震災・津波対策編 第 3 章第 49 節 「輸送対策」 第 49 節 輸送対策 【本所】輸送・交通・情報等班、総務班、財政班、土木班、都市施設班 【庁舎】総務企画班、建設班 【関係機関】 ・県災害対策本部(総合調整班、生活救援班、ライフライン対策班)、警察本部 ・日本通運(株)鶴岡支店、輸送関係機関 1 計画の目的 震災時の緊急輸送は、救助・救急・消火活動の迅速な展開の支援、及び被災者に対する水・ 食料・生活物資の供給等をその目的とする。緊急輸送を行うためには、被害の状況、交通の確 保状況を把握し、緊急性及び重要度の優先順位を見極めた迅速で的確な緊急輸送 を実施しなけ ればならない。また、輸送機関との連携、関係機関への被災地の交通情報の伝達、緊急輸送道 路確保のための交通規制及び早期応急復旧等を迅速に実施する。 <達成目標> 市は、救助・救急・消火活動の迅速な展開の支援、及び被災者に対する水・食料・生活物 資の供給等の緊急輸送を実施する。 (輸送手段の確保) 民間輸送機関と連携し、車両、バイク、船舶等の輸送手段は、概ね 6 時間以内に確保する。 また、避難所への水・食料・生活物資の供給は、協定民間企業(事業所)等から避難所へ直 接配送を図るよう調整する。 (緊急輸送ネットワークの確保) 減災・予防対策として幹線道路や集落へのアクセス道路網を整備し、災害時に 、被災地に 至る輸送施設、輸送拠点、備蓄拠点等を結ぶ緊急輸送ネットワークは、 概ね 24 時間以内に 確保する。 2 各段階における業務の内容 発災から 3 時間以内 緊急交通路の確保(中継基地・ヘリポート) 医療物資・人員、患者等搬送 緊急交通路の確保(中継基地・ヘリポート) 発災から 6 時間以内 輸送車両の確保 医療物資・人員、患者等搬送 緊急交通路の確保(中継基地・ヘリポート) 発災から 12 時間以内 食料等の輸送 医療物資・人員、患者等搬送 373 震災・津波対策編 第 3 章第 49 節 「輸送対策」 緊急輸送ネットワークの確保 発災から 24 時間以内 緊急交通路の確保(中継基地・ヘリポート) 医療物資・人員、患者等搬送 発災から 72 時間(3 日)以内 3 医療物資・人員、患者等搬送 各主体の役割 (1)市の役割 ア 道路等の被災情報に基づき、被災地に至る輸送施設、輸送拠点、備蓄拠点等の緊急輸送ネ ットワーク及び輸送手段を確保する。 イ 災害の発生が予測され、住民等の避難が必要となった場合で、徒歩による迅速な避難が困 難な場合は、車両、ヘリコプター、船舶等により、住民等を安全 な地域へ輸送する。 ウ 車両、船舶等の調達先及び予定数並びに物資の集積場所等を明確にし、県等他機関と連携 して輸送体制を確保し、災害時の円滑な輸送を実施する。 エ 車両、船舶等の輸送手段が調達不能となった場合など、円滑な輸送体制の確保が困難であ る場合は、県又は他の市町村に応援要請を行う。 (2)県の役割 ア 道路等の被災情報に基づき、被災地に至る輸送施設、輸送拠点、備蓄拠点等の緊急輸送ネ ットワーク及び輸送手段を確保する。 イ 被災地へのアクセス、道路の被害状況、予想される物流量、規模等を勘案し、物資等 の集積・配送の拠点を確保する。 ウ 市からの輸送体制確保に係る応援要請に基づき、関係機関に協力を要請する。 エ 災害応急対策の的確かつ円滑な実施のため、その通行を確保することが特に必要な車両を 、 緊急通行車両として確認を行う。 オ 災害発生の初期からヘリコプターを投入し、緊急輸送道路啓開までの間、輸送を行う。 カ 応援ヘリコプターを受け入れるため、臨時へリポートの確保等 により、早期に体制を整え る。 (3)県警察の役割 ア 交通の混乱を防止し、被災地内外の円滑な輸送体制を確保するため、交通規制を実施する。 イ 災害応急対策の的確かつ円滑な実施のため、その通行を確保することが特に必要な車両を 緊急通行車両として確認を行う。 (4)輸送関係機関 自動車・船舶・港湾運送事業者等の輸送関係機関は、東北運輸局、山形運輸支局の指導のも と、市及び県の災害対策本部と連携し、輸送体制の確保に協力する。 374 震災・津波対策編 第 3 章第 49 節 「輸送対策」 (5)輸送施設管理者 道路、空港、港湾、漁港、鉄道駅、臨時ヘリポート等の輸送施設の管理者は、市、県、県警 察、消防機関及び他の輸送施設管理者等と連携し、他の復旧作業に優先して緊急輸送ネットワ ークの復旧・確保を行う。 