震災・津波対策編 第 3 章第 40 節 「ライフライン応急対策(ガス) 」 第 40 節 ライフライン応急対策(ガス) 【本所】災害対策班、都市施設班 【庁舎】総務企画班、建設班 【実施主体】鶴岡ガス(株)、庄内中部ガス(株)、LPガス充てん事業所、 LPガス販売事業者、一般社団法人山形県LPガス協会、 山形県高圧ガス地域防災協議会 【関係機関】県災害対策本部(ライフライン対策班)、関東東北産業保安監督部、 市民、企業(事業所)等 1 計画の目的 鶴岡ガス株式会社及び庄内中部ガス株式会社並びにその他ガス事業者は 、地震発生後速やか に、災害の規模、ガス施設への影響等の調査を行い、ガスによる二次災害のおそれがある地域 については、ガスの供給を停止するものとする。供給を停止した場合は、事前に定めてある復 旧計画書に沿って、安全で効率的な復旧を進めることを基本とする。また、市は 、二次災害防 止の広報、供給停止・復旧状況等の広報を行う。 <達成目標> (1)都市ガス事業者 地震発生後 ガス供給設備等の被害状況の把握 供給停止判断・措置 二次災害防止措置 経済産業省 関東東北産業保安監督部等 への報告 消費先の安全確認、供給再開開始 供給停止後概ね 14 日 供給再開完了(※1) (※1)大規模な被害が生じた場合を除く。 (2)LPガス事業者 地震後 1 時間 充てん所の被害状況把握 地震後 3 時間 二次災害防止措置 地震後 2 日 消費先の緊急点検完了 地震後 3 日 充てん所の復旧(※2) 消費先安全確認完了(※3) (※2)大規模な被害が生じた場合を除く。 (※3)安全確認は、消費者の利用再開の要望がある場合。 337 震災・津波対策編 第 3 章第 40 節 「ライフライン応急対策(ガス) 」 2 各段階における業務の内容 被災状況の把握 発災から 1 時間以内 供給停止判断・措置 二次災害防止措置(都市ガス) 消費先安全確認 発災から 3 時間以内 発災から 72 時間(3 日)以内 3 供給再開確認(都市ガス) 二次災害防止措置(LPガス) 2 日以内で消費先の緊急点検完了(LPガス) 充填所復旧・消費先安全確認完了(LPガス) 各主体の役割 (1)市の役割 市は、二次災害防止のための広報を行う。 (2)県の役割 県は、液化石油ガス充てん事業所及び液化石油ガス販売事業者(以下「LPガス事業者」と いう。)の安全確保の徹底を指導する。また、二次災害防止のための広報を行う。 (3)ガス事業者の役割 ア ガス供給設備の安全点検 イ 二次災害防止のための広報 ウ 被害状況を踏まえて復旧計画を定め、災害発生時の緊急措置マニュアルに従って安全で効 率的な復旧を進めるものとする。 エ 都市ガス事業者は、供給再開前に消費先ガス設備の安全確認点検を行うものとする。 オ LPガス事業者は、地震発生後速やかに消費先ガス設備の緊急点検を行うものとする。ま た、必要に応じて、使用再開前に安全確認点検を行うものとする。 カ LPガス事業者は、都市ガス供給停止区域の避難所、公共施設等への緊急供給を行うもの とする。 キ LPガス事業者は、流出した容器の安全な回収を行うもの とする。 (4)市民の役割 市民は、ガス栓を閉止する等の地震発生時に取るべき安全措置に従い、ガスによる出火、爆 発等の事故発生防止に努めるものとする。 338 震災・津波対策編 第 3 章第 40 節 「ライフライン応急対策(ガス) 」 4 ガス事業者の行う業務の内容(各ガス会社の供給区域内) (1)緊急措置 ①災害対策本部の設置 災害によりガス工作物に甚大な被害の発生又はそのおそれがある場合、被害状況把握、応急 復旧及びその他保安措置を円滑、適切に行うため、災害対策本部を設置するとともに、被災地 に現地対策本部を設置するものとする。 ②被害状況の把握等 ア 都市ガス事業者 ガスの圧力・流量等の情報を早期に収集するとともに、速やかに次の施設の被害調査、 巡視点検を行い、ガス工作物の被害状況を把握するものとする。 a 製造所・供給所の施設 ガス発生設備、受入設備、機械設備、ガスホルダー、液化ガス貯槽、配管・計装設備、 電気水道設備等について目視又は計測器、ガス漏えい検知器による調査、点検を行うも のとする。 b 導管施設 重要な導管、架管部、整圧器等を車両又は徒歩により巡回し、目視・臭気又はガス検 知器等による調査、点検を行うものとする。 