.0%(前期比 0.9 ポイント低下、前年比 0.4 ポイント低下)。大手町・丸の内、赤坂・六本木
は 1%台へと低下した一方、日本橋、汐留、渋谷の一部のオフィスビルではわずかに上昇がみられた。
 ネット・アブゾープション※1
第 4 四半期は 64 千㎡で、2 四半期ぶりのプラスとなった。情報通信業、専門サービス業、製造業等
のテナントが拡張や集約のために移転を行った。2014 年通年のネット・アブゾープションは 287 千㎡
となり、前年並みとなった。
 供給
第 4 四半期に新規供給はみられなかった。2014 年通年の新規供給は、6 棟で合計 270 千㎡、ストッ
クは 4.1%増加した。
 価格・投資利回り
投資利回りは 5 四半期連続低下、価格上昇を下支え
第 4 四半期は、投資利回りが 5 四半期連続で低下し、価格は 11 四半期連続の上昇となった。2014
年通年の価格の上昇率は 19.3%となり、2014 年の同 6.1%から大幅に加速した。
 12 ヵ月見通し
賃料、価格ともに上昇
賃貸市場では、経済成長を背景に需要は安定的に推移するのに対して、新規供給は過去 10 年平
均並みにとどまる見通しであることから、空室率は現状の低位を維持し、緩やかな賃料上昇を下支え
する見通しである。投資市場では、賃料上昇等を背景に価格は一層上昇する見通しであるものの、
投資利回りは過去 12 か月にかけて急速に低下していることから、より一層の低下余地は少ないもの
と考えられる。
※1
当期中に新たに賃貸された床面積から当期中に退去した床面積を控除したネットの床面積の増減
大阪の A グレードオフィス市場
 賃料
2 四半期連続で上昇
月額坪当たり 15,674 円(共益費込)。前期比 0.3%の上昇となり、2 四半期連続で上昇した。上昇をけ
ん引した梅田サブマーケットでは空室の減少が続いていることから、オーナーが自信を回復している。
2014 年通年の賃料は前年比 0.6%の上昇となり、3 年ぶりのプラスとなった。
 空室率
「グランフロント大阪」稼働率向上が空室率を押し下げ
空室率は 8.1%。前期比 0.6 ポイント、前年比 2.2 ポイントの低下となり、2 四半期連続で大幅に低下し
た。稼働率が 70%に達した「グランフロント大阪」を擁する梅田は低下が顕著となった一方、本町、大
阪ビジネスパーク、中之島等の一部オフィスビルでは緩やかながら上昇がみられた。
 ネット・アブゾープション
第 4 四半期は 21 千㎡。製造業、専門サービス業、物品賃貸業等のテナントが集約等のために移転
を行った。
 供給
2013 年「グランフロント大阪」以来の新規供給
満室で稼働を開始した「宇治電ビル」(貸床面積: 13 千㎡)が竣工し、ストックは前年比 0.8%増加した。
新規供給は 2013 年に竣工した「グランフロント大阪」以来となった。
 価格・投資利回り
投資利回りは 5 四半期連続で低下、価格は 5 四半期連続の上昇
第 4 四半期の投資利回りは 5 四半期連続で低下し、5 四半期連続の上昇となった価格を下支えした。
日銀の金融緩和により歴史的低水準へと低下した長期金利等を背景に、2014 年通年の価格は前期
比 11.4%の上昇となり、7 年ぶりのプラスとなった。
 12 ヵ月見通し
賃料の上昇率が加速、価格も上昇
賃貸市場では、経済の安定化にともない需要は堅調となる一方、新規供給は過去 10 年平均比 80%
と控えめな水準にとどまることから、空室率には下方圧力が加えられ、賃料は上昇率が加速する見
通しである。投資市場では、投資利回りが一層低下する見通しであることから、賃料上昇の加速とあ
いまって、価格は上昇する見通し。
JLL リサーチ事業部長の赤城威志は、次のように述べています。
「2014 年末時点の東京 A グレードオフィスの空室率は 3.0%とリーマンショック前の水準まで低下しま
した。まとまった面積の空室がないことから、オーナーの強気姿勢は新規賃料から継続賃料の引き
上げにも広く波及してきています。このような賃貸市場を反映して投資市場は活発さを増しており、
