5.発表雑誌: 雑誌名:Nature 論文タイトル:Structural basis of CpG and inhibitory DNA recognition by Toll-like receptor 9 著者:大戸梅治、柴田琢磨、丹治裕美、石田英子、エレナクラユヒナ、内山進、三宅健介、清 水敏之† (†責任著者) DOI 番号:10.1038/nature14138 6.注意事項:日本時間2月10日(火)午前1時 (イギリス時間:9日(月)午後4時) 以前の公表は禁じられています。 7.問い合わせ先: 東京大学大学院薬学系研究科 教授 清水 敏之 (しみず としゆき) 電話:03-5841-4840 FAX:03-5841-4891 E-mail:[email protected] HP:http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~kouzou/index.html 8.用語解説: (注1)CpG モチーフ DNA 中に存在するシトシンとグアニンがホスホジエステル結合でつながった DNA 配列。哺乳 類ではメチル化されることが多いのに対して、細菌やウイルスではメチル化されていない(非 メチル化)ことが知られている。非メチル化 CpG モチーフは TLR9 を強く活性化してさまざま な免疫応答を引き起こす。 (注2)インターフェロン 細菌やウイルスなどの病原体の侵入に対して免疫系の細胞が分泌するタンパク質で、ウイルス の増殖を抑制する作用や免疫系を活性化するなどの作用を発揮する。 (注3)アジュバント 抗原と混合して生体に投与することで、投与した抗原に対する免疫応答を増強する物質のこと で抗原性補強剤とも呼ばれる。 9.参考図: 図1:TLR9 の結合様式 (上図)CpG モチーフを有する DNA 配列と TLR9 との結合様式。 (下図)アンタゴニスト DNA 配列と TLR9 との結合様式。 2 量体を形成する TLR9 分子の一方を緑色で、他方を青色で示している。CpG モチーフは伸 びた構造で、TLR9 の 2 量体に 2 ヶ所で結合している(2 対 2 複合体)。アンタゴニスト DNA は TLR9 の馬蹄型構造の内側にループ構造を作り結合している(1 対 1 複合体)。 図2:TLR9 による CpG モチーフの認識の結合様式 (左図)CpG モチーフを認識する TLR9 の N 末端側の溝。 (右図)CpG モチーフを認識する TLR9 の N 末端側の溝の拡大図。 (左図)CpG モチーフが青色で示した TLR9 の溝にすっぽりと収まっていることが分かる。 DNA 配列と TLR9 の炭素原子をそれぞれ黄色と緑色で、水素結合は破線で示している。CpG モチーフおよび TLR9 の溝内のアミノ酸のトリプトファン(Trp47)とフェニルアラニン (Phe49)部分の電子密度を灰色のメッシュで示している。
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