短期給付財政安定化のための目標の設定

4 短期給付財政安定化のための目標の設定
医療費等の適正化の最終目標は、組合員及び被扶養者が健康的な生活を維持しながら、
各々の医療費を少額に抑えていくことです。
本組合の場合は、組合員1人当たりの医療費は、入院、外来、歯科、調剤ともに全国共済平
均を大きく下回っています。
しかし、組合員と被扶養者が減少傾向にあるにも関わらず、医療技術の高度化等により医
療費は増加傾向にあるため、次の事項について重点的な対応を図り、より一層の医療費の適
正化に努めます。
① 組合員及び被扶養者ともに40歳以降から増え始め、50歳以降で大幅に受診件数が
多くなる生活習慣病関連の疾患「循環器系の疾患(高血圧、狭心症、心不全等)」、「内
分泌、栄養、代謝疾患(糖尿病、高脂血症、肥満症等)」の抑制を目指すため、平成26
年度も特定健康診査・特定保健指導の目標設定値の達成を重点目標とします。
特定健康診査対象者数 約27,000人
目標受診率 組合員92% ・ 被扶養者61%
特定保健指導対象者数 約2,900人
目標受診率 25%
組合員については、所属所(職員の健康管理を担当する保健師等)との連携をさらに強
め、また、被扶養者については、未受診者への勧奨通知を組合員を通じて行うなど、
受診率の向上を図るよう計画します。
さらに、各所属所別データを用い、特定検診・保健指導の受診率等の資料提供を行い
ます。
② 医療費データを所属所別にみると、所属所間での格差や傾向がみられることから
本組合独自の分析データを作成し、医療費を軽減していく参考データとして所属所
に提供していきます。
③ 調剤医療費については、年間総医療費、組合員1人あたりの医療費ともに増加の傾向
にあるため、ジェネリック医薬品の一層の利用促進を図り、調剤医療費の抑制に努めま
す。
④ 20歳未満の被扶養者の受診状況をみると、呼吸器系の疾患(急性喉頭炎、アレル
ギー性鼻炎、インフルエンザ等)が非常に多い状況です。
特に、インフルエンザは、流行した場合、医療費を大幅に押し上げる要因となり得る
ため、広報紙等により、予防対策事業の啓蒙活動を行うなどの対策に努めます。
⑤ 精神疾患(躁うつ病、自閉症、ストレス関連障害等)は、年齢・性別に関係なく罹患し、
症状が長期化(慢性化)しやすく、いったん社会復帰できても再発を繰り返すケースが少
なくあ りません。
また、傷病手当金の支給状況を見ても、精神疾患によるものが減少傾向は見られます
が、未だ全体の約6割近くを占めており、引き続きメンタルヘルスに対応した事業の継続
により、精神疾患の抑制に努めます。
⑥ 歯科に関する診療諸率は数年減少傾向にありますが、病類別の件数及び金額は他の
疾病を大きく上回っています。
今後も、診療諸率を低く維持できるよう、歯科疾患予防対策用品の支給を実施し、歯科
疾患の抑制と歯科衛生に努めていきます。
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