当四半期の商業用不動産取引額は第 4 四半期としては過去最高を記録しました。2015 年もこのトレ
ンドの継続が見込まれ、更なる市場の活性化が期待されます」
東京のリテール(商業施設)市場
 賃料
9 四半期連続上昇
月額坪当たり 69,195 円(共益費込)。前期比 0.1%の上昇となり、9 四半期連続の上昇となった。2014
年通年の賃料は前年比 4.3%の上昇となり、2013 年の同 4.8%の上昇とほぼ同じ水準となった。
 価格・投資利回り
5 四半期連続で上昇
前期比 2.3%、前年比 12.3%上昇し、5 四半期連続の上昇となった一方、投資利回りは 3 四半期連続
の低下となり、2008 年の水準へと低下した。
 12 ヵ月見通し
空室は限定的、賃料は緩やかに上昇
小売業者の旺盛な需要を反映して、2015 年に予定されている新規供給「(仮称)銀座 5 丁目プロジェ
クト」「(仮称)銀座6丁目瀧山町ビル跡地計画」「(仮称)神宮前 6 丁目プロジェクト」におけるテナント
の成約状況は、極めて順調。こうした需要は継続する見通しであることから、空室は引き続き限定的
となり、賃料の緩やかな上昇を支える見通し。投資市場では、資金調達環境が改善していることから、
投資家の取得意欲は継続する見通しであり、投資利回りは低下する可能性がある。
東京のロジスティクス(物流)市場
 賃料
14 四半期連続上昇
月額坪当たり 6,125 円(共益費込)。前期比 1.5%の上昇となり、14 四半期連続の上昇となった。2014
年通年の賃料上昇率は前年比 3.6%となり、前年の同 1.4%の上昇から加速して 3 年連続の上昇と
なった。
 需要
需要は引き続き旺盛
第 4 四半期の需要は引き続き旺盛となり、3PL 業、製造業、卸売業・小売業等が牽引した。こうしたテ
ナントが賃借活動を行った結果、特に東京圏全体でみられた比較的大量の新規供給が概ね高い成
約率で稼働を開始した。
 供給
第 4 四半期に東京ベイエリアで新規供給はみられなかった。東京圏全体をみると、「グッドマン水江」
(延床面積 69 千㎡)が満室で稼働を開始したほか、「八千代物流センター」(延床面積 58 千㎡)、
「(仮称)横浜市緑区物流センター」(延床面積 43 千㎡)が竣工。
 12 ヵ月見通し
好調な経済状況が需要を下支え
経済状況は堅調な需要を下支えする見通しであるものの、多くの供給が見込まれる内陸部における
賃料の緩みが東京ベイエリアの賃料上昇率に影響を与える可能性がある。
東京のホテル市場
 需要
訪日外客数増加、国内のビジネス、レジャー需要に伴い堅調な伸び
訪日外客数は 2014 年初来 11 月までの累計で前年同月比 28.2%増の 12.2 百万人となった。これは
中国と台湾からの訪日客が前年比でそれぞれ 82.2%と 27.0%の大幅な増加となったことに起因する。
また、タイとマレーシアからの訪日客も、2013 年 7 月以降の観光ビザの規制緩和により、前年比でそ
れぞれ 46.2%と 42.0%の大幅な増加となった。2014 年 9 月 30 日よりインドネシア、フィリピン、ベトナム
への数次ビザの緩和が行われたことにより、これらの国々からの訪日客数も今後増加することが期待
される。国内の宿泊需要は、2013 年にアベノミクスが打ち出されて以来、ビジネスならびにレジャー
の双方について継続的な成長が見られている。また、円安や格安航空会社の躍進も国内需要を後
押ししている。
 供給
アマン東京が部分開業
客室数 84 室を備えるアマン東京が都内最高級ホテルとして 2014 年 12 月 22 日に部分開業した
(2015 年春に全面開業を予定)。その他の 4 ツ星または 5 ツ星ホテルの新規開業はなかった。また、
宿泊主体型ホテルでは、2014 年 12 月に 329 室を備えるミレニアム三井ガーデン銀座東京が、国内
初のミレニアムブランドのホテルとして、三井ガーデンホテルズとの共同ブランドで開業した。2015 年