c 供給停止 調査の結果、ガスによる二次災害のおそれのある地域については、ガスの供給を停止 するものとする。 イ 液化石油ガス販売事業者 a 被災状況の把握 液化石油ガス販売事業者及び液化石油ガス認定保安協会は、充てん施設及び販売施設 (容器置場)並びに消費者の供給設備を巡回して、ガス漏洩検知装置等による調査点検を 行い被害状況の点検に努めるとともに、一般社団法人山形県エルピーLPガス協会及び 山形県高圧ガス地域防災協議会に緊急連絡を行うものとする。 b 広報 事業者は、二次災害防止等について広報を行うものとする。 c 緊急措置 被災状況の実施の結果、ガス施設が危険な場合は、容器を撤去し爆発や流出のおそれ のない安全な場所へ一次保管するとともに、ガス漏れ等に対応するものとする。 d 応援要請 被災状況調査の結果、自らによっては応急措置の実施が困難と判断された場合は、他 の事業者や関係協会に応援を要請し、又は県に対して要員の確保について応援を要請す るものとする。 (2)復旧計画 ①製造所・供給所施設の復旧 ガス発生設備、受入設備、ガスホルダー等を巡視点検し、設備よりのガス漏えい、沈下、変 339 震災・津波対策編 第 3 章第 40 節 「ライフライン応急対策(ガス) 」 形等異常の有無を調査し、損傷部分は修理を行うものとするものとする。 ②導管施設復旧 ア 需要家を戸別に巡回し、需要家のガス栓・メーターガス栓の閉栓を行う ものとする。 イ 修理要員を増強して待機させ、消費末端における導管の漏えい箇所は、即刻ビニールテ ープなどによる応急修理を行い、速やかに本修理を実施するものとする。 ウ 万が一、中圧管が損傷した場合には、当該箇所の修理を行うものとする。損傷箇所の修 理完了後ガスを通しエアパージを行い、導管内の圧力を保持する ものとする。 エ ブロック内の低圧導管網に断続的に試験ガスを流し漏えい調査を行い、損傷箇所の修理 を行うものとする。その際、二次災害防止のため、広報車によるPRの徹底、さらに安全 を確保するため、作業員の巡回を実施するものとする。特に、橋梁、河川の架管部を重点 的に調査するものとする。 オ ブロック内導管網が復旧したらエアパージを行い、導管網を通常の供給圧力程度に保持 するものとする。 カ 漏えい規模が大きい場合は、本支管バルブ又は導管を切断することにより 、当該区域へ の供給を遮断するとともに、直ちに復旧にあたるものとする。 キ ガス漏えいが甚だしく引火の危険性がある場合は、付近住民に火気厳禁の措 置を講じ、 状況によっては、住民の避難措置をとるものとする。 ク 需要家への供給を再開するにあたっては、広報車によるPRを実施するとともに、戸別 に訪問し開栓するものとする。 ③代替燃料の確保 ガス施設復旧までの間、必要に応じて代替燃料供給を行う ものとする。 (3)広域応援体制 災害が発生し救援の必要が生じた場合は、日本ガス協会の定める「地震・洪水等非常事態に おける救援措置要領」によって救援要請を行うものとする。 (4)利用者への広報 二次災害の防止と、円滑な復旧作業を行うための広報活動を行う。 ①広報の内容 ア ガス供給停止地区 a 復旧の見通しとスケジュール b 復旧作業への協力依頼 イ ガス供給継続地区 a ガス臭気、漏れ等異常時のガス会社への通報 b ガスの安全使用周知 ②広報の方法 ア 報道機関への協力要請 イ 広報車による巡回 ウ 戸別訪問によるチラシ配布 340 震災・津波対策編 第 3 章第 40 節 「ライフライン応急対策(ガス) 」 エ 諸官公署への協力要請 (5)災害時要援護者に対する配慮 ア ガス事業者は、災害時要援護者世帯の緊急点検・安全確認点検にあたり、燃焼器具の点 検をあわせて行うものとする。 イ 避難時に誘導等を行う地域住民は、災害時要援護者世帯 の元弁閉止等の安全措置の実施 状況を確認するよう努めるものとする。 (6)積雪地域での対応 市 民 は 、積 雪 期 の 風 水 害 発 生 時 に あ た っ て は 、事 故 発 生 防 止 と 緊 急 点 検 ・ 安 全 確 認 点 検 の 迅 速 な 実 施 の た め 、 LPガス容器やガスメーター周辺を除 雪 す る も の と す る 。 341
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