震災・津波対策編 第 3 章第 44 節 「火災対策」 第 44 節 火災対策 【本所】消防・水防班 【庁舎】総務企画班 【関係機関等】酒田海上保安部、県災害対策本部(総合調整班)、市民、企業(事業所)等 1 計画の目的 地震発生時には、家屋の倒壊に伴う出火及び配管等の破損によるガスの漏えい等に起因する 火災が多発するとともに、延焼拡大が速く大火災となる危険性が高いことから、大火災となっ た場合は、多くの人的物的被害をもたらすことが予想される。市消防機関は 、地震発生と同時 に全組織を迅速に展開し、的確な対応を実施するとともに、応援消防隊の早期要請による消防 力の増強を図り、災害の拡大抑止にあたるものとする。 <達成目標> 市は、地震による火災に対し、地域住民、自主防災組織等の地域の初期消火による延焼防 止及び消防機関等の迅速、効果的な消火活動の実施により被害の拡大を防ぐ。 2 各段階における業務の内容 発災から 1 時間以内 初期消火 地域の防災力による消火 発災から 3 時間以内 県内広域応援による消火 発災から 6 時間以内 緊急消防援助隊による消火 3 各主体の役割 (1)消防本部の役割 消防本部は、火災が発生した場合、消防団等と連携し、適切な消火活動を行うとともに、自 らの消防力で対応できない場合には、必要に応じて「山形県広域消防相互応援協定」、「緊急消 防援助隊運用要綱」及び「大規模特殊災害時における広域航空消防応援実施要綱」等 に基づく 応援要請並びに県に対する緊急消防援助隊への応援要請など、知事又は他市町村長に広域応援 を要請する。。 (2)消防団の役割 消防団は、消防署と緊密な連携の下に火災防ぎょ活動に努める。また、現地の火災の状況を 把握し消防本部等に報告し、周辺住民に延焼の警戒を呼びかける。 356 震災・津波対策編 第 3 章第 44 節 「火災対策」 (3)県の役割 県は、地震により大規模な火災が発生した場合、市の被害状況及び消火活動状況を把握し、 関係機関への応援を要請し、消火活動の迅速な実施を図る。 (4)市民の役割 市民(各家庭、企業(事業所)等)は、家庭及び職場等において、発生火災の初期消火に努 めるとともに、速やかに消防機関に通報しなければならないものとする。 4 業務の内容 (1)市民及び自主防災組織の消火活動 地震発生直後における出火防止処置及び出火した場合の初期消火活動は、 「私たちの地域は私 たちで守る」を基本として、市民一人ひとりが自分の責任において次の措置を行う ものとする。 ① 初期消火 ア 火災が発生した場合は、速やかに消防機関へ通報するものとする。 イ 家族や隣近所にも大きな声で知らせ、安全を確保するものとする。 ウ 消火器や風呂のくみおき水等で初期消火を試みるものとする。 ②都市ガス等の漏えい 都市ガス、プロパンガス、石油等が漏えいした場合は、火気を使用しない。 (2)消防機関の対策 消防本部及び消防署は、 「鶴岡市消防地震等による大規模災害活動要綱」により 、消防活動を 実施する。 ①火災情報の収集 火災情報の収集は、119 番を中心に行うが、通信回線が途絶した場合は、次の方法により速 やかに管轄区域内の火災全体状況を把握するとともに、災害対策本部に報告する。 ア 職員の参集途上の情報収集 イ 消防部隊による情報収集 ウ 消防団部隊による情報収集 ②緊急交通路の確保 ア 消防本部は、警察及び道路管理者の情報に基づき、火災現場までの通行路確保を図ると ともに、必要に応じて交通規制及び道路啓開を要請する。 イ 消防吏員は、警察官がその場にいない場合において、災害応急対策の実施に著しい支障 が生ずると認められる場合は、消防用緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置 を行う。 ③火災防ぎょ活動 ア 人命の安全を最優先とする。 イ 火災の発生状況から鎮圧可能である地域の火災については、発生する全部の火災の鎮圧 を主眼とする。 357 震災・津波対策編 第 3 章第 44 節 「火災対策」 ウ 火災の発生状況から鎮圧が不可能であると予想される地域の火災については、延焼拡大 防止及び避難上の安全を確保する。 エ 避難者収容施設、救護所等多数の市民を収容する施設及び災害対策上重要な施設の、安 全の確保を優先した活動を実施する。 オ 断水による消火栓の使用不能が予想されることから、河川等の自然水利及びプール、防 火水槽等の防火用水施設を活用し、火災の鎮圧及び延焼拡大の阻止にあたる。 ④海上における火災対策 ア 酒田海上保安部又は消防機関は、船舶の火災を知ったときは、相互に通報する。 イ 埠頭又は岸壁にけい留された船舶等及び河川における船舶等の火災に係る消火活動につ いては、主として消防機関が担任し、酒田海上保安部が協力する。これ以外の船舶等の火 災については、酒田海上保安部が担任し、消防機関が協力する。 (3)広域応援要請 広域応援要請は第 3 章第 19 節「救助・救急活動」による。 (4)積雪期の火災対策 ①市民の対応 ア 消防隊の速やかな到着は、非常に困難になることを念頭に置き、暖房器具等からの出火 防止に努めるとともに、保管・備蓄している燃料の漏出等がないか直ちに点検するものと する。 イ 近所の消火栓・防火水槽等を点検し、雪で埋まっている場合は、火災の発生の有無に関 わらず直ちに除雪に協力するものとする。 ②消防機関の対応 ア 火災発生現場への消防車両の通行確保のため、関係機関に除雪等を要請する。 イ 積 雪 地 に お い て は 、雪 上 車 を 保 有 す る 機 関 ・ 事 業 者 に 、現 場 へ の 人 員 、資 材 等 の 輸送に対する協力を要請する。 (5)災害時要援護者に対する配慮 近 接 住 民 、 自 主 防 災 組 織 、 消 防 団 、 ボ ラ ン テ ィ ア 組 織 及 び 施 設 管 理 者 等 は 、 災害時要 援 護 者 の 住 宅 、施 設 等 か ら の 出 火 防 止 を 図 る と と も に 、火 災 が 発 生 し た 場 合 は 、身 の 安 全を確保するととともに、初期消火に努めるものとする。 358
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