は、新規の 4 ツ星または 5 ツ星ホテルの開業は予定されていない。
 運営パフォーマンス
RevPAR は過去最高水準の 2007 年を超えるペースで推移
東京における 5 ツ星ホテルの運営パフォーマンスを見てみると、1 日当り販売可能客室数当り宿泊売
上(RevPAR)が年初来 11 月までの累計で前年同期比 14.0%の増加となっている。これは客室稼働率
と平均客室単価(ADR)がそれぞれ 4.0%と 9.5%伸びたことによる。年移動平均では、RevPAR は 2012
年第 2 四半期以降、継続して成長軌道を描いており、RevPAR が過去最高の水準にあった 2007 年を
超えるペースで推移している。
 12 ヵ月見通し
引き続き ADR の上昇が RevPAR の成長を牽引
国内外の宿泊需要は引き続き増加が見込まれる。当該増加基調は、近年における安倍内閣の経済
政策や過去最高水準の訪日客が主たる要因と考えられる。客室稼働率は既に過去 7 年で最高水準
まで回復していることから、短期的には ADR 上昇が RevPAR の伸びを牽引する形となっている。
2020 年東京オリンピック開催が決定したことで、今後数年に亘って東京における客室需要と供給の
伸びが見込まれる。新たなホテル開発が計画され、既存のホテルは ADR の上昇により恩恵を受ける
だろう。
JLL ホテルズ&ホスピタリティ事業部 マネージングディレクターの沢柳知彦は、次のように述べていま
す。
「アジア諸国に対するビザ発給要件の緩和により、インバウンド需要拡大が顕著なことから、宿泊ビジ
ネスにおける消費増税の影響は軽微と見られます。ホテル投資マーケットも活況を呈しており、短期
的にキャッシュフロー増加が見込めるホテル資産が人気を博しています」
【補足】
本レポートの日本での調査対象地区は次の通りです。
東京 CBD(中心業務地区):千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
大阪 CBD(中心業務地区):中央区、北区
東京リテール:銀座と表参道のプライムリテールマーケット
東京ロジスティクス:主に東京都のベイエリア(品川区、大田区、江東区)
東京ホテル:特段の説明がない限り東京所在の 5 ツ星ホテルマーケット
「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD) 2014 年第 4 四半期」の詳細は www.joneslanglasalle.co.jp をご
覧ください。
この件に関する問い合わせ先:
広報担当(エイレックス)仙頭・西田 電話:03-3560-1289
JLL グループについて
JLL グループ(ニューヨーク証券取引所上場:JLL)は、不動産オーナー、テナント、投資家に対し、包括的な不動産サービ
スをグローバルに提供する総合不動産サービス会社です。世界 80 ヵ国、従業員約 58,000 名、230 超拠点で展開し、年間
の手数料収入は約 47 億米ドル、総売上高は 54 億米ドルに上ります。2014 年度は、プロパティ・マネジメント及び企業向け
ファシリティ・マネジメントにおいて、約 3 億 1,620 ㎡(約 9,486 万坪)の不動産ポートフォリオを管理し、990 億米ドルの取引
を完了しました。JLL グループで不動産投資・運用を担当するラサール インベスト マネジメントは、総額 536 億米ドルの資産
を運用しています。JLL は、ジョーンズ ラング ラサール インクの企業呼称及び登録商標です。
JLL のアジア太平洋地域での活動は 50 年以上にわたり、現在 16 ヵ国、81 事業所で 29,000 名超のスタッフを擁しています。
2014 年インターナショナル・プロパティ・アワード・アジア・パシフィックでは 7 ヵ国・地域で「最優秀不動産コンサルタント賞」
を受賞、 また 2013 年ユーロマネー・リアルエステート・アワードにおいては 9 つの賞を受賞しました。詳細な情報はホーム
ページをご覧下さい。www.joneslanglasalle.co.jp