物理情報数学 C 演習問題/解答 2014/12/11 【問題】 ラプラス変換を用いて,つぎの微分方程式を解きなさい。ただし,t ≥ 0 の時間のみを 考えます。 dx(t) d2 x(t) +6 + 8x(t) = 2 (1) dt dt ただし,x(0) = 1,x(0) ˙ =1 (2) dx(t) + 3x(t) = 5e−2t dt ただし,x(0) = 0 1 【解答】 x(t) のラプラス変換を X(s) とする。 (1) 与えられた微分方程式をラプラス変換し,初期条件を代入すると 2 s 2 (s2 X(s) − s − 1) + 6(sX(s) − 1) + 8X(s) = s 2 (s2 + 6s + 8)X(s) = + s + 7 s s2 + 7s + 2 X(s) = s(s + 2)(s + 4) (s2 X(s) − sx(0) − x(0)) ˙ + 6(sX(s) − x(0)) + 8X(s) = (1) となる。これを X(s) = a b c + + s s+2 s+4 (2) のように部分分数展開すると,留数計算よりそれぞれの係数は a = sX(s) |s=0 = 1 4 b = (s + 2)X(s) |s=−2 = 2 c = (s + 4)X(s) |s=−4 = − 5 4 (3) となる。すなわち,(1) 式は X(s) = 1 1 1 5 1 · +2· − · 4 s s+2 4 s+4 (4) のように展開できる。(4) 式をラプラス逆変換することにより,微分方程式の解 x(t) = 1 (1 + 8e−2t − 5e−4t )us (t) 4 (5) が得られる。ただし,us (t) は単位ステップ信号とする。 (2) 前問と同様に,与えられた微分方程式をラプラス変換し,初期条件を代入すると 1 s+2 5 X(s) = (s + 2)(s + 3) sX(s) + 3X(s) = 5 · 2 (6) となり,留数計算を用いることにより, ( X(s) = 5 1 1 − s+2 s+3 ) (7) と部分分数展開できる。(7) 式をラプラス逆変換すると,微分方程式の解は x(t) = 5(e−2t − e−3t )us (t) (8) となる。ただし,us (t) は単位ステップ信号とする。 【解答傾向】 今回のポイントは,a) 微分方程式を正しくラプラス変換することができるかという点 と,b) 正しく部分分数展開することができるかという 2 点である。a) については,微分 方程式の右辺をラプラス変換し忘れてしまっている解答や,2 階微分・1 階微分項のラプ ラス変換を正しくできていない解答が見受けられた.また b) については,単純な計算ミ スをしている解答があったので,もう一度落ち着いて計算をしよう. 3
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