4 業務の内容 (1)市の緊急輸送実施体制 ①緊急輸送計画 市は、時系列区分により実施する災害応急対策のため、輸送活動を行うにあたり、次の輸送 対象順位により行う。 ア 輸送計画にあたっての最優先事項 a 人命の救助、安全の確保 b 被害の拡大防止 c 災害応急対策の円滑な実施 イ 輸送対象 段 階 第 1 段階 第 2 段階 第 3 段階 内 容 1 救助・救急活動、医療活動、人命救助に要する人員及び物資 2 消防、水防活動等の災害の拡大防止のための人員及び物資 3 市・県・国災害対策要員、ライフライン施設等の応急対策に必要な人員及 び物資等 4 後方医療機関へ搬送する負傷者 5 緊急輸送施設、輸送拠点の応急復旧、交通規制等に必要な人員及び物資 1 上記第 1 段階の続行 2 飲料水及び食料等の生命維持に必要な物資 3 生活必需物資 4 傷病者及び被災地外への輸送 5 輸送施設の応急復旧等に必要な人員及び物資 1 上記第 2 段階の続行 2 災害復旧に必要な人員及び物資 3 廃棄物の搬出 ②車両等の確保 市は、災害時に必要な車両は、市有車両をもって充てるものとし、不足を来す場合が生じた 場合は、次の民間輸送企業(事業所)等の協力を得て調達する。 ア 公益社団法人山形県トラック協会庄内支部 イ 鶴岡砂利採取販売協同組合(ダンプトラック) ウ 庄内交通株式会社 エ 鶴岡市ハイヤー・タクシー協会 オ 車両レンタル会社 375 震災・津波対策編 第 3 章第 49 節 「輸送対策」 ③県等への斡旋要請 市は、県又は他の市町村に対し車両の斡旋を依頼するときは、次の事項を明示して要請する。 <要請事項> ・輸送区間及び借り上げ期間 ・輸送人員又は輸送量 ・集結場所及び日時 ・その他必要事項 ・車両等の種類及び台数 ④燃料の確保 災害時における緊急輸送活動に必要な燃料の調達・供給は、市と契約を締結している業者(又 は市登録業者)に依頼し、給油場所を指定し供給する。 (2)自動車による緊急輸送に必要な手続き 災害対策基本法第 76 条の規定により緊急交通路が指定された場合、緊急通行車両以外の車両 の通行が禁止されるため、次により緊急通行車両の確認を受ける。 ①緊急通行車両の確認 市、県及び公共団体が所有する車の緊急通行車両の確認は、車両使用者の申し出により、そ の都度公安委員会(県警察本部)、各関係警察署及び交通検問所において行う。な お、緊急通 行車両を事前に届け出ておく制度があるため、各機関は、あらかじめ各関係警察署に手続きを 行う。 ア 緊急通行車両の申し出は、各関係警察署等に事前に届け出るか又はその 都度行う。 イ 確認は、各関係警察署等が行い、所定の標章及び証明書を交付する。ただし、事前に届 け出た場合は、緊急通行車両等事前届出済証が交付されるので、出動時に警察署又は交通 検問所において、標章及び証明書と引き換える。 ウ 緊急通行車両使用者は、交付された標章を車両前面左側に掲示し証明書を携帯する。 ②緊急通行車両の範囲 緊急通行車両の範囲は、道路交通法第 39 条第 1 項に規定する緊急自動車及び災害対策基本 法第 50 条第 1 項に規定する、災害対策の業務に特に必要として政令で定めた車両であり、主 に次の業務に従事する車両とする。 ア 警報の発令及び伝達並びに避難の勧告又は指示に関するもの イ 消防、水防、道路維持、電気・ガス・水道その他の応急措置に関するもの ウ 被災者の救護、救助、その他の保護に関するもの エ 災害を受けた児童及び生徒の応急の教育に関するもの オ 被災地の施設、設備の応急の復旧に関するもの カ 清掃、防疫その他の保健衛生に関するもの キ 犯罪の予防、交通規制その他災害地における社会秩序の維持に関するもの ク 緊急輸送の確保に関するもの ケ 上記のほか、災害発生の防止又は拡大の抑止のための措置に関するもの (3)積雪期の対応 ア 各施設の管理者は、積雪期における除雪体制等を整備し、迅速かつ的確な除雪・排雪活動 を実施するものとする。 376 震災・津波対策編 第 3 章第 49 節 「輸送対策」 イ 各施設の管理者は、降積雪による被害の防御、軽減及び交通の混乱防止のため、交通 状況及び交通確保対策の実施状況等について、適時適切な広報を行うものとする。 377
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