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1.(1) ×(双極子モーメントに変化のない分子振動) (2) ○
(3) ×(常磁性シフトしたシグナルが観測されることも多い) (4) ○
(5) ×(マーカスの逆転領域が存在する)
2.(1) 電子伝達.フェレドキシン,シトクロム c など
(2) プラストシアニン.プラストシアニンの銅2価中心には2つの Cys と His,Met が配位して
ゆがんだ四面体型構造をとっている.このような配位環境によって銅1価の好む四面体型の配
位構造が安定化されている結果,銅1価へと還元されやすくなっている.
3.(1) 亜鉛.理由:容易には酸化還元を受けず,望ましくない電子移動が起こりにくい,4−6 配位と,
柔軟に配位数を変化させることができる など.役割:水の求核性を高める
(2) (a) 亜鉛の方がルイス酸性が小さいので,反応の最適 pH がより塩基性側になる.
(b) パープル酸性ホスファターゼでは,不対電子をもつ Fe(III)を含むので EPR シグナルが観測
されるが,亜鉛2価(d10)に置き換えると反磁性になるので,シグナルは観測されなくなる.
(3) 加水分解を受けるリン酸エステルを適切な位置に保持,加水分解における5配位リン中間体を
安定化,求核攻撃後に,リン酸の酸素と水素結合を形成してリン酸アニオンの脱離を促進,
など.
4.Na+/K+ ATP アーゼなどのはたらきによって,細胞膜内外で Na+,K+などのイオンの濃度差が
つくり出され,疎水性の細胞膜によって,イオンの行き来が遮られているため.
5.光合成系で,Z スキームによって励起された電子で NADP+を還元し,CO2 還元のための還元剤で
ある NADPH を合成する.
ストローマからプロトンを受け取り,チラコイド膜内外のプロトン濃度勾配をつくる.
6.(1) Cu(II) (2) 酸素運搬 (3) ヘモグロビン,ヘムエリトリン
(4) Cu(II)で不対電子が存在するはずなのに EPR シグナルを示さない.
架橋ペルオキソ配位子を介した反強磁性相互作用によって,2つの銅の不対電子が対になり,
スピンが消失するため.
7.(1) スーパーオキシドジスムターゼ.生体分子を損傷するスーパーオキシドイオンの分解
(2) スーパーオキソ配位子と水素結合を形成して,これを安定化する.
単結晶 X 線構造解析によって,distal 酸素がアミノ基側を向いていることを示す.
赤外あるいはラマンスペクトルで O–O 伸縮振動波数を調べ,水素結合形成によって O–O 結合
が弱まっている(低端数シフトしている)ことを示す.
(3) (a) 過酸化水素
(b) スーパーオキシドイオンに電子を渡して高原子価(3価)になったニッケルに電子を供与し,
これを安定化する.
(4) 別のスーパーオキシドイオンと反応して,ニッケルは2価へと還元される.スーパーオキシド
イオンは1電子酸化され,酸素を与える.
(5) 生体内の条件で複数の酸化状態を安定にとり,酸化還元を受けやすい.鉄,銅,マンガンなど.
(Cu-Zn SOD には亜鉛が含まれているが,これは酸化還元に関係していないことに注意)