平成22年度 農林水産省委託事業 平成22年度 農村振興再生可能エネルギー導入支援事業のうち 低炭素むらづくりモデル推進事業 報告書 平成23年3月 株式会社 三菱総合研究所 平成22年度農村振興再生可能エネルギー導入支援事業のうち 低炭素むらづくりモデル推進事業 目 次 はじめに ............................................................ 1 1. 農業活動等に起因する 温室効果ガスの排出量を把握するための手法のとりまとめ ............... 3 1.1 低炭素むらづくりとは .......................................... 3 1.2 農業・農村地域における温室効果ガス排出量把握等手法等............ 7 1.3 低炭素むらづくりの効果算定.................................... 27 2. モデル事業の事業実施主体に対する助言及び指導 ...................... 43 2.1 モデル事業の事業実施主体の一覧................................ 43 2.2 モデル事業の実施主体との意見交換(現地会議) .................. 44 3. 第三者委員会の設置及び運営........................................ 74 3.1 第三者委員会について ......................................... 74 4. 農山漁村の現場が活用できる『低炭素むらづくりの手引書』の作成 ....... 79 4.1 低炭素むらづくりの手引書の改訂とその構成について............... 79 4.2 低炭素むらづくりの手引書 ..................................... 80 5. 次年度に向けた課題について........................................ 81 参考資料 ........................................................... 84 ◆ 第三者委員会議事録 ........................................... 85 平成22年度農村振興再生可能エネルギー導入支援事業のうち 低炭素むらづくりモデル推進事業 平成22年度農村振興再生可能エネルギー導入支援事業のうち 低炭素むらづくりモデル推進事業 はじめに 農村地域では多様な自然エネルギーが豊富に賦存するものの、地域に広く分散し、 エネルギーを利用する者もエネルギーの利用形態が多様で地域に広く分散している。 このため、これまで農村地域の自然エネルギーは、エネルギーを利用する者に効率的 に結びつけられておらず、また有効に利活用されていないのが大勢である。このこと から、農村地域から発生する温室効果ガスの削減量を適切に評価するとともに、これ らの評価を普及・啓発し、今後の事業制度に反映していくことが、農業農村整備にお ける環境配慮の一環として求められている。 本事業では、温室効果ガス削減に資する農業農村整備をモデル的に実施し、農村地 域の自然エネルギーを効率的に利用するなどの取組を支援するとともに、農村地域に おける温室効果ガスの排出量の削減に資する活動を併せ行い、より効果的な温室効果 ガスの削減を通じて農業農村の活性化に資する「低炭素むらづくり」の具体像を検討・ 提示することを目的に実施した。 平成21年度事業においては、モデル地区事業の採択とともに、 「低炭素むらづくり の手引書」として「各種施策及び文献をもとにした排出削減量把握手法のとりまとめ」 及び「目標達成のための「戦略」・「取り組み」と、これらを実施することにより達成 を目指す「目標」との関係を図で示すことで自律的に計画策定及び実施を管理する方 法(いわゆるロジックモデル)」が整理された1。 これに引き続いて実施した平成22年度では、 「農業活動等に起因する温室効果ガス の排出量を把握するための手法」を、 「低炭素むらづくりモデル地区事業(以下「モデ ル地区事業」という。)の実施に起因する温室効果ガスの排出量の把握を通じて検証し、 具体的な課題及び改善方策の整理を行う」ことを目的とし2、事業を実施した。 とりまとめとしては、以下の3項目について検討を実施し、農業農村地域で低炭素 化に取組むことが農業農村地域の活性化にどのようにつながるのかを検証し、モデル 地区事業としての取組を支援する内容として手引書に反映することとした。 (1)「低炭素むらづくりとは」の検討 (2)温室効果ガス排出量の把握手法の検討 (3)低炭素むらづくりの効果算定の検討 1 平成 21 年度低炭素むらづくりモデル推進事業報告書による。 平成 22 年度農村振興再生可能エネルギー導入支援事業のうち低炭素むらづくりモデル推進 事業業務仕様書による。 2 1 平成22年度農村振興再生可能エネルギー導入支援事業のうち 低炭素むらづくりモデル推進事業 まず、「(1)低炭素むらづくりとは」については、主に検討委員会での議論と各モ デル地区事業との意見交換等を踏まえ 「低炭素むらづくり」の位置付けを明確化した。 次に、「(2)温室効果ガス排出量の把握手法の検討」では、モデル地区事業におけ る取組を事例として例示した。 併せて個別活動の排出量についての算定例を追記した。 更に、モデル地区事業における排出量取引等の環境付加価値化手法についての検討結 果とその課題を示した。 最後に、 「(3)低炭素むらづくりの効果算定」については、 「農山漁村活性化プロジ ェクト支援交付金」及び「生活環境整備費用対効果(総費用総便益比)」の考え方を参 考とし、モデル地区事業での独自の取組を効果として参入可能な算定手法を検討した。 以上の検討内容を本報告書及び「低炭素むらづくりの手引(改訂版)」として提示す るものである。 【施策】低炭素化 ② ② 温室効果ガスの排出量の把握 温室効果ガスの排出量の把握 ・温室効果ガスの排出量の把握手法の検討 ・各個別活動の排出量の把握手法の検討 ・環境付加価値化手法の検討 算定手法(手引書)←検討会での議論等 (算定例) (算定例) 温室効果ガスの排出量の 温室効果ガスの排出量の 把握の算定事例 把握の算定事例 モデル地区事業資料等 ① ① 低炭素むらづくり 低炭素むらづくり とは とは 【モデル事 業】 ソフト ③ 【モデル事業 】 ハード 検討会での議論等 低炭素むらづくり 低炭素むらづくり の効果算定 の効果算定 算定方法検討資料 検討会での議論等 【施策】農業農村地域の活性化 図 平成22年度低炭素むらづくりモデル推進事業での検討課題のイメージ(案) 2
© Copyright 2024 ExpyDoc